東方のあかり

東アジア(日、韓、中+その他)のまとまりを願ってこのタイトルにしました。韓国在住の日本人です。主に韓国発信の内容です。

敗者の品格。

2024-08-05 09:33:00 | 韓国物


「韓国卓球女帝」シン・ユビン(20、大韓航空)が韓国卓球史上20年ぶりに
五輪女子シングルスメダルに挑戦したが、惜しくも天敵に遭い失敗した。
それでも競技場を訪れた韓国のファンはもちろん、パリ市民まで
敗者の品格を見せてくれたシン・ユビンに向かって熱い拍手を送った。

シン・ユビン(世界ランキング8位)は3日午後8時30分(韓国時間)、
フランス・パリにあるサウスパリのアリーナ4で行われた世界ランキング
5位の早田ひな(24、日本)と2024年パリ夏季五輪卓球女子シングルス
銅メダル決定戦で2-4(11-9、11-13、10-12、7-11、12-10、7-11)
で惜しくも敗れた。

韓国の卓球が女子シングルスでメダルを獲得したのは2回あった。
1992バルセロナオリンピックでヒョン・ジョンファが銅メダルを獲得し、
2004アテネオリンピックではキム・ギョンアがやはり銅メダルを獲得した。
そしてシン・ユビンが20年ぶりに女子シングルスのメダル獲得に挑戦した
が、残念ながら次の機会にということになった。

早田はシン・ユビンの天敵としてよく知られている。
この試合前まで二人は4回対戦しているが、いずれもシン・ユビンが敗れ
ている。そして、この日の試合でもついに天敵を越えることが
できなかった。

シン・ユビンは1ゲームから11-9で勝利し、勢いをつけていた。
早田の内側と外側をまんべんなく攻略して流れを譲らず、このゲームを
勝った。この1ゲームは勝ったものの第2ゲームでは、デュースの接戦の
末、ハヤタが13-11で勝利し、ゲームスコアを1-1の原点に戻した。

そして続く3ゲームと4ゲームも早田ひなが勝ち切り5ゲーム目となった。
5ゲーム目に突入すると、シン・ユビンは5-3でリードしていた状況で、
強力なバックハンド攻撃とフォアハンド攻撃を交互に駆使し、連続
得点に成功し、シン・ユビンが5ゲーム目は取った。

しかし依然としてゲームスコア2-3でリードされているシン・ユビン。
結局6ゲーム目も早田がとってゲームスコア2-4でシン・ユビンは
苦杯をなめることになった。(早田ひなの銅メダルが確定)

一方、早田は銅メダルが確定すると、コートにそのまま横になった後、
喜びの感情をそのまま表した。しばらく立ち上がれないまま、とても
感激した様子。一方、シン・ユビンは審判と順番に挨拶を交わすため
にコートの両側を行き来した。

続いてシン・ユビンが近づいたのはまさに早田ひなだった。
横になっていた早田は、シン・ユビンが近づいてくるのを見るや、
すぐに立ち上がった。そんなハヤタに向かってシン・ユビンは抱き合
ってお祝いの言葉をかけた。「敗者の品格」が輝いた瞬間だった。
また、シン・ユビンは日本人監督にも近づき、礼を尽くしてお祝い
の意を伝えた。もしかしたら天敵にうんざりしていたかもしれない
が、シン・ユビンは明るく笑って心から早田の勝利を祝福してあげた。

その後、シン・ユビンはベンチに戻った後、しばらくコートを離れる
ことができずそのまま座っていた。女子卓球代表チームの呉光憲(オ
・グァンホン)監督は、何かしばらく言葉をかけた。しばらくすると
ようやくシン・ユビンが立ち上がった。

すると観客席からは力強い拍手が沸き起こった。シン・ユビンは
コートを一周しながら手を振った後、挨拶もした。
すると、奇跡のように観衆の皆が立ち上がった。そんなシン・ユビン
に向けて韓国や中国、日本のファンはもちろん、この日競技場を訪
れたパリ市民もシン・ユビンが競技場を完全に抜けるまで熱い
起立拍手を送った。

試合後、取材陣とミクストゾーン(共同取材区域)で会ったシン・
ユビンは、オ監督とどんな話をしたのかという質問に、「監督が
『本当にとても良くやった』と言ってくれました。多くの発展が
あったので、『今のように十分努力すればあなたはできる』という
お話をしてくださった」と話していた。

続いてハヤタに近づきお祝いの言葉を伝えた場面に関して「私も
そばで見てきましたが、早田選手もそうですし、すべての選手が
熱心に努力し、また切実です」とし「そういう部分では本当に
認めてあげたいです。私もそうやってもっとしっかりした選手
になりたいという気持ちで、あんなふうに(お祝いの気持ちを)
伝えたと思います」と話した。

シン・ユビンはファンに向かって挨拶したことについて「応援して
くださったことがとてもありがたかった。そのおかげでここまで
来ることができました。このようにパリで素晴らしい試合ができ
るようにしていただき、感謝しています」として次の飛躍を約束
した。果たして、次は天敵を倒して明るく笑うことができるの
だろうか。[アジア経済新聞ベース]

ピョンチャンオリンピックのスピードスケート女子500メートル
で金メダルを獲得した小平奈緒と銀メダルのイ・サンファ(李相花)。
あのときは泣きじゃくるイ・サンファを小平が抱き留めて
慰めてあげる姿が全世界を涙に包んだ。
筆者は今回のシン・ユビンを見ていてふと、2018年の小平奈緒と
イ・サンファのことを思い出した。水と油のような日本と韓国では
あるけれど、必ず接点はある。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 包丁とまな板となべと。 | トップ | 小さな変化を少しずつ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

韓国物」カテゴリの最新記事