それでもダムはいらんけん

　こないだの洪水で、球磨川の支流の河辺川にダムがあったら被害が少なかったいうハナシがでとるとか……。

県知事さんも、ダムあったほうがいいじゃねっていうとるけん。

河辺川のダムじゃが、前の知事さんのとき工事を中止させた経緯があるけん。

もっと別の方法で、洪水を回避できるんじゃないかってコトで、大勢の支持を得たけん。

この考えには、わしも大賛成だったけん。

じゃが〜……、

多くの被害が出て、亡くなった方も大勢おりますけん……。

それでもダムに反対するんかと問われれば……、

もちろん、ダムに反対じゃ！。



あのころは、河辺川流域の美しい自然や山里へのセンチメンタリズムで反対しとったけん。

んでも震災を経験して、災害は避けられんと感じたけん。

避けられないもんを無理に改修するより、災害と共存するちう選択肢があるけん。

あらかじめ浸水を想定した建物だとか、生活圏と経済圏を分離した安全な街づくりとかな。

行政もそーゆートコロに予算をつぎ込むほうが、かえって経済的かもしれんけん。



まーアレじゃな、災害の復旧には数ねんかかるんじゃが……、

自然が失われたら、取り戻すのにはもっと長い時間がかかるけん。