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MSX研究所長の日常

80年代を駆け抜けたオールドパソコンMSXの研究の日々を綴ります。

1チップMSX擬人化画像人気投票

2005年07月29日 21時34分57秒 | MSX
1チップMSX擬人化画像コンペの応募結果発表と人気投票が始まりました。

http://www.dengeki.jp/~roburi/msxninki/index.php

エントリー8作品中、今のところ一番人気なのが桜辺のとすさんの作品です。理由がよく分かりませんがダントツです。他の人が1チップMSXのコネクタを中心に記号化しているのに対し、MSX1特有(というかTMS9918特有)の「横8ドット2色」を解釈した「髪の毛が目のある所だけ同じ色になっている」という独特のデザインがマニアのココロを鷲掴みにしたのでしょうか。

2位は僅差ですが、一人だけMSXで描いているのがオトコらしいまかろんさんがつけています。横長(512×256ドット)なのはスクリーン5を横2枚繋いでいるようですね。アンチエイリアスが綺麗なので一見MSX画像に見えませんが、むしろジャギーを活かしてあざとく攻めたほう却ってイマ風に見えたかもしれません。難しいところです。

などとしょーもないことを言っても仕方ないので、上記のリンクからぜひ現物を見に行ってください。

B:の思い出

2005年07月26日 23時15分28秒 | MSX
「懐かしさ」というのは「思い入れ」と同じで、どうしても個人の体験に関係するものなので、案外と共有は難しいのです。同時代を生きた、とか同じ雑誌を読んでいた、とか限られた状況でやっと共有できる程度で、限りなく個人的な感覚でしょう。

MSXに関して言えば、ずっと関わっているせいで「懐かしいなー」という気持ちになることはあまりなくなっていましたが、デバッグのために久しぶりにMSX・FANの付録ディスクを片っ端から起動していたら、その中の編集後記に当たる「B:」の内容の実に懐かしいこと。単語だけ抜き出すと、

・ピナツボ火山(1992年)
・タイ米輸入(1993年)
・人面犬
・3DO
・赤ずきんチャチャ
・阪神大震災(1995年)

・・・なんてのがありました。そんなのあったなあ、と30歳前後の人なら思い出すでしょう。阪神大震災を除くと、ほとんど忘れていたものばかりです。10年、というのは思い出すのが気恥ずかしくなる時期で、このあたりはそろそろ人前で話題にするのは慎みたいところです。今の「北斗の拳」のように20年経つと平気になるようですが、そういやこの時期「北斗」は完全にギャグの扱いでした。

さて今回見たB:は10年以上前に間違いなく読んでいたはずのものですが、今の私は当時の編集部の人より年上なわけで、当時読んだのとはなかなか感覚が違っていて新鮮です。所詮は雑談なので、すぐ飽きますが。

とはいえ、雑談の中にも考えさせる文章はあって、まるで今の自分に向けて言われているような気分になることが何度もありました。10年前と言えばWindows95も日本ではまだ出ていない頃で、インターネットを自宅でやる人は滅多にいなかったし、「パソコンで仕事する=ワープロ」程度の認識があった程度の時代です。それでも本質はあまり変わっていないこともあるんだな、というのと同時に、10年前にMSX・FANの人たちが残したものに対して自分はどうなんだろうか、とふと思うのでありました。

今思えばあの頃の自分はアホタレでしたので、死んでも「あの頃に戻りたい」などとは思いません。使う側の工夫と想像力と能力、少しくらいはついているといいのですが。

「イース・フェルガナの誓い」と「ワンダラーズ・フロム・イース(MSX2版)」

2005年07月23日 00時08分55秒 | MSX
今年6月に発売された「イース・フェルガナの誓い」を一通りクリアしました。ヘタレなのでEasyモードです。にも関わらずボス戦では毎回苦労してしまいました。単に難しいのではなくて、敵の攻撃のスキを見つけて戦わないと勝てない、という非常によくできたアクションゲームになっています。素直に面白いのでオススメできます。

で、公言されていないようですがこのゲームは1989年に発売された「ワンダラーズ・フロム・イース(通称イースIII)」のアレンジ版のようです。「ようです」と書いたのは、「イースエターナル」とか「イースIIエターナル」のようなリメイクではなく、あくまで「イース・フェルガナの誓い」としか書かれていないからなんですね。このへんのファルコムの姿勢はよく分かりません。「イースVI」との関係が分からなくて困ってる人もいるみたいです。確かに「イースVI」より洗練されている部分もあるので、実はIIIなんです、とは言いづらいのかもしれません。

遡って「ワンダラーズ・フロム・イース」の話をしますと、当時かなり賛否両論のあったゲームであったことが思い出されます。人気のあった前作・前々作の「イース」「イースII」とシステム等がガラリと変わってしまい、こんなんイースじゃないやい、と言われたものでした。イースIIまでは体当たり主体の大雑把なアクションであったものが、ジャンプと剣を振る操作の追加によりアクション色が高まったのが最大の特徴でした。

当時の評価としては、発売対象のPC-8801とかMSX2というハードウェアとしては非常によくできたアクションゲームであり、ストーリーだけがそんなに面白くない、あるいは短い、というのがよく言われていました。ですが、今やってみるとアクション部分がぜーんぜん面白くないことに気づいてしまいました。レベルさえ伴っていればボス戦は力押しでいけてしまいますし、レベル上げも動きの鈍い敵に対してえんえんと伏せ斬り(通称ゾーキンがけ)を繰り返すだけでなんとかなります。特にMSX2版は遅い上に難易度が低く、最終ボスのガルバランの存在感の薄さでは全機種随一とまで言われるほどでした。

「時間が経つと欠点はよりクッキリと見える」とは言うものの、16年が経って「フェルガナの誓い」と並べたときにもう遊べたもんじゃない、というのを目の当たりにすると辛いものがあります。「イース」「イースII」の場合は、見た目こそ古くさいものの、ここまでの落差はないのですが・・・。

さてそんな鬼っ子「イースIII」と「フェルガナの誓い」を並べたときにもう一つ驚くのが、「フェルガナ」は「III」を物凄く研究して作られていることです。「フェルガナ」を単体で遊ぶとあまり気づかないのですが、後から「III」を見るとマップの要素であるとか、エリア毎のモンスター、元々のストーリー、音楽といった諸要素を極めて忠実にトレースしており、アレンジはあくまで追加の形で乗っかってるだけになっているのです。

印象の薄かったストーリーも、「III」ではほとんどセリフだけに頼っていましたが、うまく絵をかぶせたり、キャラクターに演技させたりして分かりやすくなっています。それでいて根本は一緒です。「III」でよく分からなかったチェスターの行動も納得行く演技がなされておりました。一番驚いたのはモンスターで、「III」ではほとんど出番のないモンスターですら一々アレンジして「フェルガナ」に登場させています。場面ごとに出てくるモンスターの組み合わせまで忠実なのには笑うしかありません。スタッフにかなりの「III」ファンがいたのでしょうが、信じられない情熱を感じました。

そういえば「III」「フェルガナ」共にある要素として、ヒロインのエレナがストーリーの節目にアドルを追っかけて出てくるのですが、魔物だらけの城の奥なんかにも唐突に出てきます。そのため「エレナ最強説」なんて冗談があったほどですけど、そういうユーザーの疑問にすら「フェルガナ」は応えてくれるのです。

1.修正パッチ(ver1.1.0.1以降)を当てた状態で、
2.「Nightmare」モードをクリアしたセーブデータがあり、
3.「YsF設定」を起動して「着替え」→「エレナ・アドル」を選択
4.「話す」を選択

すると、とんでもない事を喋ってくれます。エレナ、お前一体何者なんだ!
ちなみに修正パッチのドキュメントを読んでもこのことは全く書いてありません。男らしさが目に染みます。あ、セーブデータは譲ってもらいました・・・。

時代はいかせ男を求めているのか

2005年07月16日 02時14分12秒 | MSX
Yahoo!オークションでMSX2版「韋駄天いかせ男3・戦後編」が18,000円にて落札されるという異常事態が起きました。私がヤフオクで買ったときは2,000円だったのに!一体何が起きたのでしょうか。

ファミリーソフトから1989年に発売されたこのゲームソフト、正直ゲームと言っていいのかどうかも怪しいようなシステムの上にMSX史上のみならずゲーム史上で1・2を争う発狂ストーリーが乗っかった怪作です。いつかはレビューしようと思うものの、あまりの一般性のなさの前にどういう切り口で紹介したものだか悩み通しています。第一「いかせ男」レビューをする前に、もっとメジャータイトルをキッチリ押さえないといけませんねそうですね。

ザッと解説しますと、言葉だけで人をイカせる(=絶頂に導く)ことのできる「いかせ男」の歴史と人生を描いた一大巨編であります。なんせパッケージで3作(+TAKERU専用で1作)もあります。プレイヤーのすることは、相手をイカせうる言葉の組み合わせを選び、ゲージをMAXにすることだけ。ストーリーは勝手に進みます。このストーリーがなんの分岐もない一本道なのですが、特に「戦後編」は終戦の混乱期の中をもっと混乱したお話が突っ走ります。チカンに励む復員軍人をイカせることで女学生を救い、飢えた少女の手から納豆が無限に出るようにするなど「いかせ男」の活躍が描かれます・・・と文字で書くと意味不明ですが、本当にそうなんです。もちろんゲームをやっても意味不明です。ちなみに最後はいかせ男が○○○に拉致された後、戦争が勃発してしまいます。89年当時としては信じられない斬新さです。

これに味わい深いグラフィックとオッペケペーな音楽が乗っかって、すっかりカオスの世界が展開します。そして何より凄いのは、セーブ機能がないことです。パスワードセーブもありません。買って一気に終わらせるしかないのです。まあ2時間くらいで終わるのですが、定価なら6,800円出してその日のうちに終わらせることが前提というトンデモないゲームソフトです。よくこれでマスコミに叩かれなかったと思いますが、こんなソフトを欲しがる変態は極めて限られたためか現在ではちょっとしたレアソフトです。かろうじて「ディスクステーション8号」に「人生の意味」の体験版が載ったことがありますが、それ以外で見たことのある人はほとんどいないでしょう。もともと需要がないので値段もつかなかったんですが、まさか定価の3倍近くになろうとは思いませんでした。

ちなみにフツーに遊んでみたい方は、プロジェクトEGGでパッケージ版の3作は発売されているので(各700円)、無理にパッケージを探す必要はありません。

韋駄天いかせ男~麦子に逢いたい~
韋駄天いかせ男2~人生の意味~
韋駄天いかせ男3~戦後編~

3作ありますが、一番デキがいい(というか狂いっぷりが最高な)のは文句なしに「戦後編」です。家庭用のゲームには刺激が足りない!というアナタ、いかがですか?

しかし一番笑えるのは、メーカーの名前が「ファミリーソフト」というところでしょうか。ファミリーは昔からちょっとヘンなゲームをよく出していましたが、この「いかせ」は人気もないのにシリーズが続いたことも含めて「どこがファミリーなんじゃ!」と思わず言わずにはおれません。それでも淘汰の激しい業界でしっかり今もある所が大変不思議なメーカーです。