東方のあかり

東アジア(日、韓、中+その他)のまとまりを願ってこのタイトルにしました。韓国在住の日本人です。主に韓国発信の内容です。

崔 善姫、北朝鮮外務省副相、記者会見。

2019-03-16 16:11:00 | 韓国物

崔 善姫(チェ・ソンヒ)北朝鮮外務省副相(=次官)が15日(金)に記者会見を行なった。
外務省副相というのは、普通の日本語でいうと次官となる。つまり外務次官。

記者会見で崔善姫次官は、
「はっきりと言っておくが、今のようなアメリカの強硬な態度は、事態を明らかに危険にする」とし
「私たちの最高指導部がすぐに自分の決心を明らかにするだろう」と語った。
ここで「自分たちの決心」とは、
北朝鮮が米国との非核化交渉を中断し核実験およびミサイル発射を再開することを意味する。つづけて
「米国は千載一遇のチャンスを失った。」としながら、さらに
「金正恩委員長はハノイでの第二次米朝首脳会談以後の北朝鮮の行動計画について公式声明を出すだろう」と言った。

おもしろいのは、北朝鮮のマスコミが一切、この崔善姫次官の記者会見の内容を報道していないこと。
きのうのきょうだから、まだわからないが、
おそらく北のテレビ、新聞はこの記者会見内容を報道しないだろうと見られる。
2月28日の会談決裂直後、3月1日早朝に開かれた崔善姫次官およびリヨンホ外務相の記者会見。
アメリカをこっぴどくなじる内容だったけれど、
これも北朝鮮のマスコミは現在まで一切報道していない。

北朝鮮当局は、対内および対外的に重大な立場を知らせなければならないと判断するときは、
公式媒体である中央通信を活用する。
今回のように、中央通信の代わりに崔善姫次官の口だけで不満を表出する方法は、
交渉テーブルを壊さないために「水位調節」をしているという分析だ。

ただし今回の会見では、「金正恩委員長の発表」予告が出てきているだけに、
北朝鮮がこれまで以上に慎重な動きを見せているようだという解釈も出ている。
まず予告しておいて、おもむろに金委員長がメッセージを発表するという形。
慎重を期していることがわかる。
金委員長がTVを通じて北朝鮮の立場の変化を発表することになれば、
当分の間相当深刻な事態になるだろうという観測も出てくるなど、
現在のところ、いかなる予断も難しい状況である。

崔善姫次官の記者会見をうけて、
アメリカのマイクポンペオ国務相のメッセージも出ているけれど、
内容は穏やかなものだ。
北との交渉を今後も続けていくだろうというもの。
崔善姫次官の記者会見のことばの中には、
ポンペオとボルトンのせいで会談が決裂した、という部分もあったが、
ポンペオのメッセージでは、そういうことにいちいち触れることはなかった。
ただ穏やかに交渉は今後も続いていくというものだった。

北はこれ以上経済制裁が続行されると、今年いっぱいでほとんど立ち行きができないほどの
状況に追い込まれるだろうという報道もある。
最大限の悪あがきをやって米との間ですこしでも有利な条件で交渉を成立させようという意志が
かなり強く現れているものと見る。

これはもう、米と北との完全なる心理戦だ。
どういう形で米と北の絵図が動いていくのか。まったくわからない状況。
それだけに注目度はいやがうえにも高潮してきている。

今韓国では、ジョン・ジュンヨンという30歳くらいの男性歌手(タレント)の
破廉恥動画問題でてんやわんやの大騒ぎだ。
それでもトップニュースはどのテレビ局も北朝鮮問題からはいっている。
朝鮮半島の今後を左右する重大な局面に差し掛かっているだけに
これは当然のあり方といえるだろう。

「金正恩委員長の発表」予告が出ているわけだけれど、
これがいつ行なわれるのかは言及なしだ。
たぶん4月のはじめごろではないかといわれている。
激震が走ることになるのか。
穏やかなものになるのか。
読者の皆様にも朝鮮半島情勢から目を放さないでいただきたい。

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