俳句大学国際俳句学部よりお知らせ!
〜Facebook「Haiku Column」〜
☆【俳句界】2022年12月号☆
◆俳句総合誌『俳句界』2022年12月号が発行されました。
◆俳句大学 〔Haiku Column〕のHAIKUから選句・選評した句を掲載しています。また、「俳句界」2019年1月号から毎月連載しています。
※ 2021年の『俳句界』10月号から、優秀な作品が揃って来ましたので、1ページ増えて、3ページに渡って掲載しました。
◆R 2・12月号から作者の国名を入れています。人種、国籍を問わず投句を受け入れていることから、その「人道主義的」スタンスが広く支持されています。
◆ 向瀬美音氏は日本語訳の改善に着手している。五七五の17音の和訳は、HAIKUをただ端に日本の俳句の五七五の17音にしただけではなく、原句のHAIKUの真価を再現するものであり、国際俳句の定型化に一歩近づくための有効な手立てであることを強調しておきたい。
◆例えば、ある日本の国際俳句大会で「飢えた難民の/前に口元に差し出す/マイクロフォン一本」のような三行書きにしただけで散文的な国際俳句が大会大賞、或いはある国際俳句協会のコンクールで「古い振り子時計―/蜘蛛の巣だらけになっている/祖父のおとぎ話」のような切れがあっても三段切れで冗漫な国際俳句が特選を受賞しているように、三行書きの国際俳句が標準になっていることに危惧を覚えて、俳句の本質かつ型である「切れ」と「取り合わせ」を取り入れた二行俳句を提唱して行きます。
◆2017年7月にフランス語圏、イタリア語圏、英語圏の55人が参加する機関紙「HAIKU」を発行しました。12月20日発行の2号では91人が参加しました。また、5月31日発行の3号では96人が参加し、320ページを数えます。さらに、12月26日発行の4号では112人が参加し、500ページを数えます。そして5号では150人が参加して、550ページを越えて、8月1日に出版しました。そして、6号を2020年12月に出版しました。また、2020年3月1日には「国際歳時記」の第1段として【春】、2022年6月には【冬・新年】を出版しました。「HAIKU」6号と「歳時記」春・冬・新年は原句の内容を損なうことなく五七五に訳出しています。
◆総合俳句雑誌「俳句界」2118年12月号(文學の森)の特集に「〔Haiku Column〕の取り組み」について」が3頁に渡って書いています。
◆「華文俳句」に於いては、華文二行俳句コンテストを行い、華文圏に広がりを見せて、遂に、2018年11月1日にニ行俳句の合同句集『華文俳句選』が発行されました。
◆ 二行俳句の個人句集では、洪郁芬氏が『渺光乃律』(2019、10)を〔華文俳句叢書1〕として、郭至卿氏が『凝光初現』(2019、10)を〔華文俳句叢書2〕として、次々に刊行している。さらに、全季節を網羅した「華文俳句歳事記」が2020年11月には刊行されて、これで季重なりの問題が解消されるでしょう。
◆さらに、2020年1月からは月刊『俳句界』に「華文俳句」の秀句を連載している。
◆『俳句界』2020年3月号の特別レポートにおいて、熊本大学で行われたラウンドテーブル「華文俳句の可能性」の報告が8頁に渡って掲載されました。
◆どうぞご理解ご支援をお願いします。
The December issue of 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haiku Colum of Haiku University [Monthly best Haikus]〜
◆the December issue of HAIKUKAI俳句界 has just been published.
◆It contains the best haikus of the month selected by M. Nagata.
◆according to the plan, we will continue to publish 2 lines haikus with kire and toriawase.
Décembre aout de 「HAIKUKAI俳句界」!
〜Haikus du mois de Haiku Colum de Haiku Universite〜
◆ Décembre aout de HAIKUKAI俳句界 vient d'etre publie.
◆il contient les meilleurs haikus du mois selectionnes par M. Nagata.
◆Selon ce plan nous allons continuer a publier des haikus en deux lignes avec kire et toriawase.
永田満徳選評・向瀬美音選訳(仏・伊)・中野千秋訳(英)
【今月の秀句(monthly excellent Haikus)】
(Facebook「Haiku Column」より)
ポール カルス(マルタ)
●
朝顔やまたの日の出に感謝して
〔永田満徳評〕
「朝顔」はその名の通り、朝開く花。早朝に可憐な花を咲かせ、昼過ぎには萎んでしまう。朝顔が「日の出」を感謝している一物仕立ての句とも、朝顔が咲いているそばで、早朝に起きた作者が朝日に感謝している二物仕立ての句とも読み取れる。いずれにしても、暑さも和らぎ、晴天が続く初秋という気候の雰囲気をうまく表現している。
Paul Callus(Malta)
●
morning glory -
thankful for yet another sunrise
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
As the name suggests, 'morning glories' are flowers that open in the morning. They bloom prettily in the early morning and wilt in the late afternoon. The haiku can be read either as a one-article haiku in which the morning glory gives thanks for the 'sunrise', or as a two-article haiku in which the author, who wakes up early in the morning beside the morning glory blooming, gives thanks for the morning sun. Either way, it well expresses the atmosphere of the weather in early autumn, when the heat eases and the weather remains sunny.
アンジェラ ジオルダーノ(イタリア)
●
蟋蟀の声柔らかくなるしじま
〔永田満徳評〕
「蟋蟀」はコオロギ科の虫の総称で、秋に鳴く虫の代表格。昼間は草の下や人家の近くにひそみ、夜になるとしきりに鳴く。一匹か、二匹であろうか、蟋蟀の鳴き「声」が「柔らかく」聞こえるくらい静かだということ。松尾芭蕉の〈古池や蛙飛びこむ水の音〉の句意と同じく、物音によって、かえって「しじま」が生まれる現象をよく捉えている。
Angela Giordano(Italy)
●
il canto del grillo sempre più lieve
quiete autunnale
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
'Cricket' is a generic name for an insect, representative of the insects that chirp in autumn. During the day they lurk under the grass or near people's houses, but at night they chirp frequently. The 'voice' of one or two cricket is so quiet that it can be heard 'softly'. Like Matsuo Basho's phrase 'the sound of the water as a frog jumps into an old pond', the phenomenon of a 'stillness' being created by the sound of things is well captured.
ザンザミ イスマイル(インドネシア)
●
収穫後の田んぼ案山子の孤独かな
〔永田満徳評〕
田打、田植、稲刈といった稲作に関わる一連の作業が済んだ「田んぼ」に、鳥から稲を守るために立てられた「案山子」がぽつんと残っている情景。そこには一仕事を終えた案山子の充実感とともに、「孤独」感が描かれている。この案山子の姿は事を成し遂げた人間の晩年の有様と置き換えてみると、じつに深い感銘を覚える句となる。
Zamzami Ismail(Indonesia)
●
o fields resting after harvest
scarecrow's loneliness
〔Commented by Mitsunori Nagata〕
In the rice paddies, where a series of tasks related to rice cultivation, such as rice striking, rice planting and harvesting, a scarecrow, which was erected to protect the rice from birds, remains alone. The scene depicts a sense of fulfilment as well as a sense of 'loneliness' for the scarecrow, which has completed its work. If the image of the scarecrow is replaced by that of a person in the later years of life who has achieved something, the haiku is deeply moving.
【今月の季語(Kigo of this month】
(Facebook「Haiku Column」より)
【 秋の声 あきのこえ akinokoe / autumn voice / voix d'automne 】
フテン フルティ(チュニジア)
●
秋の声やや黄ばみたる詩の手帳
Feten Fourti(Tunisia)
●
voix d automne
une feuille de mon carnet de poésie jaunit un peu
※
アブダラ ハジイ(モロッコ)
●
猫鳴きて窓辺に秋の声ありぬ
Abdallah Hajji(Morocco)
●
miaulement du chat
à la fenêtre voix d'automne
【 秋の雷 あきのらい akinorai / lihtning / eclairs 】
ジオバンナ ジオイア(イタリア)
●
秋の雷人形を撫でてゐたりけり
Giovanna Gioia(Italy)
●
tuoni d'autunno -
accarezzo la mia bambola
※
パトリチア カバローネ(イタリア)
●
秋の雷高鳴る鼓動おさまらず
Patrizia Cavallone(Italy)
●
tuoni in autunno -
i battiti del cuore sono assordanti
【 露 つゆ tsuyu / dew, dew drop / rosée 】
イン イスマイル(インドネシア)
●
露の玉母が最後の言葉かな
In Ismael(Indonesia)
●
dew drops
last message from my mom
※
ミケレ ポキエロ(イタリア)
●
子供らが飛べば芝生の露も飛ぶ
Michele Pochiero (Italy)
●
un bimbo salta-
schizza fresca rugiada tra l'erba fitta
【 流れ星 ながれぼし nagareboshi / shooting star / étoile filante 】
ジョーノ ファディ(インドネシア)
●
それぞれの人に意味あり流れ星
Jono Fadli(Indonesia)
●
each person gives their own meaning
shooting star
※
アリアニ ユハナ(インドネシア)
●
流星や平和への道切望す
Ariani Yuhana(Indonesia)
●
shooting star
strong desire to reach peaceful target
【 台風 たいふう taifu / typhoon / typhon 】
ガブリエラ デ マシ (イタリア)
●
台風や泥と涙の混じりたる
Gabriella De Masi(Italy)
●
tifone-
il fango misto alle lacrime
※
アリアニ ユハナ(インドネシア)
●
大国の成すべきことや台風来
Ariani Yuhana(Indonesia)
●
typhoon
US must be responsible upon European
【 新酒 しんしゅ shinshu / new sake / sake nouveau 】
バーバラ オルムタック(オランダ)
●
新酒酌むひと口ずつに癒す過去
barbara olmtak(Holland)
●
sip by sip addressing past mistakes
new sake
※
フランソワーズ マリー チュイリ(フランス)
●
新走り漱石句集読んでみる
Françoise Marie Thuillier(France)
●
le sake nouveau -
un recueil de Sôseki m'enivre
【 村芝居 むらしばい murasibai / village theater / theatre villageois 】
ナニ マリアニ(オーストラリア)
●
村芝居地元野菜の売られたる
Nani Mariani(Australia)
●
village theater
farmer's vegetables are very fresh and cheap
※
キム オルムタック ゴメス(オランダ)
●
俳優を乗せたトラック村芝居
Kim Olmtak Gomes(Holland)
●
village theatre
the truck with actors moves on
【 渡り鳥 わたりどり wataridori / migratory bird / oiseau migrateur 】
カディジャ エル ブルカディ(チュニジア)
●
渡り鳥夢に国境なかりけり
Khadija El Bourkadi(Morocco)
●
vol d'oiseaux migrateurs
le rêve n'a pas de frontiéres
※
ラシダ ジェルビ(チュニジア)
●
渡り鳥風は飛翔を告げにけり
Rachida Jerbi(Tunisia)
●
le vent lui apprend à voler~
oisillon migrateur
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます