今日は岐阜で規格外のロボットを発明する天才的なエンジニアのおじいさんに再会した後、
東京へ帰ると見せかけて福島に来てしまった。友人に会うために急きょ。
終電で来たため現地に着いたのは深夜。
空いてるホテルをさがしたが、どこも満室。
ゴールデンウィークってそういうものなのか!?
だってホテルいっぱいあるのにどこもかしこも満室なんだよ!?
あるいは「福島に来る」ってぇのは、俺が知らないだけで、巷ではブームなのか!?そんなにキテるのか福島!?
結局、2時間ぐらいケータイのネットで空室ホテルをさがしたり、電話かけまくったり、タバコ吸いながらたそがれたり、「F◯CK!」と連呼しながら駅前を縦横無尽にさまよったりした挙げ句、
ようやく空室のあるホテルにたどり着くことができた。
一時は、東北地方の寒空の下、駅前での野宿も覚悟した。
だって、ネットカフェもファミレスも見当たらないから…
1人でポツンとタバコ吸ってたらホームレス風の男性が集まってくるもんだから…
ナニはともあれ、無事にこうして宿にありつけた幸福をかみしめながら、
一抹の疑念が心の中に渦巻いている最中である。
というのも、最初にホテルに電話をかけて空室状況を確認した際、
電話に出たフロントマンは、
「朝までとなりでライブやってまして、騒音の激しい部屋しかご用意できないのですが…」
と仰っていたのだが、
この部屋、ぜんぜん静かなんでがす。
一体これはどういうことなのか。
しばしタバコを吸って思案しながら、あるひとつの仮説にたどり着き、俺は恐怖のあまり「イヒーッ」と叫んで卒倒しそうになった。
そのはずみでタバコの灰がホロリと腕に落ちてとても熱かった。
以下、最初に電話をかけてやりとりした際のフロントマンとの会話である。
プルル プルル プルル …
フ「はい、こちらホテル◎◎◎…云々」
俺「あのぉ、今日って空室ありますか?(きっとおたくも満室でしょうけど。)」
フ「は、はい… あのぉ…」
俺(ダメか…)
フ「空きがあるにはあるんですが…」
俺(あるのかよ!)
フ「そのぉ…ちょっと…」
俺「はい」
フ「ワケありの部屋しか空いてないのですが」
俺「はい」
フ「なんと申しますか…」
俺「はい。」
フ「そのぉ…朝まで隣でライブをやっておりまして、
騒音の激しい部屋しかご用意できないのですが…」
俺「あ、別にダイジョウブです。
(野宿より全然OKっす。騒音ノープロブレムっす。)」
フ「ダイジョウブでしょうか…」
俺「ダイジョウブです。
(って言ってるじゃないですか!泊まれれば何でもOKだから今の俺。)」
フ「それから…ダブルのお部屋しかご用意できないのですが…」
俺「ダイジョウブです。(泊まれれば何でもOKだから今の俺。)」
フ「そ、そうですか…。1泊7500円かかってしまいますが…」
俺「ダイジョウブです。
(このフロントマンは泊まってほしいのかほしくないのか。どっちなのか。
どっちにしろ泊まらないわけにはいかないのだが。)」
フ「そ、そうですか…。あのぉ…」
俺「はい。(まだ何かあるというのか!?)」
フ「そのぉ…ホ、ホントにうるさいと思うんですが…
ダイジョウブでしょうか…?」
俺「ダイジョウブです。(って何度も言ってるじゃないですか!
もともとうるさくても寝れるタチだからダイジョウブです俺。)」
フ「実際にお泊まりになってから騒音についておっしゃられても…
その…対応しかねるのですが…ダイジョウブでしょうか?」
俺「ええ、ダイジョウブです。(そんなクレームつけないっすよ!
仮にライブハウスの中にいるみたいなやかましさでも文句言わないっすよ今の俺なら!
野宿より断然マシっすよ!)」
フ「それでは…」
そして今、俺のいる部屋は全くもって静寂に包まれている。
フロントマンと電話で交わした会話の中の、ある一言が妙に引っかかる。
フ「ワケありの部屋しか空いてないのですが」
!!!!
もっと早く気付くべきだった。
ワケありの部屋って何よ!何なのよ!?
つ、つまりその…出るんだな?出るんだな?アレが…!
だから極力空けてあるんだな?この部屋を!お客さんからの「アレが出るんですけど…」っていう苦情や悪い噂を回避するために!
…そして、「うるさい」のはライブじゃなくて、夜中にアレが出て、急に騒ぎ出すんだな!?
だから何度も「ダイジョウブでしょうか?」って念入りに確認とったんだな?
全然ダイジョウブじゃねぇよ!俺ホントそういのうダイジョウブじゃねぇよ!
野宿を選び直したいぐらいダイジョウブじゃねぇよ!
どうせ取り繕うなら、もっとちゃんとしたオブラートに包んで隠してくれよ!
「ワケありの部屋」とか言うなよ!
もはや俺の脳内は、アレが出る原因をさかのぼって追求するまでに活性化し、
この部屋で行われたに違いない惨殺事件にまで想像力をめぐらしてしまっている。
しかし、その種の事件だとしたら新聞やテレビでも取り上げられているはずだから…もしや自殺か!?首吊りか?!
などと、自ら恐怖を煽るようなことを考えずにはいられなくなってしまっている。
誰か助け…
東京へ帰ると見せかけて福島に来てしまった。友人に会うために急きょ。
終電で来たため現地に着いたのは深夜。
空いてるホテルをさがしたが、どこも満室。
ゴールデンウィークってそういうものなのか!?
だってホテルいっぱいあるのにどこもかしこも満室なんだよ!?
あるいは「福島に来る」ってぇのは、俺が知らないだけで、巷ではブームなのか!?そんなにキテるのか福島!?
結局、2時間ぐらいケータイのネットで空室ホテルをさがしたり、電話かけまくったり、タバコ吸いながらたそがれたり、「F◯CK!」と連呼しながら駅前を縦横無尽にさまよったりした挙げ句、
ようやく空室のあるホテルにたどり着くことができた。
一時は、東北地方の寒空の下、駅前での野宿も覚悟した。
だって、ネットカフェもファミレスも見当たらないから…
1人でポツンとタバコ吸ってたらホームレス風の男性が集まってくるもんだから…
ナニはともあれ、無事にこうして宿にありつけた幸福をかみしめながら、
一抹の疑念が心の中に渦巻いている最中である。
というのも、最初にホテルに電話をかけて空室状況を確認した際、
電話に出たフロントマンは、
「朝までとなりでライブやってまして、騒音の激しい部屋しかご用意できないのですが…」
と仰っていたのだが、
この部屋、ぜんぜん静かなんでがす。
一体これはどういうことなのか。
しばしタバコを吸って思案しながら、あるひとつの仮説にたどり着き、俺は恐怖のあまり「イヒーッ」と叫んで卒倒しそうになった。
そのはずみでタバコの灰がホロリと腕に落ちてとても熱かった。
以下、最初に電話をかけてやりとりした際のフロントマンとの会話である。
プルル プルル プルル …
フ「はい、こちらホテル◎◎◎…云々」
俺「あのぉ、今日って空室ありますか?(きっとおたくも満室でしょうけど。)」
フ「は、はい… あのぉ…」
俺(ダメか…)
フ「空きがあるにはあるんですが…」
俺(あるのかよ!)
フ「そのぉ…ちょっと…」
俺「はい」
フ「ワケありの部屋しか空いてないのですが」
俺「はい」
フ「なんと申しますか…」
俺「はい。」
フ「そのぉ…朝まで隣でライブをやっておりまして、
騒音の激しい部屋しかご用意できないのですが…」
俺「あ、別にダイジョウブです。
(野宿より全然OKっす。騒音ノープロブレムっす。)」
フ「ダイジョウブでしょうか…」
俺「ダイジョウブです。
(って言ってるじゃないですか!泊まれれば何でもOKだから今の俺。)」
フ「それから…ダブルのお部屋しかご用意できないのですが…」
俺「ダイジョウブです。(泊まれれば何でもOKだから今の俺。)」
フ「そ、そうですか…。1泊7500円かかってしまいますが…」
俺「ダイジョウブです。
(このフロントマンは泊まってほしいのかほしくないのか。どっちなのか。
どっちにしろ泊まらないわけにはいかないのだが。)」
フ「そ、そうですか…。あのぉ…」
俺「はい。(まだ何かあるというのか!?)」
フ「そのぉ…ホ、ホントにうるさいと思うんですが…
ダイジョウブでしょうか…?」
俺「ダイジョウブです。(って何度も言ってるじゃないですか!
もともとうるさくても寝れるタチだからダイジョウブです俺。)」
フ「実際にお泊まりになってから騒音についておっしゃられても…
その…対応しかねるのですが…ダイジョウブでしょうか?」
俺「ええ、ダイジョウブです。(そんなクレームつけないっすよ!
仮にライブハウスの中にいるみたいなやかましさでも文句言わないっすよ今の俺なら!
野宿より断然マシっすよ!)」
フ「それでは…」
そして今、俺のいる部屋は全くもって静寂に包まれている。
フロントマンと電話で交わした会話の中の、ある一言が妙に引っかかる。
フ「ワケありの部屋しか空いてないのですが」
!!!!
もっと早く気付くべきだった。
ワケありの部屋って何よ!何なのよ!?
つ、つまりその…出るんだな?出るんだな?アレが…!
だから極力空けてあるんだな?この部屋を!お客さんからの「アレが出るんですけど…」っていう苦情や悪い噂を回避するために!
…そして、「うるさい」のはライブじゃなくて、夜中にアレが出て、急に騒ぎ出すんだな!?
だから何度も「ダイジョウブでしょうか?」って念入りに確認とったんだな?
全然ダイジョウブじゃねぇよ!俺ホントそういのうダイジョウブじゃねぇよ!
野宿を選び直したいぐらいダイジョウブじゃねぇよ!
どうせ取り繕うなら、もっとちゃんとしたオブラートに包んで隠してくれよ!
「ワケありの部屋」とか言うなよ!
もはや俺の脳内は、アレが出る原因をさかのぼって追求するまでに活性化し、
この部屋で行われたに違いない惨殺事件にまで想像力をめぐらしてしまっている。
しかし、その種の事件だとしたら新聞やテレビでも取り上げられているはずだから…もしや自殺か!?首吊りか?!
などと、自ら恐怖を煽るようなことを考えずにはいられなくなってしまっている。
誰か助け…