MSX研究所長の日常

80年代を駆け抜けたオールドパソコンMSXの研究の日々を綴ります。

MSXマガジン永久保存版3号・発売開始!

2005年04月26日 23時47分25秒 | MSX
28日発売の予定でしたが、既に一部の書店では販売されております。具体的には毎度おなじみ秋葉原です。秋葉原の書泉タワーでは確認されております。

それにしてもなんでいつも秋葉原からなんでしょ?皆様ガッチリ買って下さいまし。

MSX WORLD 2005 ~I LOVE MSX~

2005年04月20日 01時29分40秒 | MSX
なにか大変恥ずかしい副題がついておりますが、Mマガ3号発売に合わせて毎度おなじみの秋葉原イベントが開催されます!

MSX WORLD 2005
http://msxevent.info/msxworld2005/

関係者一同がMSXマガジン永久保存版3号に駆り出されていたために告知が遅れまくっていましたが、場所はなんと秋葉原ダイビルコンベンションホールです。

日時は5月8日(日)11:00~より一般入場開始です。
詳細は追って当blogでもお伝えします。

MSXマガジン永久保存版3・続報

2005年04月07日 00時54分09秒 | MSX
「MSXマガジン永久保存版3」の書影が公開されました。詳細はこちら
さて発売日も4月28日と決定致しました。ちなみに、当研究所からも微力ながら協力させて頂きました。どこに関わったかは発売までのお楽しみ。

現在予約を受け付けているのは楽天ブックスACモールbk1だけのようです。ACモールは送料が別途にかかってしまうのが難点か?それよりも何よりも、アスキーストアで売ってないのはどういうことなんでしょうか。だめじゃんライブドア!

コンピュータと日本人(1)

2005年04月01日 22時54分00秒 | PC全般
仕事柄か、最近コンピュータと人との関わりを考える事が多くなりました。私が最初に触ったパソコンはNECのPC-8001です。発売されたのは1979年の9月ですから、もう25年も前の事になります。当時の定価が16万8千円、これをウチの父親が発売の月にNECの直営店で13万8千円で買った領収書が今も実家に残っています。当時の大学卒の初任給が9万円ですから、今で言えばざっと30万といったところでしょうか。

仕事にも使えない物に対して30万は今の私でもおいそれとは出せませんが、PC-8001は生産が追いつかないほどの大ヒットとなり、2年間で12万台以上を売ったと言われます。

…ということはこれまで数限りなく言われたきたことではありますが、PC-8001のヒットに至る以前、普通の人はどれくらいコンピュータというものを知っていたのか?というのはあまり研究されていない、ような気がします。


で、私がいろいろ調べた感じではどうもPC-8001の10年前、1969年前後にはもう「コンピュータ」という言葉そのものは一般的になっていたようなのです。まだあくまで仮説ですが、分かりやすいところをご紹介しましょう。


1.「男はつらいよ」

御存知日本映画の代表選手、いきなりコンピュータとは縁のなさそうなタイトルですが、実はあるのです。それも映画の第一作「男はつらいよ」(1969年)にその片鱗が見えています。近所のビデオ屋には3作目からしかなく実物では未確認なのですが、ちくま文庫から出ているシナリオにこのような一節があります。映画の序盤、ひょっこり帰ってきた寅さん(渥美清)が妹のさくら(倍賞千恵子)の仕事について近所のおばちゃんから

「オリエンタル電機でキーパンチャーをやっているんだよ」

と聞くシーンがあります(※高井研一郎・画の漫画版では受付嬢になっています)。キーパンチャーというのはまだキーボードが一般的でなかった頃、コンピュータへデータを入力するためのパンチカードに穴を空ける仕事でして、当時女性の憧れの職業だったそうです。さくらはやくざ者のような兄貴に対して出来の良い妹、という設定であり、キーパンチャーは香具師の正反対に位置づけられています。本作の中でキーパンチャーというのはここのセリフ一言にしかありませんから、コンピュータというものを見たことがない人にとっても知的な職業として知られていたと言えます。


2.「あしたのジョー」

これまた御存知マンガの代表作。高森朝雄・作、ちばてつや・画。「週間少年マガジン」に1968~73年に渡って連載されました。時期は「男はつらいよ」の初期とほぼ同じでして、何度か「コンピュータ」という言葉が出てきます。大抵はジョーや丹下のおっちゃんが相手のボクサーの評判を語る際に出てくるもので、冷徹/正確な相手に対して「コンピュータつきファイティング・マシーン」などと使われています。野性的と称される主人公ジョーと正反対、あるいは非人間的なものとして「コンピュータ」が使われているのが印象的です。

特によく出てきたのは最後に戦うホセ・メンドーサに対してですが、もう一つ興味深い表現があって「(コンピュータは)衝撃に弱い」「衝撃を与えるとたちまちくるいだす」というセリフがあります。個人向けのパソコンが出る10年近く前にこのような知識はほぼ一般化していたわけです。

「あしたのジョー」を読んだことの無い人向けに説明すると、このセリフをしゃべるジョーは元は浮浪者同然だったし、丹下のおっちゃんも落ちぶれてドヤ街に流れてきたボクサーくずれなワケです。その二人がこのくらいのことを喋っていて不自然は無かった、というのはよくよく考えると驚きです。


さて、ここらへんが日本人が漠然と捕らえていたコンピュータというものとしましょう。
それは正確で冷静で神秘的、かつ非人間的。それに仕える人は知的労働者。しかし、衝撃に弱い(笑)。

次回、35年後…すなわち今のコンピュータはどんなものか改めて考えてみます。
(とか言って他のテーマが進んでませんね、ごめんなさい)