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きままに映画や趣味を

たかが世界の終わり

2017-03-24 22:50:12 | 映画
タイトルからして意味深?
結構心理的にハラハラしたまま終始してしまう家族劇。
自分の死が近いことを伝える為に里帰りする34歳のルイ。ルイは劇作家として成功している。
12年ぶりに迎える母ナタリーは料理作りに精を出す。兄アントワーヌ、妹シュザンヌそして兄嫁カトリーヌは、ルイへの思いはそれぞれだ。
ルイの帰郷に歓迎的なのは女たち。兄はルイに嫉妬してるのか露骨に迷惑がっている。妻のカトリーヌへの対応も同じだから、そういう人物として描いたのだろうか?でもそれが彼ら家族の日常なことがわかる。

冷酷で刺々しい言葉をルイに投げかける。僕らさえ嫌悪感を覚える。もっと言えば最後までストレスを与えてくれる映画だ。

会話にならない家族団欒でアントワーヌの態度にシュザンヌもたまらず爆発する。これも日常なのだろうか?
ルイは追いやられるように、その夜帰ることになる。自分の里帰りの目的など論外だ。
舞台劇での激しい台詞が続く作品は初めてのような気がする。不条理劇でもない。論評のしようがない、詰まらないか面白いかがポイントだろうが決して楽しくなる映画ではない。

ルイに対する母のナタリーの眼差しには救われたような気もした。

互いに理解し愛し合うことの困難さを、表現したのか?僕には分からない。

69回カンヌ映画祭のグランプリ作品である。




愚行録

2017-03-24 10:25:46 | 映画
前情報なく2週間前位に観た。新宿武蔵野館ではまずまずの作品をやる、それでもセレクトしますが。この劇場ではときおり「オタク」のような若者をみかける。

これ、K大学が舞台、モデルかしらん。

一家殺戮事件、古い事件を追う雑誌記者のミステリー、兄妹愛映画。
根っこに大学内の学生間差別、おそらく幼稚舎からのリッチなグループと外部入学、とりわけ地方出身グループとは合間見えないのだろうか?
小生のような公立だけのビンボー者、くわえて徒党を組むのが嫌いな人間には理解不能なことだが。くだらないと思うだけだ。



されど見栄、嫉妬、騙し、蔑視、傲慢、高慢…などの人間の愚かさを見事に描いた。キャストも決まっている、見せ場もある、どんでん返しもある。佳作だろうな。原作読んでないから偉そうに言えないが。

「高い満足感を覚える」なんていう宣伝コピーとは逆に小生は不快な気分になってしまった。好き嫌いなんだろうが、精神の余裕があるとき観なきゃダメなんだろうか?


余り脈略はないが、二階堂ふみの
「私の男」とか、園子温監督の「冷たい熱帯魚」のでんでんのインパクトが凄かったのを思い出してしまった。二階堂もでんでんも怖くて怖くて心臓が氷ってしまったのだ。






ラ・ラ・ランド

2017-03-24 00:16:58 | 映画
アカデミー賞14部門ノミネート、6部門受賞だから絶対観なきゃ!
久々に明るい映画を観て少し元気になれる気がした。
実は持病の痛み厳しく睡眠不足。加えて近頃ストレスだらけで身体が悲鳴!仕事早めに切り上げたのだ。夜には治療の予約を入れてありアクセス的に丁度いい劇場が池袋。何年振りか池袋の劇場に行く。HUMAXたるシネコンは初めてだった。


ラブコメディミュージカル。
ハリウッドで成功を夢みる女優の卵と、ジャズピアニストの若者のラブストリー。大掛かりじゃない等身大的な内容に好感もてる。勿論音楽よしダンスよし会話洒落てるし。ああこういうミュージカルを観て、劇中のジャズ演奏聴いていると、おれはなぜ邦楽~長唄とか三味線なんかやってんだろうな、なんて思ってしまうのだ。やっぱりジャズは魅力だ、自由になれる気がしてくる。


2時間位あるのだが長くは感じない。ロサンゼルスの丘、W.ブラザーズのスタジオ。ロケ現場行ってみたくなる。
ライアン・ゴズリングはかっこいいよ。ピアノ、全て自分で演奏しているとか。凄い努力だ。体型が素敵。腹は出ちゃいけないってことを学んだ。これも努力だろう。
アカデミー主演女優賞のエマ・ストーン、魅力いっぱい、歌もいいし。次第に大物になっていき同時に美しくもなっていく。キュートな表情が脳裏に残る。


アメリカ青春映画たくさん観てきたが、気持ちよくスッキリするのは数少ない。少しはほろ苦さもあるけれど、それは青春だから。それも二人は5年の月日をちゃんと理解しあっている表情に切なさが救われるのだ。