はと@杭州便り

中国杭州で仕事&子育てしているはとぽっぽのページです。

入学2

2015-05-22 13:40:02 | 杭州で子育て
私たちにとって、娘の日本人学校への入学を決断、実現するまでは、本当に山あり谷ありでした。

以前住んでいた郊外のマンションは学校の送迎バスルートから遠く、通えないため、
3月に送迎バスルート沿いの、市内のマンションに引っ越してきました。
家賃は、以前の一割増になりました。

他の生徒さんのような駐在員のご家庭では、日本人学校の学費も会社負担ですが、
うちは学費も何もかも全額自己負担です。
杭州日本人学校は人数が少ないので、中国にある日本人学校の中でも最も学費が高いのです。
日本だったら有名私立小学校並の学費に、送迎バス代、ランチ代を入れて…(無言)。
これだけの経済的負担を今後6年間、または9年間続けていくことができるのか、
相方と何度も話し合いました。

ユキの場合杭州戸籍がなく国籍離脱手続きもしたので、杭州で中国人の入る小学校に行く場合
外国人として入学することになりますが、今、杭州は空前の入学難。

家の近くの公立で受け入れてもらえるかどうか。以前近くの公立小学校3校を調べてみましたが、
受け入れてもらえるかどうか、どこも厳しそうでした。仮に受け入れてもらえても、1クラス
45人~51人で、教室の中はいっぱい。廊下にまで机と椅子を出している学校もあります。
町中の小学校は校庭も狭く、これだけの人数の子供達が思いきり運動できるスペースもありません。

私立は1クラス20人~35人で、設備も立派。校庭のほかにプールや小劇場まであるところも
ありますが、こちらは入試の競争率が15倍以上。ユキの幼稚園のクラスメートも何人か
私立を受験しましたが、合格できたのは一人だけ。しかもその子は入試2ヶ月前には
コネ(とカネ)で合格の内定をもらっていたのでした。

公立の有名校に子供を進学させたAさんの話では、3年以上前からその学区に不動産を買っていて、
約5000万円。ボロボロの狭いアパートでも、学区内だからそのくらいするのです。
私立の有名校に子供を進学させたBさんの話では、一年以上前からコネを探し、寄付金という
名目で学校側に払ったお金は約500万円…。

中国の幼稚園のママ友たちのそんな話を聞くうちに、こちらの金銭感覚もマヒしてきて、
日本人学校の学費ですら高いと思えなくなってきました。

相方は以前から中国の教育について色々と思うところがあり、また昨今の中国人大学生の
就職難を見るにつけ、中国の学校に進学させたいという考えは、最初からほとんど有りませんでした。

でも、私にとっては確かに日本人学校に行ってもらった方が、安心だし嬉しいですが、
相方にとってはそれは、最長でも中学卒業と同時に娘と別れて暮らすことを意味します。
なので、私たちも手放しでこの決断が正しかったとは、まだ言えません。

意外だったのが、ユキの反応でした。
去年の2ヶ月の日本の幼稚園体験が、娘にとってはかなり大きく、これが日本人学校へ行きたいという
決定打になりました。

年長になったあたりから、中国の幼稚園で「日本人」と言われたり、からかわれることが多くなりました。
決して悪意とは限りませんが、娘は気が強いのでついつい、同級生がちゃんと並ばなかったり、
うるさくしたりしていると「ちゃんと並んで!」とか「静かにして!」と言ってしまうらしく、
先生からも「ユキちゃんはきちんとしている。」と褒められるので、それが面白くない男の子たちが
「日本人はうるさい。」とか言うようになったらしいです。
それにつれて、自分は日本人だという意識をはっきり持つようになってきました。
家では日本のテレビばかり見て、中国で皆が見ているテレビは見ないので、女の子グループからもだんだん
話題についていけなくなったりしていました。

だんだん、中国人の集団の中に一人、日本人でいるのが苦痛になってきていたと思います。
その気持ちは、私も以前中国企業で一人、日本人でいて、何とも言えない居心地の悪さを
感じることもあったので、わかるつもりです。
幼稚園は今年1月末で退園しましたが、最後の方はかなり無理して行かせている状態でした。
先生方やお友達、保護者の皆さんには、できる範囲で本当に良くしてもらったと思っています。
けれど、やはり越えられない壁と言うか、文化の違いを感じていたのも事実です。

ユキは何度も「もう日本人って言われたくない」と言っていました。
日本人学校に入る前には、「日本人学校に行ったら、今度は中国人って言われるの?」と聞かれました。
入学してみると、幸い日本人学校にはユキと同じ、両親のどちらかが中国人のご家庭も多く、
父親が中国人であることで特別視されることもありません。

入学して毎日、楽しそうに学校から帰ってくるユキを見て、この学校でお世話になることにして本当に良かったと思っています。
中国の幼稚園にいた頃は、親である私もどこか不安だったし(実際、どう考えてもおかしいとしか思えない教育内容もあった)、
日本語や日本文化を私がちゃんと教えなくては、という強迫観念もあったのが、
日本人学校に入ってからは、ユキだけでなく親も「学校や先生にお任せできる」という安心感が大きくなった気がします。

特に私たちのように母親が日本人で父親が中国人というご家庭では、日本人学校という選択肢は少数かも知れませんが、
こういう選択肢もあるということで、ご参考になればと思います。


参観日の様子






お勉強だけじゃなく、日本人の集団の中でしか学べないことは、きっとたくさんあるはずだと思います。


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6 コメント

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Unknown (つばくろん)
2015-05-25 10:18:59
ユキちゃん、小学校ご入学おめでとうございます。

子どもにとって最も良い選択は何なのか、
永遠に答えの出ない課題で自問自答し続けるのは
親ならば皆同じなのでしょうね。

私にしても子どもたちが成人してすでに数年経つにも関わらず、
考えさせられることがあります。

時代の流れ、社会情勢の変化によって、
それまでに決めたことを変更することを余儀なくされることは多々ありますが、
それはその時に悩めば良いことで、
今はその選択をユキちゃんと楽しんでくださいね。
返信する
Unknown (はとぽっぽ)
2015-05-25 14:25:17
>つばくろんさん

有難うございます!そう言って頂けて、何だかほっとしました。

杭州にもここ数年、国際部を開設、または新設する小学校も増えてきていて、そちらも考えなくはなかったのですが、うちの場合はやはり大学はできれば日本で行ってほしいという思いがあり、日本人学校に決まりました。

中国の学校には中国の、日本の学校には日本の良さがあると思いますが、私たちの受けさせたいと思う教育が日本の方が近かった、というだけだと思います。

この先どうなるかわかりませんが、今の時点では親も子も一番落ち着いて過ごすことができる教育環境を選んで、ほっとしています。小さい学校なので、一人一人が大切にされていると感じますし、娘が毎日楽しそうに学校に行っているのが一番嬉しいです。

また色々と悩むことも出てくると思いますが、その時その時で親子で考えていこうと思います。有難うございます。
返信する
初めてのコメントで~す。 (メイ)
2015-06-11 15:25:53
いつもブログを拝見させて頂いております。
今は大阪市在住ですが、夫が4月から杭州駐在となり、私と息子二人も10月頃に杭州へ引越す予定です。
下の子はまだ1歳ですが、現在は保育園に通っています。上のお兄ちゃんは幼稚園の年中さんで、杭州に行ったら、日本人学校のぱんだ組に入れるか、現地のインターナショナルスクールに入れるかすごく迷っています。現地のインターナショナルスクールの方がたくさん学べると噂を聞きましたが、それはどうでしょうか。
一度現地の状況を教えて頂けたら、幸いです。
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Unknown (はとぽっぽ)
2015-06-12 15:51:51
>メイさん

初めまして。秋から杭州に来られるご予定なんですね。

私の知っている限りの情報ですが、日本人学校のぱんだ組は今年4月時点で入園希望者が多くて、今はウェイティング状態という話でした。秋からの入園が可能かどうか、ご確認されたほうがよいと思います。
ぱんだ組は年中、年長あわせて一クラスです。

すみません、インターのほうは私もよく知らないのですが、インターの幼稚園に行っていらっしゃる日本人のお子さんもおられるようです。
問題は場所ですね。インターは濱江、日本人学校は下沙にあり、同じ杭州と言ってもかなり離れていますので、家を決められるときは旦那様の通勤の便や、日本人学校またはインターのスクールバスが利用可能なところかどうか、確認されたほうがよいと思います。

「たくさん学べる」というのはお勉強のことなのか、それとも英語のことなのかわかりませんが、例えば今後中国以外の英語圏にご転勤になる可能性が高いなど、お子さんの英語教育を重視される場合は、インターのほうが良いのでは、と思いますし、日本語や日本の生活習慣を重視される場合は日本人学校のほうが良いのでは、と思います。

実際に学校見学などもできると思いますので、直接お問い合わせされることをお勧めします~。
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ありがとうございます (メイ)
2015-06-18 09:48:16
>はとぽっぽさん
お忙しいのに、丁寧にご返事を頂き、ありがとうございました。
ぱんだ組には待機児童発生ですか…びっくりしました。
学校に直接問い合わせてみたいと思います。お嬢さんと同じ学校に入れたら幸いです。
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初めまして (こりん)
2015-07-03 22:42:56
はと様

以前からブログを拝見させて頂いています。
私は大阪在住の2児の母です。
主人が、去年から杭州に駐在しておりまして、私と子供も来月から住むこととなりました。

うちの子供は5歳の娘と2歳の息子です。
はと様のブログで娘様がバレエ教室に通われていることを知り、上の娘にいずれバレエを習わせたいと考えていたこともあり、このようにコメントを入れさせて頂いた次第です。

バレエのこと意外にも、色々とお話をお聞かせ頂いたり、子供の年齢も近いので、もしよければお友達になっていただけないでしょうか?

娘様は日本人学校へ入学されたのですね。おめでとうございます。我が子はインターナショナルスクールに通います。環境は違いますが、お互いにたくさん学んで楽しい学校生活を送れるといいですね。
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