出口の見えないうつ病との闘い

うつ病と闘って約5年、闘病生活を綴ります

ボクシングトレーナー

2019-10-21 01:10:58 | 日記
来月、私が通っているボクシングジムで、近隣のボクシングジムが集まってジム対抗戦のスパーリング大会があります。

その日は私の妹の結婚式に出席するため、スパーリング大会には出られないのですが、21歳のプロボクサーを目指す大学生の指導を頼まれています。前回のスパーリング大会では惜しくも負けているので、勝てるようにしてやってほしいとの会長からのご依頼。

私が重要視しているのは「遊び心」です。

会長が重要視しているのは「教科書通り」です。

21歳の少年は是が非でも私にコーチをやってもらいたいと言って頭を下げて来ました。

会長は好きに教えてやってくれ、とのこと。今日でその少年を教えるのは5回目でした。

会長は元プロボクサー、会長と同じことを教えても意味がありません。

会長が普段教えている技術とは全く違うことを教えています。

その典型が、バチバチのスパーリングはしないこと、です。

スパーリング大会は3分2ラウンド、プロボクサーも最初は3分4ラウンドです。

スパーリング大会に出場させるのに、スパーリングをさせないのは変と思うかもしれませんが、バチバチのスパーリングの代わりに、遊びスパーリングをやります。

お互いに当たっても痛くない位のパンチ力で、その代わりに8ラウンドくらいやります。

その8ラウンドで、遊び心満載のパンチや防御、様々なジャブ、様々なコンビネーションを試してもらっています。

私のベースはキックボクシングなので、キックボクシング特有のパンチの打ち方を伝授し、実践で試せるか調整してもらっています。



試合となればまさに「死合」なのですが、その中でもいかに余裕を持って戦うか、これがとても重要です。

そのために必要なのは私は「遊び心」だと考えています。

例えばフロイド・メイウェザー。彼の防御は特殊です。絶対に普通のボクシングジムでは教えない避け方でパンチを避けます。

日本人で言えばやはり井上尚弥でしょうか、彼の場合は引き出しが多いのではなく、1つの引き出しが大きいと表現するのが適切かもしれません。

二人に共通しているのはどちらも「心の余裕」そして「遊び心」だと考えます。


これらをどうやって身に付けるのか、私は「遊び」だと考えます。

例えば子ども遊びの定番である鬼ごっこ。鬼ごっこには非常に重要な強くなるための要素がたくさん詰まっているのです。鬼からタッチされないようにお腹を引いたり、スルッと回ったり、鬼は鬼でどうやったら避けられずにタッチできるか考えます。

この駆け引き、実はボクシングやキックボクシングなど打撃格闘技には非常に有効です。

鬼ごっこで鬼がするタッチをパンチやキックに置き換え、逃げる側がする避けかたをディフェンスに置き換えると非常によくわかります。

鬼ごっこの次にはドッヂボール、これも同じですね。足を目掛けてボールを投げようと見せかけて顔面を目掛けてボールを投げる、こういうフェイントを交えた遊び心が格闘技に繋がるのです。

バチバチのスパーリングは私よりも若くてイケイケの子とやればいい、私は私で会長とは違う角度で21歳のプロボクサーを目指す少年を鍛えてみようと思っています。