☆ 第5回 俳句大学三賞発表 ☆
【第5回 俳句大学大賞】
抜井諒一『金色』(角川文化振興財団)令和3年8月
※彗星の如く俳壇に現れた抜井諒一氏は群馬県生まれ。私と同郷である。彼の師山本素竹氏とも旧知の仲だ。抜井氏の才能は、山本氏の「自然凝視による直感の発露」を旨とする俳句の薫陶によって開花したと言ってよもい。本句集は、抜井氏の感性の煌めきを感じつつ、彼の作品の魅力を余す所なく味わえる一書である。(木暮陶句郎)
「第5回 俳句大学大賞准賞」
金子敦『シーグラス』(ふらんす堂)令和3年4月
※ 金子敦さんの『シーグラス』は、小さなもの、役割を終えたもの、人が注目しないものに作者の細やかな視線がそそがれている句集である。伝えたいことをそのようなモノに託し、表現を抑制する書き方によって、読み手とつながろうとする。そんな金子さんの静かな息づかいを聴き取ることができる。(岡田耕治)
選考委員 : 岡田耕治 (大阪教育大学特任教授・「香天」代表) 、木暮陶句郎 (「ひろそ火」主宰) 、五島高資 (俳句大学副学長) 、斎藤信義 (「俳句寺子屋」主宰) 、仲寒蟬(「牧」代表)、永田満徳 (俳句大学学長)
【第5回 俳句大学新人賞】
該当者なし
「第5回俳句大学新人賞准賞」
「手花火」大工原一彦
※「手花火の果てて宇宙の戻りけり」が最初に目に飛び込んできた。花火が終われば暗闇が戻るが、それを宇宙と表現されたのが面白い。「盆帰省歯ブラシ立てに空きふたつ」のような目の前の現実を切り取られた句には実感が伴う。現代的な対象物をカタカナで詠んでいくのは減らす方がいいが、どれも今のご自身の置かれた環境をありありと描いている。(辻村麻乃)
選考委員 : 大高翔 (「藍花」副主宰) 、五島高資、仙田洋子(「天為」同人)、辻村麻乃 (「篠」主宰) 、永田満徳、松野苑子(「街」同人会長)
【第5回 俳句大学評論賞】
該当者なし
選考委員 : 井上泰至 (防衛大学校教授) 、加藤直克(自治医科大学名誉教授)、五島高資、永田満徳
【選考資料】
「第5回俳句大学大賞候補」
【岡田耕治】
永田満徳『肥後の城』(文學の森)令和3年9月
塩見恵介『隣の駅が見える駅』(朔出版)令和3年5月
金子敦『シーグラス』(ふらんす堂)令和3年4月
【木暮陶句郎】
抜井諒一『金色』(角川文化振興財団)令和3年8月
西宮舞『鼓動』(ふらんす堂)令和3年2月
若井新一『風雪』(角川文化振興財団)令和3年5月
【五島高資】
永田満徳『肥後の城』(文學の森)令和3年9月
松本龍子『龗神』(現代俳句協会)令和3年5月
成田一子『トマトの花』(朔出版)令和3年10月
【斎藤信義】
遠藤由樹子『寝息と梟』(朔出版)令和3年5月
岩岡中正『文事』(朔出版)令和3年10月
井上弘美『夜須礼』(角川文化振興財団)令和3年4月
【仲寒蟬】
抜井諒一『金色』(角川文化振興財団)令和3年8月
佐藤文香『菊は雪』(左右社)令和3年6月
塩見恵介『隣の駅が見える駅』(朔出版)令和3年5月
【永田満徳】
金子敦『シーグラス』(ふらんす堂)令和3年4月
涌羅由美『音色』(ふらんす堂)令和3年3月
遠藤由樹子『寝息と梟』(朔出版)令和3年5月
※『肥後の城』は選考委員の句集のために、選考の対象から外します。よって、順位は繰り上げとなります。
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