はと@杭州便り

中国杭州で仕事&子育てしているはとぽっぽのページです。

ネコに小判

2006-03-08 21:09:36 | 中国企業で働く
中国では今日は「三八婦女節」=国際婦人デー、である。
といっても、メーデーのような法定休日ではないので職場によって女性だけ半日、または一日休みになったり、会社からプレゼントがあったりする。

私が聞いた「豪華版」の会社では、毎年女性だけで日帰り職員旅行(全食事つき、費用全部会社もち)があるそうだ。
うちの会社は女性が多いので休みはもらえないが、会社から毎年ささやかなプレゼントがある。

去年は映画のチケット200元相当だった。映画館の費用はだいたい一人40元なので、5回分ということになる。家族と一緒でも使えるし、これは結構好評だった。

今年はハーゲンダッツのアイスクリーム券150元分+なぜかバラの花一輪
こちらでは中国人の間では人気があっても、外国人には大変不評なケーキ屋もあるので、そんなケーキ屋の券だったらどうしようかと思っていたが、ハーゲンダッツで一安心
していたら、うちの上司(国際部部長・30代男)が

「じゃあ今日の会議は外に出て、みんなでアイスクリーム食べながらやろう!」と言い出した。

婦人の日だし、何かおごってくれるのかと思いきや、何を言い出すのだこの男は
明らかに女性陣のアイスクリーム券に、男性陣もあやかりたいだけにしか見えない。日本だったら無礼千万である

でも実は中国では、こんなことはよくある。
たとえば誰かが誕生日だと、その誕生日の本人が同僚全員にケーキをおごったりする。
セールスではその月の業績一位の人が、部署の同僚全員に食事をおごったりする。
業績一位でボーナスでも出たならまだしも、誕生日なんかプレゼントももらってない相手に、何故自分がお金を出しておごらなければならないのか理解できない。

しかもおごってもらう側が「請客!請客~!(おごれ、おごれ~!)」とうるさい程はやし立てるのである。
私も先々週結婚手続きをしたと言ったら、周囲から「おごれ~!」の嵐が起った。
第一「おごってくれ」なんてよっぽど親しい間柄でも、日本では言われたことがない。
「まだ日本側の手続きしてないから、正式に結婚してない。」と言って逃げたが、
これが中国人の習慣と百も承知していても、ムカつくのはどうしようもない

結局同僚10人が2人の車に便乗して、西湖の近くにあるハーゲンダッツへ行った。
杭州に住んでいながら、同僚たちの行動半径は恐ろしく狭い。
西湖まで車で15分の距離なのに「もう一年以上来てないわ~」と言う人もいて、私のほうがアゼンとする。
ほとんどの人はハーゲンダッツの場所も知らなくて、私がガイドするハメに
初・ハーゲンダッツでみんなコーフンしている。

150元分もあれば、いったいどれだけたくさんのアイスが食べられるか、と期待して騒いでいた同僚たちが、店に入ってメニューを見た途端、急に口数が少なくなった。

そりゃ普段2元とか5元のアイスしか食べたことのない人が、一カップ25元もするアイスがこの世に存在するとは思わないだろう。
「もっと安いメニューはない?」と必死で探すが、一番安いのがその25元のアイスとわかって一同ガックリ。
あまりにも見事に私の予想通りの展開になったもんで、かわいそうだから笑っちゃいけないと思うんだけど、笑いをかみ殺すのに苦労する。

また出てきたアイスを見て「小さい~!」と不満を言う。
そう、中国は量が大事なのだ、量が。
「でもほら、味が違うでしょ、味が」とフォローしようとしたその時、

「なんだ、普段食べてるのと別に変らないじゃん。」

と言われて、今度は私の方が言葉を失った…

同僚たちは、スプーンでアイスをぐちゃぐちゃにして食べている。
それを見ていると、私もおいしいと思えなくなってしまった。

ハーゲンダッツのアイスクリーム券は、私には嬉しかったけど、同僚には不評だった。
同じ150元なら、スーパーのプリペイドカード150元分とか、市バスの定期3か月分(150元)とかの方が同僚たちの背丈に合っていた気がする。

結局、女性陣のアイス券のほとんどがなくなってしまった。
それに対しておごられた男性陣は、当然のように一言の礼も言わない。
中国人的には別に普通のことだから、とわかっていても、

こんなことだったら夏になるまで待って、一緒に「おいしい」と言ってくれる日本人の友達と一緒に食べたかったのに、と思って泣きたくなった

決して同僚たちが悪いなんて思ってない。
けど、もう二度と一緒にアイスは食べたくない。それだけだ。

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