走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

思い込み2

2016年04月03日 | 仕事
帯状疱疹をどうにかしてくれと彼は言う。
半月前に8ヶ月間の刑務所生活を終えて出所、そしてそのままホームレスの彼。

問診をとると帯状疱疹が出たのは8ヶ月前。刑務所にいる時だ。医師に診察してもらい様々な塗り薬を使ってみたが良くならない。身体中に出ているんだと、、、、

んんんんー この時点で帯状疱疹はアウト。

問診と診察を終えての診断は乾癬。それから手はあかぎれから軽い感染。

乾癬はその程度にもよるけれど、躊躇せずガーンと濃度の高いステロイドのクリームを使うのが一番。それでも良くならない時は専門家に早く診てもらう。グズグズしていると難治になります。

帯状疱疹と乾癬の違いを説明して、彼は納得したよう。何でも刑務所で見てくれた医師が帯状疱疹だと言ったから、ずっとそう思ってたと。しかし治療内容を聞いたって、それは帯状疱疹の治療では無いよ、、、、絶対聞き間違い、、、、思い込みだよ、、、、



記録的な暖かさが続いている。春の陽気に誘われて今年初めてのビーチピクニックに行きました。日が落ちだすとあっという間に寒くなったけど綺麗な夕日が見れて満足。引き潮で干潟を歩く人たちが多くいました。

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2 コメント

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こんばんは (のびた)
2016-04-03 22:46:47
ホームレスでもこうして診療などの道があるのですね
私の住む街にもホームレスが居ますが病気になったらどうするのだろうと心配しています
看護師さんの仕事の領域って広いものだと改めて認識しました
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のびたさんへ (美加)
2016-04-04 05:09:04
ホームレスは診療を拒否をされることがあります。保険がなくて診療報酬が貰えないからとか。しかしホームレスだからと言っても人間です。基本的人権に沿い医療を受ける権利があります。私は医師と違い給与制なので保険の有無に関係なく診療が出来るのです。何度も書きますがホームレスは個人問題ではなく社会問題です。日本もそういう方向に動いて欲しいものです。
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