面白く、そして下らない

私は批判をして何かを為した気になっている大衆の一人に過ぎないが、何か少しでも波紋を起こす小石になれればと書いている。

推しにハマるのは精神的充足を求めてのことか

2023-11-17 20:17:30 | 日本人への呼びかけ
AKBに投票権と握手権のために大量にCDを買って貢ぐ人は私は莫迦だなあと思うわけだが、世の中にはこの手の人が結構いる。ホストにハマって売掛金で大量の借金を抱えてしまい、売春で返す羽目になる女性を愚かだとは思うが、社会問題になって規制されそうになっている。

ソーシャルゲームでも大量に課金しても残るのは何にもならないデータだけだ。しかしやっているうちは充足感が得られるのだろうか。金を掛けずに充足感が得られれば良いのだが、世の中そううまくはいかない。そうしたことをせずとも精神的な充足感が得られるのは一部だけなのだ。

~~引用ここから~~
ジャニーズ解体、ホスト規制、AKB商法…推しビジネスの「終わりの始まり」 | 文春オンライン

ジャニーズ解体、ホスト規制、AKB商法…推しビジネスの「終わりの始まり」 | 文春オンライン

アダルトメディア研究家の安田理央さんがSNSで「推し『ビジネス』の終焉」という表現を使っておられ、我が意を得たりで膝を打ちまして。ほんと、そんな感じなんですよ。一連...

文春オンライン

 


 アダルトメディア研究家の安田理央さんがSNSで「推し『ビジネス』の終焉」という表現を使っておられ、我が意を得たりで膝を打ちまして。ほんと、そんな感じなんですよ。

 一連のジャニーズ関連だけでなく頂き女子やホスト刺傷などのホスト規制ネタに加えて、ちょっと前までのアイドルビジネスで秋元康さんが持ち上げられてきてやがて廃れたプロセスなどを見ても、やはりコト消費的な推しビジネスは乱獲の果てに終わり始めているんじゃないのかなあと思うわけです。

推しビジネスの罪
 ゲーム業界の仕事をしていると、推しビジネス問題とはどうしても向き合わざるを得ず、その中でも一時期ソーシャルゲームが興隆し、あまりの利益率の高さに各社こぞって参入した経緯を思い出します。たかが1枚のイラストで好きなキャラクターが出るからと言って、低確率のガチャ10回回すのに3,000円という法外に高額のサービスを複数回回すことがゲーム収益の根幹となっていたわけですよ。

 いわゆる「ダークパターン」と呼ばれる、あたかもカネを突っ込めば望みのキャラクターが出るかのように偽装し、資金を突っ込ませる仕組みは、確かに当たればべらぼうに利益をもたらすけれど、正気を失ったユーザーの側からすると「騙された」と気づいて冷めたころには膨大に突っ込んだカネと、飽きたらゴミにしかならないイラストなどデジタルデータしか残らないという。

 結局、それに気づいたお客さんは、散財してしまった苦い思い出を抱いた結果、単にそのゲームを辞めるだけでなくソーシャルゲームという市場そのものから退出してしまいかねないわけですね。

 そして、大事なのは「推し」と「推し『ビジネス』」は異なる概念だということです。誰かが疑似恋愛的に、誰かや何かを推すことは自由でも、それをビジネスにしてそういう構造、ビジネスモデルにし、高収益を実現するのは時として大変な悪になります。

消費者に強いる「推しは推せるときに推せ!」
 ソシャゲ業界と同じようなことは、一般的にもたくさん起きます。私の身の回りにも多いアイドルオタクの連中が、女性アイドルやタレント、女性声優の交際報道や結婚が報じられるたび、裏切られたと怒り、それまでつぎ込んできた金額を思い返して悲しみ、部屋中に積まれたグッズの類を泣きながらゴミ袋に入れる定番の仕草が思い返されます。以前は、AKB商法と言われて握手券欲しさに大量のCD、DVDを買い込み、段ボール箱に入りきらないぐらい買い集めた人もいました。

「馬鹿だなあ」と揶揄するのは簡単なんですが、ハマっている期間、本当に応援に集中している人に「おまえ、それ何の意味があるの」と水を掛けるのもよろしくないわけで、そこはまあ自己責任でお願いします、ということになるんですよ。

 ビジネスをしている側からすれば、ファンが好きでカネを払ってライブに来たりグッズを買ったり、ハマっているのだから、人気のあるうちに吸い上げられるだけ吸い上げて、旬が過ぎるまでに最大の収益を上げようとするのが常道とも言えます。コンテンツビジネスとはそういうものだ、と割り切って、推しは尊い、推しは推せるときに推せと教条的でほとんど宗教とも言えるような行動原理を消費者に強いる構造が、そこにはあります。

 アイドルや声優やアナウンサーたちが、異性を相手に人気を博すほど、そういう人たちの人生の出口戦略は難題になります。最近では、芸能界のようにある程度現実から切り離された世界だけでなく、ただのVTuberの中の人でも起きてしまうから深刻です。

 受け手の側も、うすうす、推しているただ一人のアイドルという貴重な存在がいるにしても、単なる消費者に過ぎないお前がいくら着飾ってライブに来ようが振り向いてもらえないことは分かっています。万に一つのチャンスに期待して、万馬券よりも確率の悪い高嶺の花に殺到し、スパチャで高いカネを突っ込み、グッズを買い、わずかな時間だけでも対応される握手券を求めるのです。

 推しはともかく、推しビジネスの罪深さはここにあります。完全に、騙しにいっているわけですから。声優にせよホストにせよジャニタレにせよ、実現不能な疑似恋愛をカネに替えるという意味で、先に逮捕された頂き女子のおじを騙すテクニックに通じるダークパターンによって構成されています。

宗教団体が悪になるのと似た構造
 推しは尊くともビジネスとして深いのは、見返りのない奉仕にカネを突っ込む不合理さを正当化させるプロセスそのものにあります。いわば、現代における新興カルト宗教と同じです。宗教自体は悪ではないが、宗教団体が悪になるのと構造としては似ています。

 心情的な応援という意味では無理のない範囲内でライブに行こうとしたり、グッズを買ったりという行動は、自身の生活が破綻しない限りは、民主主義国家において愚行権のレベルで本人の自由であり、好きにしたらいいじゃないということで放置されます。ただし、そこに拭い難い孤独があったり、容姿や所得の面で自己評価が低かったり、先を行く「同好の士」がいたりすると、人間は割と簡単にタガが外れるものなのだ、ということに愕然とせざるを得ません。

 自分は普通の恋愛などできると思えない、ならば、空想の世界でも推しが振り向いてくれる世界に浸ってつかの間の幸せを得たいというささやかな願いが、結果として推しの気持ちを悪用したビジネスに巻き取られていくことになるのです。

のめり込ませることを目的としたビジネス
 現在、話が進んでいるホスト規制にしても、カモとなる女性にイケメンホストが囁く暗示は明らかにダークパターンによる騙しの構造です。カネを払う女性に優しくする言葉の中に「他の店に流れる女性は大事にできないよね」というバインドを紛れ込ませるだけで、女性はそのイケメンホストからの情愛に触れるためだけに多くの金銭を注ぎ込もうとし、高額のツケを払ってもその時間が大事に感じられ、最悪の場合、自らの身体を売ってでも愛情を失わないように誘導されていきます。

 しかも、これらの推しビジネスは単にホストの問題だけでなく、投資の世界でも埋没コストを認識させないようユーザーを騙す仕組みに応用されています。いわば、推しの対象となる商品(例えば暗号資産など)は、芸能人がお薦めしているからすごい。さらにはプライベートライブに呼んであげるなどと誘導した後で、必ず儲かるだけでなく、これは革新的なお金2.0なのだ、歴史を変えるんだ、国家による中央集権から私たちは自由なのだ、他の投資商品にはない意義や夢があるのだと投資家に吹き込むことで、のめり込ませることを目的としたビジネスに変わってしまうのです。

 ホストをめぐっては被害女性の告発や関連事件の多発を理由として、現行法下では貸金業法違反や刑法詐欺罪などでの立件がホスト個人ではなくホストクラブを運営している事業者に対して科すという流れになっています。問題のある勢力の関わりも常に示唆されており、来年のいまごろは、歌舞伎町に多数軒を並べるホストクラブがどれぐらい残っているのか心配されるほど、状況は悪くなってきています。

 他方で、ホストクラブにハマった女性たちが溜めてしまった数百万のツケを払うのに身体を売ることで社会問題になることはあっても、おっさんがクラブの女に騙されたりキャバクラ嬢にムシられたりして消費者金融に駆け込み数百万の借金を抱えることは放置されています。このあたり、本当はこの手の推しビジネスの一種であるホスト、クラブ、キャバクラなどが持つ特有のダークパターンに嵌められた人は、男も女も平等に救われるべきだ、と個人的には思うんですけどね。

いつもやり過ぎが社会問題になっては潰されてきた風俗
 疑似恋愛も夜のおかずも現実逃避も、現代社会においては合法である限り個人の行動の自由を縛ることはできませんが、結果的に、それで人生を持ち崩してしまう人たちに帰る場所はないのが本質です。何者でもない人たちが、自分の推しを愛でることで持て余した人生を慰めているのが推しビジネスの本質であって、現実に向き合われたら冷められてしまうのでどんどん推しビジネスが過激化し、より高い収益性を求め、そして社会問題となって潰される、の繰り返しになるのです。

 かつて、テレホンクラブやブルセラショップが摘発されたり、出会い系サイトが問題視されて規制法が成立・施行されたりしていましたが、いわゆる生活安全と風俗との関係は、いつもやり過ぎが社会問題になっては潰される、の歴史でありました。いまのところ、ホストクラブもおなじベルトコンベアーに乗っかっていますが、その根底には人間の原罪のひとつとも言うべき性癖と、現代社会の人間の心のよりどころとする包み込むような宗教的価値観の喪失が推しビジネスという邪悪な代替物を産み出しているのではないかとさえ、思うんですけどね。
~~引用ここまで~~


子供の頃から芸能人には興味がなかった。草なぎ「吾朗」、稲垣「剛」と間違えて莫迦にされたこともある。そんな私だが、ドラゴンボールのカードダスには小遣いを出して買っていたし、中学時代は『マジックザギャザリング』というトレーディングカードゲームに随分金を費やしたものだ。

推しビジネスとは少し違うものだが、夢中になっている間は金を注ぎ込むのだが、飽きてしまうと何の価値もないカードが残る。中学校でだいぶ流行ったのだが、卒業前には飽きてしまった。

テレビゲームにしろアニメにしろ主人公が使う道具を販売するのだ。買った子供は成りきって遊ぶのだが、やがて飽きる。年齢あるいはそのゲームやアニメが廃れることで。引用した文春の「推しビジネス」とは少し違う気もするのだが。

元々芸能人に興味がないところにうつ病になってしまったからますます興味がなくなってしまった。AKBのCDを大量に購入する人の行動が理解できないのだ。金を貢いでも振り向いてくれることはないとわかりきっているのだから。

現実で女、異性に貢ぐのとどちらがマシなのかはわからない。普通に交際していたら何かの記念にプレゼントを贈ることは異常なことではないだろう。だが頂き女子のようなケースもあるのだ。どうにも同情してしまう。モテない男性に共感してしまうからだろうか。

疑似恋愛にのめり込ませて大金を貢がせるシステムはキャバクラもAKBも変わらないと考える。

AKBの実態はキャバクラ - 面白く、そして下らない

しかしキャバクラもホストもそれなりに需要があるのだ。カルト宗教に騙される人も含めれば現代人は精神的な充足を求めているように思う。山本一郎も宗教的価値観の喪失がカルト宗教や推しビジネスの跋扈に繋がっていると考えているようだ。

やはり昭和天皇のいわゆる人間宣言により日本人がアノミーに陥ったことが問題なのではないか。取り消すことはできないから今更取り戻すこともできないのだが。

私は政治・経済にいくらか関心を抱いてそれに夢中になっている。健全かはわからない。それにさえ興味を失ってしまったら世の中に興味を持つものがなくなってしまう。ブログとツイッターを書いている程度なので推しビジネスにハマるようなことまではいっていないはずだとは思うが。

推しビジネスの根本的な解決は日本人に精神的な充足感が得られるようにしてやるしかないのだろう。反日左翼が反対するのは目に見えているが。

やはり天皇、皇室しかない。しかしそれをどう日本人の宗教的充足感に繋げるのか。全く検討もつかないのだ。

最後にランキングボタンを押してくれるようお願いする。ランキングが上がればより多くの人に読まれるし、私のやる気も増すからだ。

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