こないだ、マイケル・ムーアの『華氏911』をようやく観た。
例によって、池袋の新文芸坐である。
で、今回はそれについて書こうと思ってたんですが、
今日、豊島園のシネマコンプレックスで、観たい観たいと思っていた『ボーン・スプレマシー』と、観ようかなーどうしようかなーと思っていた『きみに読む物語』を観て、そっちについて書くことが決まった。
「決まった。」といっても、僕の心の中でひそかに決まっただけなので、わざわざここでこうやって、大々的に発表するほどのことでもなかったなあと、いま恥ずかしい気持ちでいっぱいです。
さて、マット・デイモン主演の話題作『ボーン・スプレマシー』が、『ボーン・アイデンティティー』の続編であることは広く知られていますが、
実は、その『ボーン・アイデンティティ』のひとつ前に、『ボーン・イエスタディ』というのがあって、『アイデンティティー』が『イエスタディ』の続編である、という事実は、ほとんど知られていません。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD10318/
知られていませんていうか、たまたまこないだ『イエスタディ』を発見して、「このネタをいつ使おういつ使おう」と悩んでいたのですが、
「悩んでいても始まらない。そうだ、『スプレマシー』を観よう。そうすれば、ここぞとばかりに使えるじゃないか」
と思って、『ボーン・スプレマシー』を観ました。(半分ウソ、半分ホント)
『スプレマシー』、評論家やメディアにはかなり好意的に取り上げられていますし、
小難しいことはよくわかりませんが、カーチェイスのシーンだけでも、十分に観る価値はあるのではないでしょうか。
ちなみに、冒頭でも書きましたが、僕は豊島園のシネコンでこの映画を観ました。
公開されてまだそんなに日が経っていない『ボーン・スプレマシー』、465人収容のスクリーンに、客は4人しかいませんでした。
僕を含めて4人です。ありえないっ!
ちなみに全員男で、全員ひとり客でした。
ラブストーリーじゃなかったのがせめてもの救いですね。
そういえば、だいぶ前に『2046』(に出ているチャン・ツィイー)を観に行ったときも、確か客が5~6人で、やはりガラガラでした。
そのときは「作品のせいだろうか」とも思いましたが、『ボーン・スプレマシー』は世間的にもしっかりとヒットしているので、きっと豊島園のシネコン、平日はいつもガラガラなのでしょう。
とはいえ、客が一番入りそうな『ボーン・スプレマシー』で4人なのですから、おそらく他のスクリーン(豊島園のシネコンには9つのスクリーンがあります。)もガラガラだったはず。
大丈夫なのか豊島園(のシネコン)!やっていけるのか豊島園(のシネコン)!
http://www.unitedcinemas.jp/toshimaen/
調子に乗って映画をハシゴしました。(『きみに読む物語』)
今度は100人くらいが入るスクリーンで、上映1分前まで、客は僕ひとりだけでした。
「だだっ広い映画館にひとりぼっち」「自分だけのために回ってくれる映写機」「しかも純愛映画かよ!キモーい!」といった、マニアックなシチュエーションにゾクゾクと興奮しながら、「誰も来るな、誰も来るな」と神にも祈る気持ちだったかどうかは定かではありません。
が、「誰も来るな誰も来るな来るな来るな来るな・・・」と祈り続けているうちに、それが病的なつぶやきに変わって行き、とうとうほかの客が入ってきてしまった瞬間、その客に向かって「来るなってあれほど言っただろぉがぁっ!」と、ドスの利いた声でブチキレる青年を妄想して、ひとりでニヤけてしまいました。
僕の精神の健康も心配ですが、それにしても、本当にこの映画館の先行きは心配です。
かなり新しい、しかも六本木ヒルズのシネコンに匹敵すると思われる規模・設備のシネコンですから、「儲かんねぇからつぶしちゃおうぜ」ってなわけにもなかなかいかないだろうし、
当面は、土日の集客でカバーしていくしかないんだろうけど、土日だけでそんなに儲かるんだろうか、維持費だってバカにならないだろうし、まあ空いてるのは大歓迎ですけど、近所だし、末永く利用できる映画館であってほしいものであるなあ、と詠嘆しているうちに、とうとうほかの客がひとり、入ってきてしまいました。
そこで僕は、「来るなってあれほど言っただろぉがぁっ!」とは叫びませんでしたよ。念のため。
で、この映画、これが良かったんですよ!
キリン顔の少年と、「最初はそんなにかわいく見えなかったけど、ストーリーが進むにつれて魅力的になっていったよね~」っていう感じの少女の、ひと夏の恋の物語をきっかけに展開される長い長い愛の物語が、カポー(※)たちの距離を縮めてくれること間違いなしなので、
カポーの皆さん、特に、長く付き合っていこうとお互いに思っている熟年志向カポーの皆さん、あるいは二人の仲が醒めていない熟年カポーの皆さんは、ぜひとも連れ立ってして観に行くことをオススメします。
わりと展開がある映画なので、一人で観ててもぜんぜん飽きませんし、仮に二人とも醒めてたら醒めてたで、ツッコミどころはけっこうあるので、楽しめることと思います。
が、温度差のあるカポーが観ると、やや痛いかもしれない。
厄介なことに、温度差なんてものは、誰にも分からないですし、そういう場合、痛い目に遭うのは大抵男です。
なぜなら、男という生き物はえてして、夢見がちなロマンチストであるからです。
女もまたロマンチストには違いありませんが、相対的に考えて、現実的なロマンチストであると言えるのではないでしょうか。
夢見がちなロマンチストは、間抜けなので、救いようがありません。
この映画の主人公がまさにそれです。
でも、映画の世界なので、夢見がちな間抜けが少しは報われます。
というか、この監督は、「こうだといいなあ~」という願望を映画の世界で実現した間抜けであり、それを観て、「この映画、これが良かったんですよ!」なんて言ってしまっている僕は、前歯が抜けた小学生の笑顔と同じくらい、間抜けであるに違いない。
※「カポー」:「カップル」の意。英語で「カップル」を正しく発音した際の音。
例によって、池袋の新文芸坐である。
で、今回はそれについて書こうと思ってたんですが、
今日、豊島園のシネマコンプレックスで、観たい観たいと思っていた『ボーン・スプレマシー』と、観ようかなーどうしようかなーと思っていた『きみに読む物語』を観て、そっちについて書くことが決まった。
「決まった。」といっても、僕の心の中でひそかに決まっただけなので、わざわざここでこうやって、大々的に発表するほどのことでもなかったなあと、いま恥ずかしい気持ちでいっぱいです。
さて、マット・デイモン主演の話題作『ボーン・スプレマシー』が、『ボーン・アイデンティティー』の続編であることは広く知られていますが、
実は、その『ボーン・アイデンティティ』のひとつ前に、『ボーン・イエスタディ』というのがあって、『アイデンティティー』が『イエスタディ』の続編である、という事実は、ほとんど知られていません。
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD10318/
知られていませんていうか、たまたまこないだ『イエスタディ』を発見して、「このネタをいつ使おういつ使おう」と悩んでいたのですが、
「悩んでいても始まらない。そうだ、『スプレマシー』を観よう。そうすれば、ここぞとばかりに使えるじゃないか」
と思って、『ボーン・スプレマシー』を観ました。(半分ウソ、半分ホント)
『スプレマシー』、評論家やメディアにはかなり好意的に取り上げられていますし、
小難しいことはよくわかりませんが、カーチェイスのシーンだけでも、十分に観る価値はあるのではないでしょうか。
ちなみに、冒頭でも書きましたが、僕は豊島園のシネコンでこの映画を観ました。
公開されてまだそんなに日が経っていない『ボーン・スプレマシー』、465人収容のスクリーンに、客は4人しかいませんでした。
僕を含めて4人です。ありえないっ!
ちなみに全員男で、全員ひとり客でした。
ラブストーリーじゃなかったのがせめてもの救いですね。
そういえば、だいぶ前に『2046』(に出ているチャン・ツィイー)を観に行ったときも、確か客が5~6人で、やはりガラガラでした。
そのときは「作品のせいだろうか」とも思いましたが、『ボーン・スプレマシー』は世間的にもしっかりとヒットしているので、きっと豊島園のシネコン、平日はいつもガラガラなのでしょう。
とはいえ、客が一番入りそうな『ボーン・スプレマシー』で4人なのですから、おそらく他のスクリーン(豊島園のシネコンには9つのスクリーンがあります。)もガラガラだったはず。
大丈夫なのか豊島園(のシネコン)!やっていけるのか豊島園(のシネコン)!
http://www.unitedcinemas.jp/toshimaen/
調子に乗って映画をハシゴしました。(『きみに読む物語』)
今度は100人くらいが入るスクリーンで、上映1分前まで、客は僕ひとりだけでした。
「だだっ広い映画館にひとりぼっち」「自分だけのために回ってくれる映写機」「しかも純愛映画かよ!キモーい!」といった、マニアックなシチュエーションにゾクゾクと興奮しながら、「誰も来るな、誰も来るな」と神にも祈る気持ちだったかどうかは定かではありません。
が、「誰も来るな誰も来るな来るな来るな来るな・・・」と祈り続けているうちに、それが病的なつぶやきに変わって行き、とうとうほかの客が入ってきてしまった瞬間、その客に向かって「来るなってあれほど言っただろぉがぁっ!」と、ドスの利いた声でブチキレる青年を妄想して、ひとりでニヤけてしまいました。
僕の精神の健康も心配ですが、それにしても、本当にこの映画館の先行きは心配です。
かなり新しい、しかも六本木ヒルズのシネコンに匹敵すると思われる規模・設備のシネコンですから、「儲かんねぇからつぶしちゃおうぜ」ってなわけにもなかなかいかないだろうし、
当面は、土日の集客でカバーしていくしかないんだろうけど、土日だけでそんなに儲かるんだろうか、維持費だってバカにならないだろうし、まあ空いてるのは大歓迎ですけど、近所だし、末永く利用できる映画館であってほしいものであるなあ、と詠嘆しているうちに、とうとうほかの客がひとり、入ってきてしまいました。
そこで僕は、「来るなってあれほど言っただろぉがぁっ!」とは叫びませんでしたよ。念のため。
で、この映画、これが良かったんですよ!
キリン顔の少年と、「最初はそんなにかわいく見えなかったけど、ストーリーが進むにつれて魅力的になっていったよね~」っていう感じの少女の、ひと夏の恋の物語をきっかけに展開される長い長い愛の物語が、カポー(※)たちの距離を縮めてくれること間違いなしなので、
カポーの皆さん、特に、長く付き合っていこうとお互いに思っている熟年志向カポーの皆さん、あるいは二人の仲が醒めていない熟年カポーの皆さんは、ぜひとも連れ立ってして観に行くことをオススメします。
わりと展開がある映画なので、一人で観ててもぜんぜん飽きませんし、仮に二人とも醒めてたら醒めてたで、ツッコミどころはけっこうあるので、楽しめることと思います。
が、温度差のあるカポーが観ると、やや痛いかもしれない。
厄介なことに、温度差なんてものは、誰にも分からないですし、そういう場合、痛い目に遭うのは大抵男です。
なぜなら、男という生き物はえてして、夢見がちなロマンチストであるからです。
女もまたロマンチストには違いありませんが、相対的に考えて、現実的なロマンチストであると言えるのではないでしょうか。
夢見がちなロマンチストは、間抜けなので、救いようがありません。
この映画の主人公がまさにそれです。
でも、映画の世界なので、夢見がちな間抜けが少しは報われます。
というか、この監督は、「こうだといいなあ~」という願望を映画の世界で実現した間抜けであり、それを観て、「この映画、これが良かったんですよ!」なんて言ってしまっている僕は、前歯が抜けた小学生の笑顔と同じくらい、間抜けであるに違いない。
※「カポー」:「カップル」の意。英語で「カップル」を正しく発音した際の音。