というわけで、2週間余り休みに入りましたが、また復活します。よろしく。
「日本誕生」4日、浅草新劇場
1959年、東宝。三船敏郎、司葉子、鶴田浩二、稲垣浩監督
今から15 00年ぐらい前、景行天皇(中村雁治郎)の時代。重臣大伴建日連(東野英治郎)は、一族出身の天皇の後添いの子若帯(宝田明)を皇位につけようと、前后の子 小椎命(三船)を熊曽征伐に名をかり大和追放を図った。だが、命は熊曽兄弟(志村喬、鶴田)を討ち果した。熊曽建は、この国で一番強いあなたは日本武尊と名のるようにと息絶えた。日本武尊は都へ凱旋した。計画に失敗した建日連は、天皇をそそのかし今度は尊を東国征伐に向わせた。語り部の媼(杉村春子)が語る話を聞くにつけても自分の運命が悲しかったが、伊勢神宮で宮司をつとめる叔母倭姫(田中絹代)から、須佐之男命が八岐の大蛇を退治して、その尾から出て来た叢雲剣を天皇からの贈物として与えられ気を取り直した。だが、これは天皇がくれたものでなく、倭姫の計らいであることを巫女の弟橘姫(司葉子)は知っていた…。
東宝制作1000本の記念作品。天の岩戸の前では榎本健一、有島一郎、三木のり平、柳家金語楼、乙羽信子、加東大介、小林圭樹、左ト全らによる神たちが踊り、天照大神(原節子)が出てくるのを待つ。手力男命は先代の朝汐太郎だ。
特撮に円谷英二。日本武尊を討とうとする軍を溶岩が襲う。このシーンは昔テレビで見て、すごいシーンだと感心した記憶がある。今観てもなかなか凝ってるし、CGではない手作り感がある。それにしてもスター総出演で、金掛けたという映画。内容は?だが、こういう映画もまあありか。今の時代にこうした題材で、こんな映画は作らないだろう。そういう意味では奇跡的な映画だとも言える。
「男の紋章 風雲双つ竜」1963年、日活
高橋英樹、和泉雅子、東野英治郎、松尾昭典監督
父庄三郎の仇敵、斎賀の親分を斬って、自責の念にかられる竜次(高橋)は、頼山寺にこもって精神修養を始めた。竜次の行方を知っているのは、母の村田きよ(轟夕起子)と信承寺の住職だけだった。竜次を心配する晴子(和泉)は、大島組に戻り、乾分の世話を焼いていた。竜次の弟分の辰(小池朝雄)は竜次の行方を追ってい た。また、斎賀の弟行友(井川比佐志)も竜次を探し て いた。一方、村田組は工場の建設を落札したが、地元の井沢組から嫌がらせを受ける。
男の紋章シリーズ第3作。全10作の第1部が本作で完結する。撃たれた母を助けるため元外科医である竜次が4年ぶりにメスを握る。「おいおい、ブランクありすぎだろう」って突っ込み入れたくなるのだが。小池朝雄は竜次を慕う、ういやつという設定だ。
「喜劇 男の泣きどころ」1973年、松竹
フランキー堺、太地喜和子、春川ますみ、瀬川昌治監督
木下長門(堺)は警視庁保安一課に転勤を命じられた。わいせつ図書の監視に邁進するが、ある日ストリッパーのべべ・ モンローこと根本とめ(太地)と偶然知り合った。最初の大仕事はブルー・フィルム製造者の太平洋商事のボスを捕えることだった。とめが何か知っていると睨んだ木下は彼女の追跡を開始した。一方、木下は予科練の仲間の同期会に出席した時、親友の藤村(藤岡琢也)と再会した。実はこの藤村こそがボスだった。仲間を根こそぎ検挙しようとするが、藤村や監督(笠智衆)たちは伊豆へ逃亡する。
太地の文字通り体を張った演技が観られる。大作でなく、こういう喜劇で一肌脱ぐのも気っ風ががいい。いやはや元気良かったなあと感心。笠の監督ぶり はとぼけて可笑しかった。このほか、警察の上司に加藤武、犬塚弘、映画製造の一味に左
とん平、石橋蓮司。今の時代 からみると、隔世の感があるが、なかなか見所があるお得な作品だった。