みちのくバイク人

熱風

真夏の午後、暑さがピークになった。

今日は出張だ。
先輩を車に乗せて、新幹線駅まで移動する。
エアコンをガンガンかけても暑さは癒されない。

喉が乾いた。
向こうに小さな駐車スペースのあるお店が見えた。
自動販売機だけの無人の店。

暑い。
店の中は蒸し暑い。

喉の渇きに耐えきれず、冷たい飲み物を求めて販売機に近づいた。
見たこともない缶ジュースが並ぶ。

柑橘系のジュースを探す。
それらしいデザインだが、中身は全く分からない。

困った。
コーヒー、コーラは解かるが、それ以外は全く分からない。
先輩はコーヒーを選んで喉を潤した。
何故か自分はコーラに手を出そうとしていた。

真夏の西日が自動販売機を照らし、金額が見えない。

暑い。

財布を出して、小銭を探す。
100円玉が無い。
仕方なく、10円玉を次々投入する。

暑い、そして眩しい。

やっと喉を癒せると、ボタンを押す。
返却口に小銭が戻ってくる。

無常。

再度、小銭を投入してみる。
1枚、1枚と時間がかかる。

暑い。

やっと、缶が出てきた!。
冷たい飲み物にありつける。

缶を取ろうとした瞬間、「当たり」のメロディ。
販売機の「何か」に当たったようだ。

なんと、小銭の返却口から大量の小銭が出てきた。
そのうち、小銭が両手いっぱいになる。
驚いた!。

しかし、まだ飲み物を口にしていない。
喉の渇きはピークだ。

景品の小銭を、重い小銭を持ちながら、
缶のフタを開けようとした。

遅れる!。
先輩が叫んだ!。
新幹線に間に合わない。

日は傾いていた。
喉の渇きに、気は遠のいてゆく...。

で、目が覚めた。
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