MSX研究所長の日常

80年代を駆け抜けたオールドパソコンMSXの研究の日々を綴ります。

平田弘史とMSX

2005年09月21日 23時51分53秒 | MSX
劇画家の平田弘史氏を御存知の方はMSX世代では少ないかと思います。「黒田三十六計」「薩摩義士伝」などが代表作ですが、書家としても有名であり、パソコンゲーマー的にはX68000版「イース」のタイトルロゴを書いた方、と言ったほうが通りがいいような気もします。

さてそんな平田氏とMSXは一見してまるっきり関係なさそうなのですが、氏の作品の中でも異色のエッセイマンガである「平田弘史のお父さん物語」の中にMSX・FANが出ている、というので探してみました。この本はたまたま持ってたんで、さすがにMSXのために買ったわけではありません。

で見つけたのがこの画像。「VOL.4 スケベエの巻」中で平田氏のご子息がそれらしき雑誌を読んでいるコマがありました。「X」らしき文字と「FAN」と読めます。これが描かれたのが1989年10月~1990年10月の間で、当時MSX・FANは存在していましたけど・・・。これだけでは何も分からず長いこと考えが止まっていました。

しかし最近になって、竹熊健太郎氏のblogたけくまメモ中の平田弘史先生訪問記(其ノ四)の中にMSXについての言及を発見するに至りました。


「Macはいつからお使いですか」
「96年か97年からだ。そのときはじめて使ったんだ。それまではMSXとか、NECのPC-98をいじってみたが、全然お話にならん。それでMacにしたら、おお、これはいいと。仕事では『新首代引受人』で本格的に使ったかな。いろいろやって、今は手描きに戻っているのだが」


これは平田氏がフルデジタルで劇画を描いた後で手描きに戻った、という話の中で「全然お話にならん」マシンとしてMSXが出てきているに過ぎません。まあMSXの性能的に(印刷に耐えうる)漫画、ことに緻密な絵を描くのは無理に決まってます。

とはいえそれはMSXの性能を知っているから言えることであり、平田氏は「いじってみた」後で結論を出しているわけです。「お父さん物語」の時点で53歳であった平田氏がMSXに向かって新しいチャレンジをした、というそのことがにわかに信じがたいことであります。

前の引用ではMSXを「いじってみた」時期は確定できませんが、「お父さん物語」の時期と考えるとまだMSXturboRはリリースされておらず、環境はMSX2か2+にマウス・・・くらいでしょうか。おそらくはご子息の持っていたMSXをそのまま使ったものかと思われます。グラフィックツールも何を使われたのかも分かりません。後に定番となる「グラフサウルス」はまだ一般的でなかったので、「F1ツールディスク」あたりでしょうか。いずれにしても無茶度120%です。でも平田氏はとにかく使ってみている。まずはその事に頭が下がります。それからPC-9801を経て、Macは59歳くらいから使い始めたことになるわけで・・・。

なんだからまとまらなくなってしまいましたが、年齢が半分以下の我々MSXユーザーももっと頑張らないとな、という話でありました。

葛西臨海水族園とMSXユーザーの持病

2005年09月21日 21時52分21秒 | MSX
夫婦で葛西臨海公園に遊びに行ってきました。その中の「葛西臨海水族園」(なぜ「館」ではなく「園」なのだろうか)は親子連れでムンムンしておりましたが、無闇と巨大なクロマグロ(本マグロ)の水槽などは人ゴミを物ともしない迫力で、十分に堪能して参りました。

さて最後にミュージアムショップを覗いたところ、オリジナルグッズの中に「マンボウのぬいぐるみ」とか「マンボウのチーズケーキ」があったのですね。ぬいぐるみは他でも見ますが、チーズケーキは珍しい。さすがにメルヘンチックすぎる外観と1ホールまるまるの大きさのため買いませんでしたが、MSXユーザー的にはコナミの「スペースマンボウ」の存在のためか、どうしても他から浮いて見えるのですね。同様にペンギンも対象となりえますが、「一般人気」と「MSXユーザー人気」の落差の点でやはり「マンボウ」に肩入れしてしまう自分がいるのでした。ビョーキです。

ただそれだけなんですが、しかし最大の問題としてこの園内ではマンボウは全然目立ちません。このblogも当初マンボウがいないものとして書いていたのですが、調べてみたらじつはマグロの水槽にいたことを知りました。あの水槽じゃあマグロがあまりにも魅力的すぎて気づきませんヨ。

「スペースマンボウ」という謎過ぎるネーミングについては、当時MSX開発のヘッドであったN氏が大阪ガスのCMにインスパイアされてつけた、と後にMSX・FANにおけるインタビューで語っているのですが、当時のコナミのMSX部隊ですら「なんでやねん」と誰もが思ったというほど唐突なものであったそうです。あるまじき名前のインパクトのために密かにセレブの間で支持されているこの作品についてのエピソードは多数あるのですが、そのうちこのblogでも触れることとしましょう。

迷宮神話の困った問題

2005年09月19日 20時09分06秒 | MSX
HAL研究所から1986年に発売された「迷宮神話」というゲームがあります。助手のオススメで遊びだしたのですが、パスワード周りにバグがあるらしくて手詰まりになりつつあります。

このゲームは「エッガーランドミステリー」の続編で、後にファミコンでも「エッガーランド」シリーズとして5作が発売された、根強いファンを持つパズルゲームです。多少のアクション性を持っているため、純粋なパズルとしては弱いところもあります。「ロードランナー」とか「ザ・キャッスル」、「エルギーザの封印」の系列ですね。でも私はこのガチガチのパズルでないジャンルが好きなのです。10×10のマップが1画面ごとに独立したパズルになっているだけでなく、「画面のどちらから入れば解けるか」をまず考えないといけないところが面白いのです。かなり熱中していた・・・んですが、前述のバグにやられました。

このゲーム、自機「ロロ」が全滅してゲームオーバーになり、かつコンティニューしなかった時にパスワードが出ます。しかし、これが「解いたはずの面が解けていない状態に戻る」とか「解けてないはずの面が解いたことになっている」など、現場保存がハチャメチャになってしまう局面が多々あるのです。稀にですが「通らないパスワードが発行される」ことすらありました。解けていない状態になるのはもう一度解けばいいので何てことはないのですが、逆はかなり萎えます。解くたびに黄色いシンボルがマップに増えていくのが楽しいのに、征服欲が失われてしまいます。せっかく面白いのに・・・。こうした実機でも起きるバグ、通称「元バグ」には打つ手がないので、このくらい致命的になるといくら要望があっても復刻は難しくなってしまいます。残念。

ちなみにこのゲームはMSX2用と書かれていますが、実はMSX1でも動きます。一部のパレット設定と、死んだときに画面が揺れるエフェクトがカットされるだけですが、もしかしたら初のMSX1/2兼用ソフトかもしれません。

とりあえずニュース

2005年09月16日 22時59分16秒 | MSX
やっと通信環境が整いました。半月ほどネット環境から離れていましたが、色々なことが起きています。気分は浦島太郎です。

さてとりあえずMSXAのホームページより、この土日(9/17~18)で開催されている東京ゲームショーで1チップMSXの試作機(5月のイベント等で展示されたもの)がプレイアブル状態で展示されるとのことです。

ああ、部屋の片づけをしないと・・・。


9月17日・追記

MSXAのホームページで書かれている、小冊子「テレビゲームのちょっといいおはなし・その2」は、同名のページよりダウンロードできます。ゲームショーに行った方のblogで「(冊子が)どこにあるのか分からんかった!」てな内容で書かれているのをいくつか見かけましたが、ダウンロード版も内容は同じです。元の記事は以前の発行物からの抜粋なので、1チップMSXがアスキーから予約開始される前の内容ですが。

(ナムコの福祉機器に関する記事も要チェックです。さすがにMSX版「漢字Pワード」のことは載ってませんけど、今も継続してたんですね)

同ページでは、プロジェクトEGGについて書かれた記事の載っている前号「テレビゲームのちょっといいおはなし」もダウンロードできます。