走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

医療の未来

2017年05月31日 | 仕事
最近ツイッターのアカウントで日本のNP学生さんと絡むようになってずっと書き続けてきたシリーズもの。今日が最終回。

何を一番言いたいかと言うと、新職種NPを含む看護師活動の拡大に欠かせないものは3本柱。

看護師の水準を保つ団体 (免許発行に関わるから、看護協会)
看護師の教育を担い研究を通して看護の可能性を探求する団体 (大学と大学院)
看護師の声を政治に反映でき、他と交渉できる団体 (看護連盟)

この3つそれぞれが自の団体を強化し、団体同士が連携して前進を続けることです。

ツイッターで盛り上がったのは医師法による医療のモノポリー。

BC州でNPの前進を妨げているのは医師による厚生省のモノポリーの為です。厚生省で働く政治家が医師で固められているのです。数年前に看護師が入りましたがいつの間にかはじき出される事態に、、、。現在の州の医療費は州全体予算の50%を占めこのままでは100%使用しても足らない状態がやってきます。医療費を抑えることに躍起になる一方、医師に対する予算は減るどころかうなぎのぼりです。貢いでも貢いでも医療の質(測り方は色々ありますが)は向上せず悪循環が起こっている。まさに焼け石に水状態。医師に頼りきりでは医療は成り立たないことが明らかになっているにも関わらずです。単純な例をあげるなら、病院で働く新人NPと研修期間を終えた新人医師の給料の違いは1:3です。NPは医師のように地域で開業できないシステム。5分診療でただ患者を診るだけで患者を病院から遠ざける(一番医療費が使われている部門)時代はとっくの昔に終わったのに政治が動かないのはなぜでしょう?

外から(海外から)見て日本の医療がビジネスモデルに見えてしまうのは私だけでしょうか?時代が変わったにも関わらず医師法、保健師助産師看護師法にしがみつき将来のビジョンが持てないのは目先の収益や自分の地位の確保にとらわれているからではないのでしょうか?過疎化、無医村化、高齢化、少子化どこをどうみたって将来の雲行きが怪しい日本。そしてGDPの低下。医療費の個人負担を増加するだけでは対応できないし、アメリカのように貧しいが故医療を受けられない日本人が増加することを予測しなかったと将来言い訳をするつもりなのでしょうか?それとも良い仕事に就けなかった(収入や貯蓄が低い)個人のせいに政府はするのでしょうか?

医療に関わる法律のあり方が健康や医療システムに与えているかを学術的に語れる看護博士がいればそれを元に政治家や法律家が動くことができるのです。そういう根っこからの連続的な活動が将来を変えていくのです。偏った職種のための医療ではなく国民の健康のための医療を。それは日本もカナダも同じです。

終わり

このシリーズ5月15日付の看護の団体から始まっています。



左手にスタンレーパーク右手にウエストバンクーバー。初めて北と南を結んだライオンズゲートブリッジは1938年に完成、開通しました。

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