アルメニアとアゼルバイジャンのナゴルノカラバフを巡る紛争が終結した。停戦合意は3回即時破られたが、今回の停戦合意ではロシア軍が平和維持部隊として駐留する。両国ともロシアを敵に回す意思はないはずなので紛争は終結だ。
両国とも相手が先に仕掛けたと主張しているが、紛争を有利に進めたのがアゼルバイジャンであることからアゼルバイジャンが仕掛けたのはまず間違いあるまい。
紛争は終始アゼルバイジャンに有利だった。アゼルバイジャンが産油国であり、そのオイルマネーでイスラエルなどから最新鋭兵器を輸入していたからだ。
少し疑問なのはこのままならアゼルバイジャンはナゴルノカラバフ全土を「奪還」できたはずで、中途半端なところで停戦に合意したことだ。
それはどうもこういうことらしい。(筆者である杉浦敏広の推測だが、当たっていると思う)
~~引用ここから~~
(略)
実はこの中途半端な将来に禍根を残す解決策こそ、アゼルバイジャンのI.アリエフ大統領にとり有利だったからだと筆者は推測しております。
なぜなら、アルメニア側との問題を残す(=緊張関係を維持する)方が、アリエフ大統領の強権政治維持には有利に作用するからです。
問題が全面解決して隣国関係と国内が平和となれば、国民の目は戦争被害(戦死者数など)に向かい、反アリエフ空気が醸成される懸念があります。
しかし問題が全面解決はせず、いつアルメニア側から反撃されるかもしれないとの緊張関係が残れば、アゼル国民の目は不倶戴天の敵国アルメニアに向かったままになります。
スターリンは、隣国同士を反目させるべく、わざと中央アジア諸国間の国境線を複雑にしました。
米英は戦後の日ソ外交改善を阻止すべく、日ソ間に「北方領土問題」を埋め込みました。
一方、ロシアは停戦を仲介したことで影響力を残すことができ、かつアゼルバイジャンの中にロシア軍駐屯地を置くことに成功しました。すなわち、ロシアにとっては労少なくして功多し。プーチン大統領は内心、笑いが止まらないことでしょう。
換言すれば、今回の停戦合意実現による最大の勝利者はロシアと言えるかもしれません。
筆者は、戦争で取られた領土は戦争で取り返すという帝国主義時代の常識が、21世紀の新常識になることを危惧します。
戦争で取られた領土は戦争で取り戻す思想は20世紀前半までの帝国主義時代の常識でしたが、人類の叡智として、戦後「パンドラの箱」に押し込めました。
その「パンドラの箱」が開き、世界はますます不安定になったとも言えましょうか。
某国の泥酔議員曰く、「北方領土を取り戻すにはロシアと戦争するしかないでしょう」。
これが21世紀の“ニューノーマル”にならないことを祈るばかりです。
(略)
~~引用ここまで~~
中途半端な停戦が、アゼルバイジャンのアリエフ大統領に有利になるとすれば納得はいく。というよりそれしかあるまい。
そしてロシアの両国に対する影響力が高まったという話を聞くとあまり面白くはないのだが。
最後の「戦争で取られた領土は戦争で取り戻す」思想は人類の叡知としてパンドラの箱に押し込まれたわけではない。核兵器の登場により大国間の全面戦争が不可能になったから大国間の全面戦争は起きなくなっただけだ。
第二次世界大戦後もフォークランド紛争など領土を巡る争いは尽きない。
日本は北方領土を取り戻すために戦争など考えもしていないことは確かだ。自民党の歴代首相を見てみれば良い。誰も彼もが平和ボケしている。野党系の鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦、村山富市、細川護煕、羽田孜はさらに、だ。
それにNBCR兵器を抜きにしてもロシアには勝てない。自衛隊には悪いが。ソ連崩壊後のロシアがひどく弱体化していた時期なら勝てただろうが。
だが支那が尖閣諸島ないし沖縄県を狙って侵掠してくることはあり得る。台湾侵掠より尖閣諸島ないし沖縄県を優先しているかはわからない。
支那が台湾に侵攻するなら日本は自衛隊を援軍として差し向けねばなるまいが。台湾を支那に侵掠されてはシーレーンが寸断されてしまう。
だから敵基地攻撃能力の保有を早くして欲しいし、軍事費をGDPの2%まで高めて軍事力を強化して欲しいのだが。
両国とも相手が先に仕掛けたと主張しているが、紛争を有利に進めたのがアゼルバイジャンであることからアゼルバイジャンが仕掛けたのはまず間違いあるまい。
紛争は終始アゼルバイジャンに有利だった。アゼルバイジャンが産油国であり、そのオイルマネーでイスラエルなどから最新鋭兵器を輸入していたからだ。
少し疑問なのはこのままならアゼルバイジャンはナゴルノカラバフ全土を「奪還」できたはずで、中途半端なところで停戦に合意したことだ。
それはどうもこういうことらしい。(筆者である杉浦敏広の推測だが、当たっていると思う)
~~引用ここから~~
ナゴルノ・カラバフ紛争総括 アゼルバイジャンはなぜ中途半端な停戦に応じたのか? | JBpress(Japan Business Press)
今回、アゼルバイジャン軍は圧倒的な武器・兵力を投入して、電撃作戦開始。侵攻作戦では、アルメニア側に占領されているナゴルノ・カラバフと同地とア...
JBpress(日本ビジネスプレス)
(略)
実はこの中途半端な将来に禍根を残す解決策こそ、アゼルバイジャンのI.アリエフ大統領にとり有利だったからだと筆者は推測しております。
なぜなら、アルメニア側との問題を残す(=緊張関係を維持する)方が、アリエフ大統領の強権政治維持には有利に作用するからです。
問題が全面解決して隣国関係と国内が平和となれば、国民の目は戦争被害(戦死者数など)に向かい、反アリエフ空気が醸成される懸念があります。
しかし問題が全面解決はせず、いつアルメニア側から反撃されるかもしれないとの緊張関係が残れば、アゼル国民の目は不倶戴天の敵国アルメニアに向かったままになります。
スターリンは、隣国同士を反目させるべく、わざと中央アジア諸国間の国境線を複雑にしました。
米英は戦後の日ソ外交改善を阻止すべく、日ソ間に「北方領土問題」を埋め込みました。
一方、ロシアは停戦を仲介したことで影響力を残すことができ、かつアゼルバイジャンの中にロシア軍駐屯地を置くことに成功しました。すなわち、ロシアにとっては労少なくして功多し。プーチン大統領は内心、笑いが止まらないことでしょう。
換言すれば、今回の停戦合意実現による最大の勝利者はロシアと言えるかもしれません。
筆者は、戦争で取られた領土は戦争で取り返すという帝国主義時代の常識が、21世紀の新常識になることを危惧します。
戦争で取られた領土は戦争で取り戻す思想は20世紀前半までの帝国主義時代の常識でしたが、人類の叡智として、戦後「パンドラの箱」に押し込めました。
その「パンドラの箱」が開き、世界はますます不安定になったとも言えましょうか。
某国の泥酔議員曰く、「北方領土を取り戻すにはロシアと戦争するしかないでしょう」。
これが21世紀の“ニューノーマル”にならないことを祈るばかりです。
(略)
~~引用ここまで~~
中途半端な停戦が、アゼルバイジャンのアリエフ大統領に有利になるとすれば納得はいく。というよりそれしかあるまい。
そしてロシアの両国に対する影響力が高まったという話を聞くとあまり面白くはないのだが。
最後の「戦争で取られた領土は戦争で取り戻す」思想は人類の叡知としてパンドラの箱に押し込まれたわけではない。核兵器の登場により大国間の全面戦争が不可能になったから大国間の全面戦争は起きなくなっただけだ。
第二次世界大戦後もフォークランド紛争など領土を巡る争いは尽きない。
日本は北方領土を取り戻すために戦争など考えもしていないことは確かだ。自民党の歴代首相を見てみれば良い。誰も彼もが平和ボケしている。野党系の鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦、村山富市、細川護煕、羽田孜はさらに、だ。
それにNBCR兵器を抜きにしてもロシアには勝てない。自衛隊には悪いが。ソ連崩壊後のロシアがひどく弱体化していた時期なら勝てただろうが。
だが支那が尖閣諸島ないし沖縄県を狙って侵掠してくることはあり得る。台湾侵掠より尖閣諸島ないし沖縄県を優先しているかはわからない。
支那が台湾に侵攻するなら日本は自衛隊を援軍として差し向けねばなるまいが。台湾を支那に侵掠されてはシーレーンが寸断されてしまう。
だから敵基地攻撃能力の保有を早くして欲しいし、軍事費をGDPの2%まで高めて軍事力を強化して欲しいのだが。
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