東方のあかり

東アジア(日、韓、中+その他)のまとまりを願ってこのタイトルにしました。韓国在住の日本人です。主に韓国発信の内容です。

ムーミン世代

2018-01-24 10:16:29 | 韓国物

現代の韓国の若者たちの世相の一つとして、「ムーミン」というのがある。

最近の若い層で「意味の無いプレゼント」のやり取りが流行だ。
相手が必要だったり好きそうなものを選ぶ代わりに、最大限「使い物にならないもの」を探して送る。
休息する時は、波が打ち寄せる場面など意味もなく単調な映像を見る。

若者たちは自らを「ムーミン世代」と呼ぶ。
「ムーミン」とは、「無い」の「無」と、英語で「意味」をあらわすミーン(mean)を合わせたことばだ。
「意味のあることをしなければならないという強迫観念から逃れたい」と訴えているわけである。
ちなみに韓国語でも「無」は「ム」である。

大学生ヂョン・ソヒョン(22)氏が家に来て真っ先にすることは、「無刺激映像」を見つけることだ。
ヂョンさんは主に猫が一人で遊ぶ場面などを一日中放送しているユーチューブチャンネルを見ている。
声はほとんどない。
ヂョンさんは、「ぼーっとして時間を過ごしていると、緊張が解ける」と語る。

ムーミン世代は無刺激、無脈絡、無爲休息などを追求する。
相手が喜ぶプレゼントを選ぶ過程そのものがストレスという考えから、相手にとって意味のないプレゼントをする。
草履を作る材料、縮地法教本(注1)、レンガといったものが「ムーミン世代」向けのお勧めプレゼントとして人気だそうな。
 
休む時にも意味を探さず、考えない。
おいしい店をあさったり、旅行をするのは禁物だ。
金魚鉢の中の魚が歩き回ったり、焚き火が燃え上がる映像を見ながら、ぼうっとしている。

「モンテリギ」というイベントがある。
「モン」は「ぼーっとしていること」といった意味であり、「テリギ」はそれを楽しむほどの意味である。
したがって「モンテリギ」は、「ぼーっとしていることを楽しむ」といった義となり、
このイベントに参加した人は、3時間くらいを草むらの上などでただ「ぼーっと」しているのである。
賞もあるという。
いちばん見た目にも「ぼーっと」としていた人が表彰されるわけである。

筆者もムーミン世代なのかも?
猫がじゃれるユーチューブや、お母さん猫やお母さん犬が、自分の赤ちゃんでなく他人(他の動物)の赤ちゃんに乳を与える
チューブなどを見て楽しんでいる。
きのうは、お母さん虎が豚の赤ちゃんに乳を与えているチューブをみた。
豚の赤ちゃんを大きくしてあとで食べるんじゃないの、なんていうブラックなコメントもあったけど、
たぶんそれはないだろうと思う。

最近は、秋田犬(あきたいぬ)のチューブを見るのが楽しみだ。
秋田犬ってこんなにかわいいものかと、最近になってはじめて知った。
わたしは本来「猫派」なのだけれど、秋田犬を知ってからはこの犬だったら「猫派」も「犬派」もないな、と思った次第だ。

 

注1:縮地法というのは、瞬間移動の忍術みたいなもの。現実的にはたぶん無理なんだと思う。
  したがって縮地法教本というのは、日本でいえば忍者の巻物に相当する。
注2:ムーミンの記事は、朝鮮日報(20180124付け)を土台としている。

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