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きままに映画や趣味を

万引き家族

2018-06-21 00:29:41 | 映画
混んでる情報が入っていたが観ることができたのだ。
4番前だからスクリーンがアップで…、満喫しました。(苦笑)昔、楢山節考を最前列で観たのを思い出した。

是枝作品は全部観てるが、「万引き」のキャスティングには誰一人ケチのつけようがない。

たぶん小生の記憶にある北千住の亡くなった後何年もの間、年金が支給され固定資産税も支払っていた事件があったが、あれも着想のひとつになっているのかな。

是枝さんはいつも家族のありようを追求しているような気がするが、常に、何か欠損しているファミリーを舞台にしてる点は共通していた。

色んな評価や感想を述べてる識者や映画小僧がいて、今更という感じがするがひとこと。
笑える場面はない。がずっとスクリーンに釘づけになる。
観終わって思うのはカット、カットが計算されているなということ。演出手法は異なるかもしれないが恐らくそうだろう。そういう意味では小津映画と共通する。家族を描いたのも同じだ。
ヴィスコンティは、「家族の肖像」や 没落していく貴族階級を描いたが、是枝も家族を通して、齟齬の合わなくなった時代を、不可逆的な不条理を描いているのだろうか。だからカンヌでも受けるのだろう。普遍性あるのだ。
山田洋次の描く家族とは全く違う。

あとは好き嫌いの問題だ。

是枝さんて真面目なひとなんだろうな。


男と女、モントーク岬で

2018-06-20 17:30:28 | 映画
誰にでもあると言うが、そうでもないと思う。
生涯、本当に愛し合える相手には、結局は会えない男と女の方が多いと思うのだが。

NYで偶然ながらも昔の恋人に遭遇するマックス。17年振りだ。男も女も心穏やかではない。
マックスは作家として成功しNYで朗読会。ドラマはいきなり朗読から始まる。いい声だ。確かこの男はドラゴンタトウーの主演。スェーデンのスカルスガルド。

昔の恋人レベッカはニューヨークで弁護士として成功して高級マンション住まい。
マックスがNYを離れる前、彼女から、思い出地ロングアイランドの最果ての地への誘いが来る。かつて愛し合った二人は、モントーク岬に宿泊することになる。

果たせなかった過ぎし日の恋愛。
レベッカはマックスと別れた後の悲しみに満ちた出来事を話す。
マックスは昔と変わらぬロマンチストで凡庸な男なのだ。再度プロポーズするも復縁は果たせない二人。マックスは予定通りNYを去り日常に戻っていく。



誰にでもあるわけではない。いつ会っても熱くなる愛おしくてたまらなくなるような恋愛を経験することはあるのか?大抵打算と自分のための恋愛ゲームかもしれない。


78歳になる監督シュレンドルフは品性ある大人の恋愛劇を撮りたかったんだろうな。
あのブリキの太鼓をつくった巨匠。観たのは大昔だからね。

レベッカを演じるニーナホスの再会した時の動揺をおさえながらも隠し切れない表情、演技が未だに脳裏に残る。そして美しく年を重ねた美貌にも惚れ惚れするのだ。


映像も美しい、私が観たのは封切り直ぐだが、まだ新宿武蔵館で上映しているようだ。