はと@杭州便り

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日本の幼稚園

2011-12-22 17:13:02 | 京都里帰り中
日本の幼稚園と中国の幼稚園は、どこが違うのか?

ネットでこんな記事を見つけたので、読んでみた。
「中国人ママが驚いた日本の幼稚園の12の出来事」
http://www2.explore.ne.jp/news/articles/17073.html

中国で生活している日本人の視点と、日本で生活している中国人の視点は、日本と中国の違いを知るのにちょうど良い合わせ鏡のようなものだと思う。
私にとって在日中国人の方のブログは『目からウロコ』な発見が多いので時々チェックしているのだけど、上記の記事のブログもその一つ。

今回日本に帰った時、機会があって友人のお子さんの通う幼稚園を見学させてもらったのだが、中国では気づかなかった日本と中国の幼稚園の違いについて色々と考えさせられた。

【冬でも半ズボン】
北京の祖父母が日本の幼稚園は冬でも半ズボンと聞いて大変に心配し、中国の子供は寒さに弱いから先生に特別にお願いして長ズボンにしろと懇願してきた。しかし規則だから半ズボンで登園させるとやはり風邪をひいてしまった。不満に思い日本人ママの友人に話したところ彼女の返事にもっと驚いた。「そうよ。幼稚園に行かせるのはいろいろな病気にかからせるためよ」そうして抵抗力をつけた日本の子供は身体がしっかりしてたくましい。


日本の幼稚園の制服では、男の子は確かに冬でも半ズボンだった。
私自身が通った幼稚園は「はだかの教育」を売りにしていて、登園すると冬でも半ズボン一枚で上半身裸で過ごしていた。

ユキにもできるだけ薄着を、と思うのだが、幼稚園に通うようになってから頻繁に鼻水や咳が出るので、相方や二姐はどうしても厚着をさせようとする。
毎日一枚でも脱がせたい私と、一枚でも多く着せたい相方&二姐との攻防戦?になり、結局私が折れてしまう。

ちなみに最低気温0度の杭州で、ユキは現在のところ上半身4枚、下半身2枚着せているのだが、これでも他の園児と比べると薄着の方に入ったりする。

幼稚園には暖房が入っていないので、つまり屋内でも外と大して変わらない気温。
結局園内でも着替えをせず、上着を着たまま一日を過ごしているユキ。。。
抵抗力を考えれば少しでも薄着させた方が良いと焦っているのだが、
中国で子育てしている以上、それはやっぱり難しいのだろうか。

【幼稚園で教えるのは『笑顔と感謝』】
日本の幼稚園では教科書がない。絵本を読む程度だ。教えるのは人に笑顔で接すること、ありがとうと言うことだ。それに英語や算数の詰め込み教育がなくても幼稚園では総合的な教育をするので卒園のころには歌も絵もとても上手になっている。


以前中国の現地小学校に通うお子さんを持つ日本人ママの方から、「中国の小学校の音楽と図工の授業のレベルはかなり低い」と言われたことがあるのだが(そもそも田舎では音楽も図工も授業すら行われていない状態らしい)、それはお勉強が忙しくて時間が取れないという問題のほかに、それを教えられる技量を持つ教師がいないことがあると思う。

今回見学させてもらった幼稚園の図工の作品は、各クラス毎に趣向が凝らされていてとてもすばらしかった。


年少組の作品


年長組の大きな作品。クラス皆で力をあわせて作ったのだと思う。


各教室に必ずあるピアノ。日本の幼稚園の先生は皆ピアノが弾ける。うらやましい。


園児たちの使うピアニカ。

お遊戯するにしても、お歌を歌うにしても、教室にちゃんとしたピアノがあって歌えるのはとても良いことだと思う。
ユキの通っている幼稚園では、少なくともユキの教室にはピアノがない。

昨日、幼稚園から保護者へ携帯メールで「もうすぐクリスマスなので、家から何か一つクリスマスらしい装飾品を持ってきてください」というメールが来たのだが、
親の買ったものをただ子供たちに持って来させるのではなく、下手でも良いから何か牛乳パックとかペットボトルとか上手に使って、クリスマスの工作を子供たちにさせてあげれば良いのに…と思ってしまう。

【幼稚園教師の技量が高い】
一クラス10人から30人くらいの子供たちの誕生日を覚え、一人一人を励まし、持物を整頓させ、教室内を整え飾り、音楽、美術から体操まですべてこなし、たくさんの行事の準備や片づけなど教師の仕事は大変な技量を要する。しかしいつも笑顔で颯爽としていて敬服する。


これは本当にそう思う。仮にピアノなどのハード面が日本と同じようになったとしても、それを使いこなせる教師がいなければ何にもならないだろう。
中国の幼稚園の先生方も、現場では努力されていると思う。しかし教員養成課程の見直しや、幼稚園自体の体質の変化、保護者との連携がなければなかなか先進国のような幼児教育を実現するのは難しいのではないか。

以前ユキの入園に際して力添えのあった、杭州の某幼稚園の園長先生とお話したことがあるのだが
「私は20年以上前から日本の幼稚園や保育園の視察や交流事業にも関わってきたけれど、子供の体力づくりや情操教育、礼儀を大切にする日本の幼稚園はすごく良いと思う。いつか杭州の現場でもそういう教育を取り入れたいと思って頑張ってきたけれど、教育を変えようと思えば教師だけでなく、親、社会も変わらないと無理。特に最近は大学入試が過熱する一方で小中学校だけでなく、幼稚園もその影響を受けている。」と言われた。
そして「中国の幼稚園にあまり期待しないでね。もし日系幼稚園が杭州にできたら、お金がかかっても絶対に入れるべきよ。私ならそうする。」とまで断言された。

ユキの幼稚園については今のところそんなにがっかりしていなくて、むしろ予想以上に良くして頂いていると思っているのだけど、
今回の日本の幼稚園見学を通じて、機会があればぜひユキを日本の幼稚園にも体験入園させてやりたいと思っている。

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