美月葉月

言の葉 ゆらり

霧雨

2009-06-14 22:29:22 | 美月葉月


細かい霧雨は
傘を持たぬ身に
纏わりつき

小さな水滴が
したらしたらと
垂れてくる

髪をつたう雨粒
薄手の夏衣
濡れて透きとおり

愛された乳房が
たらりと
そのかたちで浮かぶ


遡行

2009-06-14 22:27:39 | 美月葉月


一年ずつ
時を戻して

どこまで戻せば
真新しい私達に
出逢える

どこまで戻せば
だた
笑顔だけの私達に
出逢える

遅すぎただなんて
ありきたりの
陳腐な台詞は
言わない

言わない
だけど

戻せるのなら
ねえ

戻せるのなら

 


濃い時

2009-06-14 09:57:20 | 美月葉月


薄れてゆくにつれ
見えてくるものあり

ここまで薄れなくては
見えてはこない

きみは

嘘も言ってたけど
ほんとうをも

言ってくれていたんだ

嘘はわかりやすく
ほんとうはわかりにくく

濃い時には

なんで
そうしか見えないんだろう