2018年09月14日
~5月27日の日記より~
昼過ぎ、ハーバーランドの書店までマンガを買いに行く。「スーパーカブ」。
60も半ば近くなってマンガでもあるまい。それも女の子が主人公のマンガだ。
・・・・と言いながら、先日来「からかい上手の高木さん」、スピンオフも含めて全部買ってたんだった。
酒代節約して、だから我ながら「ジイさん、何やってんの」と思う。
やっと見つけてすぐ帰宅。酒の肴を準備して、早速マンガを読み始める。
ネットの立ち読みでいくらか読んでいたんだけど改めて読むと、つい涙ぐんでしまう。
早くに父親に死なれ、高校入学後すぐに今度は母親に捨てられる(母親が出奔。失踪、だな)。
昼過ぎ、ハーバーランドの書店までマンガを買いに行く。「スーパーカブ」。
60も半ば近くなってマンガでもあるまい。それも女の子が主人公のマンガだ。
・・・・と言いながら、先日来「からかい上手の高木さん」、スピンオフも含めて全部買ってたんだった。
酒代節約して、だから我ながら「ジイさん、何やってんの」と思う。
やっと見つけてすぐ帰宅。酒の肴を準備して、早速マンガを読み始める。
ネットの立ち読みでいくらか読んでいたんだけど改めて読むと、つい涙ぐんでしまう。
早くに父親に死なれ、高校入学後すぐに今度は母親に捨てられる(母親が出奔。失踪、だな)。
天涯孤独となった高1の女の子が奨学金だけを頼りに独り暮らしをしている。・・・なんて、まずありえない設定で、その奨学金だって母親がいなくなってから一人で手続きを、なんて。
更にはいわく付きのカブを一万円で手に入れる、という全くあり得ない設定。
あり得ない!・・・・のだけど、カブに乗り始めて人生が変わり始める、というのは妙に納得できる。何だか「分かる分かる。高校生ならなおさらのことだろう」と、うなずいてしまう。
更にはいわく付きのカブを一万円で手に入れる、という全くあり得ない設定。
あり得ない!・・・・のだけど、カブに乗り始めて人生が変わり始める、というのは妙に納得できる。何だか「分かる分かる。高校生ならなおさらのことだろう」と、うなずいてしまう。
「これは『カブあるある』だ」という書評を目にしたけど、なるほど、早速共感してしまっている。
実際、自分自身、30半ばでバイクに乗らざるを得ない羽目にならなかったら、40前に退職してどこかで野垂れ死にしていたかも、と思ったことは何度もある。
「何のために生きる」「世の中に必要とされていないのでは」「自分とは何者なのか」「自分探しを」、・・・なんて。
実際、自分自身、30半ばでバイクに乗らざるを得ない羽目にならなかったら、40前に退職してどこかで野垂れ死にしていたかも、と思ったことは何度もある。
「何のために生きる」「世の中に必要とされていないのでは」「自分とは何者なのか」「自分探しを」、・・・なんて。
バイクに乗り始めたら、毎日が妙に生き生きし始めて、そんなことどうでもいいように思えてきた。バイクに乗ってそんなこと考えてたら、速攻、あの世行きだ。
コーナーを思い描いた通りに曲がる。突然、想像以上の景色の中に飛び込む。そんな時に味わった感覚は、五里霧中の思惟より確かな将来を見せてくれる。
マンガはすぐに読み終わった。
小説に比べ、絵の情報量は数倍。でも、このマンガ、小説があって書かれているわけだ。話の続きを知るには小説を読むしかない。
3巻まで出ているようだが、おそらくマンガは一巻の半分か三分の一しか描かれてないだろう。
う~ん。買うかな。酒代節約して。
コーナーを思い描いた通りに曲がる。突然、想像以上の景色の中に飛び込む。そんな時に味わった感覚は、五里霧中の思惟より確かな将来を見せてくれる。
マンガはすぐに読み終わった。
小説に比べ、絵の情報量は数倍。でも、このマンガ、小説があって書かれているわけだ。話の続きを知るには小説を読むしかない。
3巻まで出ているようだが、おそらくマンガは一巻の半分か三分の一しか描かれてないだろう。
う~ん。買うかな。酒代節約して。
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2018年09月15日
~5月28日の日記より~
「酒代節約」できるかどうかは別にして、とにかくマンガの二巻が出るまで待っている忍耐力はないから、翌日本を買いに行った。ハーバーランドは遠いから、今度は近くの書店へ。
文庫本の棚を見るが、それらしい本はない。もしかしたら普通の文庫本の棚にはないのかも。
「ラノベ」なんて言葉、知らなかった。
文庫本の棚を見るが、それらしい本はない。もしかしたら普通の文庫本の棚にはないのかも。
「ラノベ」なんて言葉、知らなかった。
あの「スーパーカブ」という本はその「ラノベ」というやつなんだという。言葉そのものは耳にはしていたけど、何のことやらさっぱりわからなかった。
ネットで見たら「ライトノベルス」の略、だそうだ。文字通り、「軽い読み物」、だ。ならば、文庫本の棚にはないということか?もしかしてマンガの棚にあるのか?
見つけた。
マンガと違って封をしてないから、十数年来の老眼、眉間に縦じわを寄せ、糸のように細めた目でパラパラと。
マンガの完成度は高いけど、一巻の半分も描かれてはいない。この分では一巻だけでもマンガにすれば3、4冊になる。全部出揃うのは数年後。生きていられるかどうか分からない。それ以前に、そんな辛抱できるほど老人は気長ではない。
見つけた。
マンガと違って封をしてないから、十数年来の老眼、眉間に縦じわを寄せ、糸のように細めた目でパラパラと。
マンガの完成度は高いけど、一巻の半分も描かれてはいない。この分では一巻だけでもマンガにすれば3、4冊になる。全部出揃うのは数年後。生きていられるかどうか分からない。それ以前に、そんな辛抱できるほど老人は気長ではない。
三巻買ってきた。酒は辛抱して、「ベーコンとしめじのパスタ」200グラムを食べながら読み始めた。
いくつもの話をつなぎ合わせたものだというのは、作者のあとがきで納得した。
主人公が僅か数ヶ月で、十年以上バイクに乗って来た者と同じくらいの感覚、考え、技量等を持ってしまう、なんてことはあり得ない。(第一巻はカブを手に入れた高校2年の初夏から秋まで)
それが両親もない、親しい友人の一人もいない、趣味のようなものも全く持ってない地味で目立たない女の子が、突然に
「あんなのがあったら便利だろうな」
と、通勤時のサラリーマンが乗るスクーターを見て思う。そして何の思い入れもないまま、「カブを買いました」、となる。やっぱりあり得ない。
けど、全く目立たない人間として生きてきた一人の女の子が、カブと出会ったことで自らも気づかないうちにどんどん変わっていき、強い存在感を放つようになる、なんてこと、カブならある、いや、カブだからこそ本当にあるかもしれない、と思うんじゃないか、バイク乗りは。
いくつもの話をつなぎ合わせたものだというのは、作者のあとがきで納得した。
主人公が僅か数ヶ月で、十年以上バイクに乗って来た者と同じくらいの感覚、考え、技量等を持ってしまう、なんてことはあり得ない。(第一巻はカブを手に入れた高校2年の初夏から秋まで)
それが両親もない、親しい友人の一人もいない、趣味のようなものも全く持ってない地味で目立たない女の子が、突然に
「あんなのがあったら便利だろうな」
と、通勤時のサラリーマンが乗るスクーターを見て思う。そして何の思い入れもないまま、「カブを買いました」、となる。やっぱりあり得ない。
けど、全く目立たない人間として生きてきた一人の女の子が、カブと出会ったことで自らも気づかないうちにどんどん変わっていき、強い存在感を放つようになる、なんてこと、カブならある、いや、カブだからこそ本当にあるかもしれない、と思うんじゃないか、バイク乗りは。
他のバイクじゃない。カブだから。