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ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー

2019-02-15 17:15:25 | 映画
今週はドタキャン連続だ。火曜は師匠が風邪でお稽古中止、水、木曜は飲み会延期。先週末は家人がインフル。三連休の予定が狂いフラストレーション溜まってたんだよな。おいどんのような慢性疼痛病みがインフル、風邪を蹴散らしてるのに。ったくだよ。

どうしようか?よっしゃ映画だ。日比谷か新宿か?「ナチス第三の男」か「ライ麦サリンジャー」か?会社終わる迄どっちどっちと悩む。日比谷なら東京駅ガード下の長崎チャンポンだな、新宿なら桂花ラーメンか。とにかく、ちゃちゃっと飯食ってから劇場だ。

てなわけで「ライ麦 反逆児」にした。ミニシアターで8席しか残っていなかった。がサービスデイで千円で観られた。
サリンジャーの半生涯を描いた作品で、ライ麦の青年の映画ではない。母は才能を早めに見出し応援、実業家の父親は家業を継ぐことを望み猛反対。父親は父親で成功者だが、ある夜、父親自身はピアニストになりたかったのだと息子に告白するシーンがある。

コロンビア大学で創作を学ぶ。教授に鍛え上げられ、ウィット教授が主宰している「STORY 」誌でデビュー。25ドル。初めての原稿料。この雑誌はカポーティ、メイラー等を世に出したらしい。


42年、世界大戦の勃発。陸軍に志願。ノルマンディー上陸にも加わり、激しい戦場で仲間の死、自らも神経衰弱で入院。生涯癒えない傷を負う。PTSDなんだろうと思う。
戦場でもペンと紙を離さなかったのだが、除隊後、書けない、手の震えがやまない。

49年ようやく長編を仕上げる。ウィットの助言が活きる。それがライ麦畑だ。ホールデンコール。大成功を収めるのだ。

しかしその後よく知られているよう、ニューハンプシャーにて隠遁生活。出版は一切断ちながらもひたすら書くのだ。書くことが生きることだから。91歳まで生きたのだから快適だったのだろう。


感覚的に分かると言ったら軽薄、傲慢か。
成功したらサリンジャーになるか三島由紀夫になるか川端康成になるか、そんな気がする。

「ライ麦」はおれの生まれる前の作品。大昔買い、後から買い直し、訳者が違う2、3冊何処かにあるはずだが、きちんとは読み通していない。アメリカのユダヤ系作家、ソールベローは好んで読んだしメイラーもしかり。フィリップロスとかも思い出す。おれたちがハマるかは訳者に左右される様な気がしてくるのだ。英語で読む力をつけるべきだったんだな。


今回の映画はとても刺激になった。忘れていた種々の思い。おれにも宿していたホールデンコールが息を吹き返しそうだ。


ケヴィンスペイシーも良いが、ニコラスホルトはとても素敵だ。





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1 コメント

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Unknown (福島太郎)
2019-02-16 15:39:42
ありがとうございます。
またお邪魔します。
承認申請させていただきました。
よろしくお願いします。
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