東方のあかり

東アジア(日、韓、中+その他)のまとまりを願ってこのタイトルにしました。韓国在住の日本人です。主に韓国発信の内容です。

過去100年の中で一番重要な時

2018-04-23 21:15:04 | 韓国物

いよいよ今週の金曜日(27日)、南北首脳会談が開かれる。
南北の首脳同士ががん首をそろえて会談するという光景はこれまでもあった。
が、今回のそれはこれまでのものとはかなり位相がちがう。

金正恩が本気で核や戦争からの脱却を考えているのではないかと思われるからだ。

いままでなら、そんなことはなかった。
金日成のときも金正日のときも北が本気で大向こうと会談に臨むなんてことはなかった。
甘い汁を吸うためのジェスチャーに過ぎなかった。
特に金正日のときは、ひどかった。
2000年だったか、南の金大中と会って大いなる「和平」ムードを作り上げ、
これがもとで金大中はノーベル平和賞をもらうこととなった。
さらに2007年ごろだったか、ノ・ムヒョンと会ってさらに「平和・和平」ムードを盛り上げ、
六者会談などを何度も開いたものの、その裏でぬくぬくと核開発に余念がなかった。
その点金正恩は素直というかそのままというか、親の金正日を引き継いで核開発をやっていたころは、
大向こうを相手に完全な対決姿勢をもろに出し、ソウルを火の海にしてやるぞとかアメリカまで核をぶち込めるんだとか
ソウル市民やアメリカ国民の金玉を縮み上がらせるような過激な発言ばかりをやっていた。
心の中から核でやっつけてやると思っていたからだろうと思われる。
それが今年の年初の演説から変わり始めていた。
ピョンチャン五輪に選手を送る考えがあると発言したあたりから変化は現れ始めていたわけだ。
でもあの時はまだ、
世界のだれもが、またジェスチャーばっかやって、と思っていたはずだ。
ところがその後の流れが今日まで続いていて、それは非常に友好と温和の流れだ。
都合の悪い幹部らをバズーカ砲で肉片もないくらいに木っ端微塵にしてしまったという噂が
なにか全然別の人間のことなのかと思わせるような変わりようだ。
韓国の中には勿論慎重論も出てはいるけれど、
今の流れを素直に受け止めているムードが大勢を占めている。
北の首領様と南の大統領を結ぶホットライン(電話)も開通しており、
実際の会話はたぶん明日月曜日あたりになるんじゃないかといわれている。
韓国内では、#meToo報道が毎日あることはあるのだが、
最近はどうもそういうちまちました問題はどうでもいい、もっと大切なこと、
朝鮮半島情勢がどうなるかといったテレビ番組が多くなっている。
今週、いよいよ南北首脳会談が開かれる。
その結果によって今後の米朝首脳会談、そしてほんとの非核化への青写真が見えてくるかどうかが
わかってくるだろう。
朝鮮半島は、過去100年の中で一番重要な時期を迎えている。
この時期にここに住んでいられることの奇跡を日々感じている。

北の故郷の平壌(ピョンヤン)の地を一度踏んでみたいと語っていたおじいさんのことが思い出される。
平安北道定州の地を踏み、家族や親戚と会いたいと言っていたおばあさんのことが思い出される。
今まだ数万の人が、北の故郷の地を踏めずにいる。
筆者の周りにもそういったお年寄りの方がゴマンといらっしゃる。
まずはこうした人々が自分の生まれ故郷の地をその足で踏めるようにしてあげることから
事態は動いていくように思う。
偶然のきっかけで会ったあの平壌出身のおじいさん。
あと3、4年がんばって生きていたら生涯の願いも叶えられたであろうに。
運命というものの断固たる冷厳性が、ひしひしと感じられてくる今夜だ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本の宝 | トップ | 首領様が人間になった »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

韓国物」カテゴリの最新記事