走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

経済的救済

2020年03月30日 | 仕事

昨日書いたフィジカルディスタンスを2m保ち外出自粛を発表する前にカナダの首相は経済的救済について発表しました。私はこの順番はとても意味のある重要な事だと思います。なぜなら、その言葉を聞かなければ外出自粛の規制が成功しないからです。

3週間前は新型肺炎が北米にチラホラ出だしていた頃で景気の落ち込みが懸念されていました。株価も暴落していたので。それらを食い止めるためにも首相の言葉は重要でした。アメリカも同様に行ったので株価の下落はなんとか食い止めることができました。と、これは経済全体の話(マクロ的)。ではミクロ的、つまり国民一人ひとりはどうでしょうか?様々なビジネスの営業が禁止となったので、解雇が増えます。倒産も増えます。明日を食いつなげない人が増えます。失業保険を持っている人はまだ良いですが、労働層にはそれもない日雇いも大勢います。そのような人は外出自粛を守らず仕事へ行く可能性が強くあります。仕事に行けない、もしくはビジネスの倒産で収入がなく光熱費、家賃、食料費が払えなくなる人口がどれぐらいいるのか?生活がかかっているんです。感染を広めてしまうとわかっていても守らない人が出てくるのは当然です。だからそれらの人へ給付金を出す宣言が必要だったのです。もう一つ。病気休暇がない労働者、例えば日雇いならば休んだら収入がない。だから少々の風邪症状があっても仕事へ行く。もしこの人が新型肺炎陽性でも軽症状の人ならば、仕事場へ行く道で、職場で感染者を増やす事になります。このような人たちが安心して休めるように救済は必要なのです。

具体的な方法は提示されていないものがほとんですが、その経済的救済の詳細はここから閲覧できます。沢山ありすぎて日本語に訳するのが大変すぎるので、重要なものをざっと書くと、、、

雇用保険がない人への給付金
確定申告の延期
失業保険や病気休暇は3週間以上でなければならなかったのが1週目から給付が行われるようになった
税金の対象額の変更
6ヶ月間学生ローンを利子なしに変更

ビジネスや農業に対しても税率の変更や延期、従業員の解雇、倒産に繋がらないように経済的救済をあげています。

これらを受けて銀行は利率を下げています。この3週間で合計1%利率が下がりました。住宅ローンやビジネスローンを持っている人には朗報です。

しかしここまでしても、これだけでは足りない、と学識者から声が上がり、この3週間で内容は追加されて今のリストになっています。これはこれからも増えると思います。それほど安定収入のない労働層や小さなビジネスをしている会社にとっては感染症のパンデミックの政策による影響は深刻な状態なのです。

国だけではなく州も対策を考えます。BC州ではパンデミックの間で賃貸支払い滞納による強制退去を禁止しました。

国民を統制するための経済的救済。日本も自宅自粛を国民に課すのであれば真摯に取り組んでもらいたい内容です。





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