175Rと130R

175Rと130Rの関係性を多角的に考察し、新しい日本のあり方を模索する。

豊島園のシネコンは大丈夫なのか?!

2005年02月22日 | Weblog
こないだ、マイケル・ムーアの『華氏911』をようやく観た。
例によって、池袋の新文芸坐である。
で、今回はそれについて書こうと思ってたんですが、
今日、豊島園のシネマコンプレックスで、観たい観たいと思っていた『ボーン・スプレマシー』と、観ようかなーどうしようかなーと思っていた『きみに読む物語』を観て、そっちについて書くことが決まった。
「決まった。」といっても、僕の心の中でひそかに決まっただけなので、わざわざここでこうやって、大々的に発表するほどのことでもなかったなあと、いま恥ずかしい気持ちでいっぱいです。

さて、マット・デイモン主演の話題作『ボーン・スプレマシー』が、『ボーン・アイデンティティー』の続編であることは広く知られていますが、
実は、その『ボーン・アイデンティティ』のひとつ前に、『ボーン・イエスタディ』というのがあって、『アイデンティティー』が『イエスタディ』の続編である、という事実は、ほとんど知られていません。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD10318/

知られていませんていうか、たまたまこないだ『イエスタディ』を発見して、「このネタをいつ使おういつ使おう」と悩んでいたのですが、
「悩んでいても始まらない。そうだ、『スプレマシー』を観よう。そうすれば、ここぞとばかりに使えるじゃないか」
と思って、『ボーン・スプレマシー』を観ました。(半分ウソ、半分ホント)

『スプレマシー』、評論家やメディアにはかなり好意的に取り上げられていますし、
小難しいことはよくわかりませんが、カーチェイスのシーンだけでも、十分に観る価値はあるのではないでしょうか。

ちなみに、冒頭でも書きましたが、僕は豊島園のシネコンでこの映画を観ました。
公開されてまだそんなに日が経っていない『ボーン・スプレマシー』、465人収容のスクリーンに、客は4人しかいませんでした。
僕を含めて4人です。ありえないっ!
ちなみに全員男で、全員ひとり客でした。
ラブストーリーじゃなかったのがせめてもの救いですね。

そういえば、だいぶ前に『2046』(に出ているチャン・ツィイー)を観に行ったときも、確か客が5~6人で、やはりガラガラでした。
そのときは「作品のせいだろうか」とも思いましたが、『ボーン・スプレマシー』は世間的にもしっかりとヒットしているので、きっと豊島園のシネコン、平日はいつもガラガラなのでしょう。
とはいえ、客が一番入りそうな『ボーン・スプレマシー』で4人なのですから、おそらく他のスクリーン(豊島園のシネコンには9つのスクリーンがあります。)もガラガラだったはず。
大丈夫なのか豊島園(のシネコン)!やっていけるのか豊島園(のシネコン)!
http://www.unitedcinemas.jp/toshimaen/

調子に乗って映画をハシゴしました。(『きみに読む物語』)
今度は100人くらいが入るスクリーンで、上映1分前まで、客は僕ひとりだけでした。
「だだっ広い映画館にひとりぼっち」「自分だけのために回ってくれる映写機」「しかも純愛映画かよ!キモーい!」といった、マニアックなシチュエーションにゾクゾクと興奮しながら、「誰も来るな、誰も来るな」と神にも祈る気持ちだったかどうかは定かではありません。
が、「誰も来るな誰も来るな来るな来るな来るな・・・」と祈り続けているうちに、それが病的なつぶやきに変わって行き、とうとうほかの客が入ってきてしまった瞬間、その客に向かって「来るなってあれほど言っただろぉがぁっ!」と、ドスの利いた声でブチキレる青年を妄想して、ひとりでニヤけてしまいました。

僕の精神の健康も心配ですが、それにしても、本当にこの映画館の先行きは心配です。
かなり新しい、しかも六本木ヒルズのシネコンに匹敵すると思われる規模・設備のシネコンですから、「儲かんねぇからつぶしちゃおうぜ」ってなわけにもなかなかいかないだろうし、
当面は、土日の集客でカバーしていくしかないんだろうけど、土日だけでそんなに儲かるんだろうか、維持費だってバカにならないだろうし、まあ空いてるのは大歓迎ですけど、近所だし、末永く利用できる映画館であってほしいものであるなあ、と詠嘆しているうちに、とうとうほかの客がひとり、入ってきてしまいました。
そこで僕は、「来るなってあれほど言っただろぉがぁっ!」とは叫びませんでしたよ。念のため。

で、この映画、これが良かったんですよ!
キリン顔の少年と、「最初はそんなにかわいく見えなかったけど、ストーリーが進むにつれて魅力的になっていったよね~」っていう感じの少女の、ひと夏の恋の物語をきっかけに展開される長い長い愛の物語が、カポー(※)たちの距離を縮めてくれること間違いなしなので、
カポーの皆さん、特に、長く付き合っていこうとお互いに思っている熟年志向カポーの皆さん、あるいは二人の仲が醒めていない熟年カポーの皆さんは、ぜひとも連れ立ってして観に行くことをオススメします。

わりと展開がある映画なので、一人で観ててもぜんぜん飽きませんし、仮に二人とも醒めてたら醒めてたで、ツッコミどころはけっこうあるので、楽しめることと思います。
が、温度差のあるカポーが観ると、やや痛いかもしれない。
厄介なことに、温度差なんてものは、誰にも分からないですし、そういう場合、痛い目に遭うのは大抵男です。
なぜなら、男という生き物はえてして、夢見がちなロマンチストであるからです。
女もまたロマンチストには違いありませんが、相対的に考えて、現実的なロマンチストであると言えるのではないでしょうか。

夢見がちなロマンチストは、間抜けなので、救いようがありません。
この映画の主人公がまさにそれです。
でも、映画の世界なので、夢見がちな間抜けが少しは報われます。
というか、この監督は、「こうだといいなあ~」という願望を映画の世界で実現した間抜けであり、それを観て、「この映画、これが良かったんですよ!」なんて言ってしまっている僕は、前歯が抜けた小学生の笑顔と同じくらい、間抜けであるに違いない。


※「カポー」:「カップル」の意。英語で「カップル」を正しく発音した際の音。

4 コメント

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としまえんは (よーよよ)
2005-03-17 00:40:21
悪いけど、ぼくの行きつけです。

おそらくもう8回くらい(10いかないくらい)は通ってるが。

客が二桁だったことは一度もない。

と言いたいところだが、一度だけあった。



正月。

正確には、1月4日。

おそらく「家にいても暇だから、

そういえば近くに映画館できたよな。

ちょっと母さん、映画でも観に行こうか」

的な人がたくさんいたんだろう。



しかし、つぶれないことを願う。

あんなにすいてる映画館は都心にはないだろうから。
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Unknown ()
2005-03-20 00:15:08
一桁が普通の映画館て、相当キテますね。。

あんだけスペースがあって、客席も相当数があるのに。

つぶれない程度に客が入ってくれることを願うばかりです。

そして、そんな風に「今日もすいてるんだろうか?うわ、すいてるよ!大丈夫なんだろうか、つぶれないんだろうか」とハラハラさせながら、地道に客の心をつかんでいこうという戦略にちがいありません。
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さすが (よーよよ)
2005-03-21 23:20:49
するどい。

みやまさん経営コンサルタントになれるよ。

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Unknown ()
2005-03-23 20:43:41
そんな面倒くさい戦略よりも、普通に客数を増やすために努力した方が成果があがるんじゃないかなんてことには、この際、目をつぶります。
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