川崎市で、私立小学校のスクールバスを待つ子どもやその親が襲われた事件。亡くなった2人のうち1人が、外務省職員だったことが、「有能な人だった」といういろんな人のコメント付きで報道されている。それが、私にとってなんだか苦々しい。
「有能な人=価値のある人」、裏返せば「無能な人=価値のない人」。この人は価値のある人だったのに、殺されてしまい本当に残念だ、というように聞こえる。どんな人でも、殺されて残念である。等しく。かわいそうであり、あってはならないことであり、許しがたい。たとえ、社会的に成功していない人でも。
報道機関は、ただ単に、巻き込まれた人の人物像を伝えたいだけなのだろうが、あまりに「素晴らしい人だったのに」と強調されると、こんな風に穿ってみてしまう人もいるのである。本当に、ひどい事件だ。