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映画など街など

きままに映画や趣味を

嫌われ松子の一生

2025-05-12 22:50:00 | 日記
 
中谷美紀さんの「インド旅行記」を読んでいたら、無性に「嫌われ松子」が観たくなってきた。
結構記憶に残っているし、当時原作も読んでいる。




凄く気に入り大拍手の作品だった。

監督から酷いパワハラ受けながら「松子」の撮影をしていたことを、「インド旅行記」で知る。今頃になって、中谷さんごめんなさいだ。
すこぶる消耗してひと月ほど旅に出たらしい。もともとインドが好きだったのだろうか?
ヨガもやっていたらしいから。
インド旅行記は1から4まである。
続け様4回も行っている。
なお4は写真集だ。 




「松子」はやっぱり素晴らしい作品だ。
小気味よい展開。だが星、花、蝶のCGが今みると少しうるさく感じた。

ミュージカル仕立てがいい。松子の状況と時代を歌で表現しテンポよくバンバン進むのは心地よい。懐かしい曲も少なくない。
今更ながらだが中谷さんは歌も上手い。

松子は昭和22年生まれ団塊世代一期生だ。
福岡の大野島で育つ。53歳で亡くなったが生きていれば今、喜寿。
東京では北千住に住む。風景が大野島と似ているからだろう。
 
北千住が仕事場になったとき、東西南北どっちにでも30分も歩くと、河川にたどり着くのを不思議に思ったことがあった。
よくみると北千住は荒川と隅田川に挟まれた島状の地形だ。  

松子は故郷に帰りたかったのだろうか。荒川を筑後川にみたてていた。



中学教師をクビになり不本意な形で家を出たからか。妹を絞め殺そうともしたからか。

筑後川の小船に乗り教え子たちと合唱する松子のシーンが何回か出てくる。
幸福な時代だった。

ところが教え子の龍に裏切られ、教頭、校長の保身から松子は強制的に教員をクビになる。
自転車にボストンバックを積み逃げる様に筑後川の堤防をひた走る。
このボストンバックを生涯愛用していた。


ファザーコンプレッスゆえか、たえず男に尽くし遍歴を重ねるのだが、本当は父親(柄本明)に甘えたかったに違いない。
松子が愛する男は何故かクズ男ばかり。綺麗で聡明な松子なのに何故?
こちらがタコ唇で変顔(父親が面白がる)したくなる。

父親は松子が出奔した1年後に亡くなったと弟(香川照之)から聞く。弟からは絶縁を告げられているが実家に立ち寄る。
仏壇前にあった父の日記を開く。松子のことが毎日記してある。父親は身体の弱い妹(市川実日子)を優先し大切にしたが、松子もちゃんと愛されていたのだ。が、もう少し見える形で松子に愛情を注いでいたならば、
松子は好きな筑後川のそばで立派な教員として幸福な生涯を送ることになるのだろうが
、それでは映画、小説にならない。
 
松子の人生は波乱万丈。
一般的には転落と表現するが、松子は素直で自由に生きた。神になるまで?
松子が愛おしく感じてくる。

刑務所仲間で出所後成功した沢村(黒沢あすか)がなかなかいい。松子の唯一の味方だった。
アパートの隣人パンクロッカーのゴリも味を出していた。
龍を演じる伊勢谷ははまっている。  
皆んな嫌いになってしまう役だ。松子を不幸にした男だから。修学旅行の宿泊先で1万2千円盗みながら、しらばくれ松子を追い詰めた中学生であり、刑期明けを待ち続け出所祝いに松子が差し出した薔薇の花束を投げ捨て、走り逃げ去った男だ。

松子は周りに好かれたが孤独な生涯だった。
同棲男(宮藤官九郎)には飛び込み自殺され、果ては教え子の龍(伊勢谷友介)にはズダズダにされた。

松子は沢村のもとで美容師として再起しようと決意した夜、中学生にバットで撲殺されるのは余りに皮肉だ。
筑後川に似た荒川の河川敷で、教師魂から夜遊びを注意した直後の出来事だ。
  


大勢の役者や歌い手が出演している。
木村カエラ、柴咲コウ、カンニング竹山、谷原章介、劇団ひとり、大久保佳代子、濱田マリ、武田真治、山田花子、あき竹城,土屋アンナ、AI、荒川良々、BONNIE PINK、角野卓造、キムラ緑子等々。ちょい役でも各々存在感は揺るぎない。


松子の子ども時代を演じた奧ノ矢佳奈さんと中谷さんの、
曲げて伸ばして」の歌声が耳に残る。



実はインド旅行を予定していた。
図書館でインド関係資料を検索、その時ヒットしたのが中谷さんの「インド旅行記」。
大いに参考になった。 



あれやこれやでひと月も経ってしまった。
当たり前の様な3人乗りオートバイ、幹線道路でも忽然と現れる牛、至るところで寝そべるか徘徊する野犬、土産物を買えと執拗に迫る子どもたち、屈託のない笑顔、丹精な小顔に黒い髭を蓄えた若者たち…、


若者が多くエネルギーが溢れている。
我が国の昭和を彷彿させた。




タージマハルに感動したのは言うまでもない。



少年と犬

2025-04-07 21:20:00 | 映画
馳星周ファンとしては、 
5年前の直木賞受賞はとても嬉しかった。
サイン会があれば出かけた思うが、2020年はコロナ禍で緊急事態宣言が発せられた年だった。東京オリンピックを延期せざるを得ない、とても難しい年だった。



ノワール作家と言われているわりには、穏やかな作品だなと印象をもった記憶がある。
馳さんの犬への愛情がひしひしと伝わり、ウルウルした記憶はあるのだが、内容はすっかり忘れていた。

映画化と知り、封切り20日を待っていたのだが年度最終日31日になってしまった。 
春休みのせいか、結構入りが良かった。

期待していたのが裏目にでたのか、何だか軸がはっきりせずバラバラだなとか、犬との対話が希薄だなという印象を持ってしまった。

何故か?場面展開で多聞が登場するが、和正(高橋文哉)と美羽(西野七瀬)が中心になっているからだ。二人は言葉で経緯や過去を話してくれるから、流れは理解出来るのだが、犬の多聞は喋れないのだ。
ならば道中のシーンをもっと入れてもらわないといかんのではないか。
5年かけて熊本まで行ったのだから。
かつ、熊本到着するなり地震なんだから。
可哀想な犬なんだ。

犯罪者がヒーロー、ヒロインになっているのはよくある話だから何とも言えないが、
仙台で窃盗団に加わった和正は罪悪感とか後悔とかない、能天気な人物として描いたのか?
アクションを起こしている意思というか動機づけが分からない。どうでもいいみたいにしか感じられない。
そんな男が多聞探しとか起こす筈ないと思うのだが。

まだ、滋賀の山中に死体を埋めた美羽の方が心の動きが多少なりとも訴えてくる。

人との交流というほど多聞を描いていない。日常的な遊びや戯れ、目線や間(ま)などを何故いれないのかな。
犬への愛がないヒトがつくってるなと感じてしまう。
都合的に登場してるって感じ。


も一つ、亡霊が熊本まで多聞を導くなんてのはどういうことなのか。理解に苦しむ。
美羽は亡くなった和正の亡霊と会話していたの?意味不明だ。何故だか分からない。

また和正は事故死のようだが、居眠り運転のトラックに追突されたということだが、訳分からない映像だった。
  
滋賀の山中で美羽(西野七瀬)は多聞に出会い、第二章のような感じで進む。
美羽の家族や恋人との関係の複雑さを描いているのだろうが。この辺ももう少し何とかならんもんか。
歌わせることなど、どうでもいい。


ラストシーン近くなり、塀の外に出た美羽は、バスの中で知り合った少女に説明して、エンディングに向かう。
ここで時間は何年か経ったことが分かる。服役していたのだろうから。



タイトルが「少年と犬」となっているが、「美羽の再生と和正の青春」を描いた。

オムニバスをどうやって繋いでいくか腐心したのだろうが、分からないところが多い作品だった。

帰宅して原作の目次を見たら、「男、泥棒、夫婦、娼婦、老人、少年と犬」となっていた。

いま、本映画の情報を集める意欲がわかない。初めてみたのかもしれない俳優、西野、高橋さんの今後に注目したい。  
嵐梨奈さんが出ていたが何の役だったのかな。

また、本の方を読み返してみようと思う。






「狗神」「山妣」坂東眞砂子さん

2025-04-04 23:40:00 | 日記
桐野夏生さんの対論集「発火点」で気になる作家や作品をメモっていた。
坂東眞砂子さんがとても気になっていた。直木賞作家とは名前を知っていても、ちゃんと読んだ作品はなかった。
とんでもない損失だと思っている。 




急がない本は出来るだけ図書館を活用している。ネット検索し予約。配達迄はしてくれないが、予約コーナーでセルフでちゃっちゃっと借りられて便利だ。




そう言えば、配達してくれる図書館の映画あった。「海すずめ」宇和島の図書館自転車課だ。武田梨奈主演、2016年公開。宇和島伊達400記念作品として制作されたらしい。たまたま観たのだが、母親役に岡田奈々さんが出ていた。発見だ。内藤剛志、吉行和子、宮本真希さんほか、芸人の小峠さんが編集者役でワンシーン出ていた。
小説家デビューするも雀(武田)は2作目が書けない。故郷宇和島に戻り図書館の自転車課勤務しながら頑張っているのだが、自転車課が廃課になりそう…。





坂東眞砂子さん「狗神」。
「狗神」は無茶苦茶面白く、大脳が活性化しその晩は入眠できなくなってしまった。坂東さんの作品は何故か映像的、しかも私にはカラーだ。

高知の山間部の閉鎖的な村の坊之宮家一族の悲劇、惨劇を描いた凄まじい作品だ。

坊之宮美希は41才。   
辛い過去に縛られ、村人からは「狗神筋」と忌嫌われながらも、和紙を漉き慎ましく暮らしている。
ある夏、地元中学に赴任してきた若い教師、晃と出逢ってから、想像もつかないドラマが展開することになるのだ。 

共通する思いからなのだろう、互いに惹かれ合うものを感じていた2人は、驟雨に見舞われ避難した杉の樹の空洞で本能的に幾度も交わる。「血」の悲劇が始まるのだ。

そのとき「狗神」がうごめきだす
村では怪奇現象が頻発するようになる。

ホラー、怪奇小説とか形容されるが、そんな表現では矮小化されかねない。土佐の犬神伝承をもとに、人間の本源的な性愛、邪悪、恐怖をたおやかに仕上げた見事な作品だ。

坂東さんは、冒頭から何か怪しいワールドをつくり、ラストに至るまでの伏線を張り巡らしている。緻密で美しい数式のような作品だと思う。


原作読んで暫くしてから映画化されていたことを知る。
原田眞人監督が2007年にカドカワで撮っていた。
映画やコンサートなど情報をもたず逃していたことが多い。何故か?振り返ると仕事漬けの時代だったからだと思う。尋常じゃない生活が長すぎた。時間や機会だけでなく健康まで失われたが、今生息しているから、良しとするしかない。


台詞と音響音のバランスが悪いのか、滑舌悪い役者がいるのか、聴きとれないシーンがあり、字幕がないのでヘッドホンを活用せざる得なかった。

映像は原作にかなり忠実だ。
とても美しく、哀しく切なく怖くてゾクゾクし得体の知れない興奮感を味わう。

ドローンがない時代の山林、山岳の空撮は見事、紙漉きは静謐でセクシー。
官能的で美しすぎる天海祐希さん。  

監督は渾身の力で創ったのだろう。 
やはり、公開時に劇場で観たかった。
ギリシャ神話的でも能舞台でもある。


暫くして、
坂東さんの自伝小説「わたし」を読む。日経新聞の誰かのコラムに引用されていた文章が頭に引っかかっていたからだ。
子どもの頃から家族がいてもしっくりこないで違和感を感じていた、と言う。違わず坂東さんらしいと思う。

ついでにGoogleで高知の斗賀野をみる、山の中だ。高校生が使う地図帳で高知をみてみる。結構、山だらけなんだと妙に納得する。
桐野さんとの対談は山奥、異境の地で行われた。



引き続き「山妣」(やまはは)を読む。
これまた凄い作品だ。この作品で直木賞受賞したのだ。坂東さんの余りある想像力、創作力、エネルギーに圧倒され打ちのめされた。

舞台は新潟、越後、これまた山岳地帯の山村、季節は厳しい冬を設定。

明治末期の越後。
浅草から招いた芸人、地主と小作人、傾城屋の遊女と鉱夫、マタギと様々なひとたちの生き様、人間模様がこれでもかと濃厚に描かれた。
人物の複雑な関係性が破綻することなく仕上げている。
 
恐ろしくても雄大な雪山の自然描写が素晴らしい。
山妣の血に塗られた過去、壮絶すきる生命力、瞽女の哀しく涙を誘う生涯、マタギの生き様も緻密に描かれた。

人間の業の深さをとことん追求し、愛憎うごめく妖しげで切ない描写は秀逸で、坂東さん一番の作品なのではないか。

予定調和でない展開にため息が出た。

越後、魚沼出身の親しい友人に会い話しをしたかったが、もういないのでとても残念だ。




坂東さんは、10年前に亡くなったことは知っていたが、55歳とは若すぎたし、その後の作品を読みたかった。

とはいえあれだけの作品を仕上げるのは相当なエネルギーを要するだろう。
命を縮めるに違いないと思ってしまう。


サイレントラブ

2025-04-01 15:00:00 | 映画
深夜に及びながらも最後まで観てしまった。純愛映画に思わずこころが洗われた感覚。
夜更かしは一向に改善しない。 

 

ケチをつけるところがないわけではないが、
綺麗なこころを描いていることには素直にイイじゃんと言いたい。
また音楽がとても良い。 


浜辺美波さんが、交通事故の後遺症で目が不自由になったピアノ科の音大生、美夏を演じる。
夢が途絶えそうになり屋上から飛び降りようとした美夏を助けた蒼(山田涼介)は、その後キャンパス内で美夏の姿を追うようになる。

白杖頼りの美夏は危なっかしい。蒼は障害物や人を整理し美夏を誘導する。蒼は大学施設の清掃員だ。

そんな日が続きある日、美夏は蒼に名前をきく。喋れない蒼は美夏の手に人差し指で書く。蒼は何故声を出せないのだろうか?
蒼青年の過去、高校時代の事件が原因だった。
 
流れやストーリーは分かりやすい。

「蒼さんもピアノ科ですか?」
蒼は否定しない。キャンパス内の建物、樹木を管理している清掃作業員だとは言えない。(雇い主でもある相棒を古田新吉が演じている。)



ある日、蒼は旧講堂でピアノを弾いている北村(野村周平)に声をかける。北村は有能なピアニストで音大の講師。蒼は彼に自分の身代わりを依頼する。蒼は音大生として美夏にピアノを聴かせたかったのだ。 
代行ピアノは一回5万円。
北村は裕福な家庭の出だが、違法カジノで借金が300万円を超えてる身。彼にはちょっとした小遣い稼ぎになるが、蒼は夜も働かざるえなくなる。
正直言ってこうまでするか?すぐにバレるだろう。ある意味緊張感もでてくる。

蒼と美夏に北村がかかわりドラマは展開していく。




蒼は壮絶な過去をもっていた。正義感ゆえなのだろうか殺傷事件を起こしていた。

台詞が少ないというより蒼は喋れないのだから、演技と映像で伝える演出をしなければならない。そういう意味ではきちんと創った作品だと思う。

蒼は夢を諦めない彼女に想いを静かに寄せていく。美夏は蒼がピアノ弾きではないことには気づいているのだが、気づかないふりでいる。ピアニストの手や指は繊細だから、触れただけで分かる筈だ。でも美夏にとって蒼は命の恩人、蒼の手は神の手。
傷ついた者同士のシンパシーという感覚はあると思う。
無償の愛や真心というものは、ことばでは表現できなくても相手に届くものだと信じたい。


蒼が北村に恐喝されていると勘違いした蒼の親友圭介(吉村界人)、カジノの半グレ連中に北村にヤキを入れるように依頼。

北村と美夏が拉致されてしまう。
北村はピアニストの命である手を潰されてしまう。
蒼の高校時代の流血事件も含め、残酷な暴力シーンはあまり観たくないのだが、
皮肉にも暴力、流血事件は、彼らの人生を左右する重要な位置づけになっている。

美夏は見えないながらも鉄パイプで北村を救おうとするが、殴打されたのは北村。
駆けつけた蒼は事態を即座に理解しパイプの美夏の指紋を拭き取る。蒼は罪を被り逮捕される。北村は手を失い、蒼は人生を失った。と美夏が嘆く。

ネタバレはここまでにしておこう。

美波さんの表情が硬いように感じたのは気のせいか。目が視えない役だからか。いや最初は障害を受け入れられない心理、ピアニストになる夢が怪しくなっていた状態を表現していたのだ。
蒼と出会い徐々に柔らかな表情を見せるようになる。なかなかの女優だと思う。

山田涼くんは上手いのか下手なのか分からないが、心の動きと葛藤を上手に表現していたと思う。最初は無気力な表情だったが、美夏に恋してから生き生きとしてくる。



北村はピアニスト生命を絶たれているのだと思うが、美夏の夢を叶えるため美夏のリサイタルをサポートする。
北村も美夏を愛しているが、蒼の気持ちも、美夏の蒼への想いを一番知っている男であり、本作品の劇的展開のキーパーソンになっている。
北村は性悪男かと思って観ていたが存外いいところがある奴だった。
演奏が終わり北村は美夏に蒼が出所したこと告げる。




美夏は逢いたい一心で蒼を探す。
横浜の港らしい。
「あおい」の名前を繰り返し尋ね歩く美夏。必死さが伝わってくる。あおいの名を知っている人は皆無。しかし近くに蒼がいた。

美夏は蒼の姿に気づき、駆け寄ろうとした時、トラックが迫っている。黙って潜めていた蒼は咄嗟に美夏を助ける、2人は泥水たまりのなか。
蒼は美夏のガムランボールを鳴らす。




シンプルな流れだったが、2人の恋はどう成就するのか最後まで観続けざるえなかった。

ラストは、冒頭の蒼が美夏の飛び降り自殺を救ったときと同じシーンだな、とすれば、2人は最初に出会ったときから運命づけられていたということなのだろう。





ショウタイムセブン

2025-02-14 15:00:00 | 映画
ピカデリー新宿からメンバーズカードの更新メールが届いていた。最後に観た「箱男」から5か月になるという。
ピカデリーは縦に長いビルのくせエレベーターが貧困、また男性トイレの個室が少ない。
だから横に長い東宝の方を贔屓にしてる。
 
阿部寛主演だから信頼して前情報なしで臨んだ。

報道番組「ショウタイム7」の人気キャスターとして活躍していた折本眞之介(阿部)は左遷されラジオ局に、ラジオだからかスーツ姿じゃないし髭も剃ってない。

ある日、番組の生放送中に爆破予告の脅迫電話を受けるが、折本は軽くあしらう。その直後に爆破テロ事件が発生。爆破の様子がスタジオからも見える。折本は相手から交渉役に指名され、キャリア復帰のチャンスと考え、プロデューサー・東海林(吉田鋼太郎)を説得して生放送中のショウタイム7に乗り込む。
自らがキャスターとして犯人との通話の生中継をはじめる。
この辺までは、テンポよくワクワク感があったのだが。 





中盤、後半に進むほどコチラは次第に弛緩してくる。

テロの目的や動機は?
総理を呼び出し、政府と企業、テレビ局の癒着を明らかにする。折本と話したかった?が通俗、イージーではないか。陳腐だ、かと言って文芸的でもない。
心に響いてくるものがない。

終わった、デジャヴ。見せもの小屋から出ていくときの心持ちに似てる。封切り3日目、結構座席は埋まっていたが、高揚感は伝わってこない。
もしかしてコメディだったのかと失笑。

今どき、ワイドショーみたいな報道番組を誰が真面目にみてると思っているのか?青ボタン赤ボタン押してアンケートとか、20年前なら通用するかもしれないが。

テレビには不信感しかないのだから。
つくった方は業界にいてセンスないのかな?と思ってしまう。

助演役者に、吉田鋼太郎、平田満、安藤玉恵さんなど充実しているのだが。
俳優陣に同情してしまう。
もしかしたら舞台ならいい作品に仕上がったかもしれない。




役者に喋らせ過ぎだ。
挙句、2時間TVドラマの、刑事と犯人役が事件を説明するのと同じパターンをとる。

かつラストの方で重要だろうやり取りで、犯人役は台詞を噛んだ。

監督はNHK朝ドラ「まれ」をつくったひとだと、後から知る。じゃしょうがないや。だ。
韓国映画のリメイクとはいえ、
お騒がせいたしましたという感じ。

TVはオールドメディアだしね。 


先月末、夕飯の調理をしながらフジTVの記者会見をつけっぱなしにしていた。
日枝氏の家来たちの茶番がいまだ頭から離れないまま。遠藤周作の息子さんがいた。


「異動辞令は音楽隊!」の方が遥かにいい作品だった。




竜星涼、生見愛瑠、井川遥はよかったと思う。
救いはパフュームの演奏ダンスの映像。