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走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

一歩進んで二歩下がる

2015年01月13日 | 仕事
ラリーの指の火傷は回復に向かっていた。幸いにも骨は炎症を起こしておらず、抗生剤を2種類40日間飲むように言われ、シェルターにいるおかげで足が濡れることもなかった。彼の前編はこちらから。

毎日のドレッシングチェンジから週3日へ変更。足の変形も進むことなくこれは良い傾向。鬱剤を服用し出してから落ち着いてきたし、、、と思っていた。

しかし年末に警察から電話をもらう。シェルターを追い出された腹いせに建物に火をつけようとして警察沙汰へ、、、、本人は放火を否認し、寒かったから暖を取ろうとしただけと主張。そして彼はシェルターへ3ヶ月間出入り禁止の身となる。一時は隣町のシェルターへいたが同じくホームレスでシェルターに滞在中の彼女がいるこの街へ戻ってきた。

そしてまたもやシェルター付近に近づきスタッフに腹を立て火を起こす。そして警察沙汰。6ヶ月シェルターに行くことは禁止された。路上生活を続ける彼。しかし寒さと、頻回に起こされるため(パトロールの警察や警備の人たちから)ぐっすり眠る事が出来ず、そうなると考えや行動がどんどんおかしくなるのがラリーの特徴。

このまま6ヶ月も路上生活はできないでしょう(野外や路上生活で何年も生きているホームレスを何人も知っている。しかしラリーにはサバイバルに必要な知識も技術もない)、、、どうするの?と、聞くと

路上で寝泊まりするだけさ!それにしてもシェルターに仕返しがしたい。放火だ、それとも爆弾を仕掛けるか!

と、目をギラギラさせて言う。違法行為は勧めません!!!側で泣き崩れる彼女。そうなるとラリーもオイオイと泣き出す。

警察沙汰になるたびにERで精神科の評価を受けている。しかしメンタル的には異常がなくすぐ退院となる。

これからどうなるんでしょうね、、、、、。


お店の間に陣取る2人。きっとすぐ撤退するように言われるのに。

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