今年の3月議会で、日本共産党市議団は、待機児童解消を求める意見書案を議員提案しました。
本会議での採決結果は、新政いさま・公明党が反対し可否同数で、議長裁決により不採択となりました。
公立保育所への運営費と整備費の補助復活、国有地などの貸し出し費用軽減、保育士の賃上げ等で待機児童解消を求めた意見書です。
保育予算の抜本的拡充と待機児童の解消を求める意見書
保育所は、子どもたちの保育はもとより、家庭の中で生じる育児不安や児童虐待などの諸問題に対応するなど、きめ細かな子育て支援を実践しており、公的な福祉施設として地域社会の中で重要な役割を果たしている。
いま、保育所に入所できないために多くの親が仕事を辞めざるをえないという事態が生じており、待機児童の解消は喫緊の課題で、緊急対策に乗り出すべきである。
待機児童の解消には、認可保育所の増設とともに、保育士をしっかり確保できるような対策が求められている。厚生労働省の「平成27年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均年収は約323万円で、全産業の平均年収より低くなっている。
また、保育・幼児教育への公的支出を国際比較すると、EU(欧州連合)では国内総生産(GDP)比1%を目標としていて、フランスが1・24%、英国1・12%、という一方、日本は0・45%と低くなっている。
よって、本市議会は、政府において、認可保育所の増設と保育士の処遇改善に向けて保育予算を抜本的に拡充し、待機児童を解消するよう、下記の事項について強く要望する。
記
1. 地方財政にも配慮し、十分な財源の補償を行った上で保育の質をしっかりと確保できるようにすること。
2. 公立保育所への運営費補助と整備費補助の復活、国有地などの貸し出し費用の軽減など国による新たな財政支援をすること。
3. 保育士の2%の賃上げ(約400億円の予算)の先送りを改めるなど、処遇改善に取り組むこと。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
座間市議会では意見書案に対しては、申し出がない限り、討論をしないことになっていますので、
新政いさまと公明党が反対した理由がわかりませんが、
国でも待機児童解消にやっと動き出そうとしているのに、
この待機児童解消の意見書がとおらなかったのは残念です。
基準緩和で狭いスペースに子どもを押しこむようなやり方では問題です。
日本共産党の田村智子議員は5月9日の参院決算委員会で、厚生労働省が待機児童解消の緊急対策を口実に保育士配置基準を緩和した問題を追及し「保育の質を引き下げる規制緩和は許されない」と批判しました。
田村議員は、3月に死亡事故を起こした認可外施設(東京都)は、保育士が半分以上いればよいとする「企業主導型保育」の先取り施設であり、昨年の死亡事故14件のうち9件は、有資格者が3分の1でよいとする認可外施設で起きていると指摘しました。
国家資格である保育士の賃金をあげ、保育士をしっかり確保できるようにし、
保育士が100%の認可保育所をもっと増設させる方向にすべきだと考えます。
画像はしんぶん赤旗4/25付に掲載された、東京練馬区での「保育園落ちたの私だ! キッズパレード」です。
※顔が写らないようにしました。