MSX研究所長の日常

80年代を駆け抜けたオールドパソコンMSXの研究の日々を綴ります。

信長の野望~地味すぎカスタム~

2005年10月03日 21時27分55秒 | MSX
この画像は、ここを読んでいる方なら説明不要であろう、光栄(現:コーエー)のシミュレーションゲーム「信長の野望・戦国群雄伝」のPC-8801mkIISR版とMSX2版の比較画像です。パッと見て分かる通り、我らがMSX2版はマップのペイント(色分け)処理がありません。四角い小さいチップの中に各国の色が出ているのがお分かりかと思います。

このペイント処理は、オリジナルのPC-8801版がたいそう遅くて評判が悪かった部分です。なので、以降に発売された移植版は全部ペイント処理されていないものだと思っていましたが、このチップはどうもMSX2版にしかない表現らしいのです。調べた限り、PC-9801版、FM-77AV版、X68000版などはぜーんぶペイント処理でした(ファミコンはもしかしたらチップ形式かもしれませんが、ここではパソコン版を基本として扱います)。

光栄のシミュレーションゲームはC言語で作られていたためベタ移植などと言われたものですが、MSX2に限っては横が512ドットしかないため、他機種の標準だった640ドットの画面を工夫して詰め込んでいるんだよね・・・というのが一般的な解釈でした。しかし、マップもMSX2用に描き直していたのです。

さて、ここまで読んで「単に88版の地図の中を塗っただけじゃないの?」とか思った方も多いでしょう。違うんです。伊勢湾のあたりがよく分かりますが、なんと全体の横幅を縮めているんですよ。地図上の範囲は同じなのに、ドット数はさらに少ないのです!今なら横幅を縮めるなんてフォトショップで一発ですが、この時代はマトモなグラフィックツールもない時代です。しかもPC-8801準拠の8色で、ですよ。あちこちの微妙な差異を見ると、まるまる描き直しているような気がしてきます。

それより何より凄いのは、ここまでMSX2向けにカスタマイズしておきながら全体は相変わらずPC-8801調を維持していることです。「苦労を感じさせないための努力」とでも言うべきでしょうか・・・。横幅が縮んでいるのは、僕もフォトショップで重ねてみて始めて気がついたほどにさりげないものでした。

光栄なんてグラフィックも88版のまんまだし、手抜き!とか言ってた人も多いでしょうが、実はMSX向けにすっごく頑張ってたんですね。


今宵はここまでにいたしとうございます(←当時のNHK大河ドラマ「春日局(かすがのつぼね)」の名物ナレーション)

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2 コメント

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recommended articles (Yashella P)
2016-12-03 22:56:28
http://student.blog.dinus.ac.id/hasanjepang00669/2016/10/24/teknik-senam-jari/
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大河ドラマ (Unknown)
2017-02-19 23:41:40
春日局ではなく、前年の武田信玄の間違いですよ。
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