この懐かしき本たちよ!

まだ私の手元に残っている懐かしい本とそれにまつわるいろいろな思い出、その他、とりとめのない思いを書き綴りたい。

#820 旧制第一高等学校寮歌 「思へば遠し神の御代」

2013年10月07日 | 

日、詠帰会(旧制一高寮歌を歌う会)の10月例会に参加して来た。月例会は今月で第141回を数えるのだそうである。

ここで私は何と今日歌う30いくつかの寮歌の中で最初に歌う寮歌の音頭をとることを命ぜられた。

いつも最初に歌う寮歌は(旧制)第一高等学校の第9回記念祭寮歌「思えば遠し」(明治32年)に決まっているようである。

大きな会ではその前に明治34年にできた全寮寮歌「闇の中なる一すじの」が歌われるようである。

この辺の知識は私にはない。私には述べる資格はない。先輩諸氏や識者の解説に待たざるを得ない。

ただ、いつも月例会の最初に歌う「思えば遠し」の音頭をとることを私が命じられたということである。

大変に光栄なことであった。そして緊張した。

私は、たまたま私の前に座っていた岩谷久生先輩に確かめさせて頂いた。

この寮歌は歌詞が10番まであるのだが、いつも歌うのは1番、2番と7番、8番だけである。

岩谷先輩はその通りと言い、そして最後に「立て自治寮の健男児」を4回くりかえすのだと補足して下さった。そうだ、忘れてはいけない。

音頭をとると言っても、歌うのは音頭をとる私よりずっとずっとベテラン皆さんである。本当はそんなに緊張してもしかたがないのだ。

私は司会役の加藤太郎さんにうながされ、皆さんにご挨拶したのち、声を張り上げた。

第9回記念祭寮歌 「思へば遠し神の御代」 イチ ニー サン

皆で歌った。

1、思へば遠し神の御代   たぐひなき香にさき出でて
  いや年々に榮え行く    吉野の山の山ざくら

2、根こじにこじて梓弓     彌生の岡に植ゑしより
  あらぬ嵐をよそにして    今年第九の春の空

7、立て自治寮の健男兒   パリーの園の花さうび
  とりて移してみよしのの   吉野の花の垣とせん
 
8、立て自治寮の健男兒   イギリスの野に生ひ茂る
  草かり取りて駿河なる   富士の裾野に牛かわん

  立て自治寮の健男兒    立て自治寮の健男兒

  立て自治寮の健男兒    立て自治寮の健男兒

   (歌詞は1番から10番まであるが、今伝統的に歌われているのは1番、2番、7番8番だけであり、最後に「立て自治寮の健男児」という歌詞を4回歌う。)

私の責任はこれまで。あとは30いくつかの寮歌を楽しく歌いつづけた。

 家に帰って来てから、いつものように、同じ詠帰会の森下達朗先輩の名著「一高寮歌解説書の落穂拾い」でこの寮歌に関連する部分を読んだ。なるほどと思った。

 同じく詠帰会の吉田健彦さんのホームページ「旧制高等学校寮歌集」を見た。これはすごい。随分前に一高のある先輩が、「これは国宝級だね」とおっしゃったとのことであるが、その後も飛躍的に充実している。見るたびに驚く。ホームページの利点を遺憾なく活用しておられる。

Google でもYahooでも「思へば遠し神の御代」で検索すると、吉田健彦さんのホームページ内のこの寮歌の懇切な解説が出てくるし、吉田さんご本人がピアノで入れた曲も聞くことができる。あらためて感心している。

今日、「思へば遠し神の御代」の寮歌をトップバッターとして私が音頭をとるようにアレンジして下さったのは、きっと幹事の谷田和夫さんと加藤太郎さんだろう。私が病い?を押して参加しているご褒美かもしれない。などと考えながら、皆さんに感謝しながらこれを書いていいる。(おわり)

関連記事:森下達朗著「一高寮歌解説書の落穂拾い」←クリック

 

 

 

 


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