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走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

解禁

2015年05月20日 | 仕事
昨夜日本のバラエティ番組を観ていた。5年前に不祥事を起こし禁酒をしていたタレントKが5年経ったからアルコールを解禁したと番組の中で乾杯をしていた。

んんん~残念だ。

アルコール、薬物、ギャンブル、セックス、どんな依存症でもスペクトラムは同じ。それに関しての以前の記事はこちら。

タレントKは泥酔で全裸で公園にいたのだから、chronic dependenceとまではいかなくてもproblematic Useは確かなほど (アルコール依存ではなくアルコールと他の薬物を混ぜたためそうのような行動に出たのなら話は別ですが。薬剤を混ぜることに書いた記事はこちら)、アルコールに依存していた人が5年経ったからと解禁とは、、、、。

以前にも書いたが依存症の再発率はとても高い。一度壊れてしまった神経の回路(正常な回路ではない状態)は残念ながら回復することはない。なので依存物質に接触するとあっという間に昔の状態に戻りやすい。
タレントとして公の場に身を置いているのだから、社会的な影響も考えて欲しいと思う。残念な例を不祥事でファンや一般の人に見せてしまったのなら、依存から回復した良い模範者になって欲しいと思う。

番組で同グループの一員が禁酒していた5年間タレントKと全くプライベートの付き合いがなかったと言っていた。酒は人をつなぐ潤滑剤でもある。だからこそ

禁酒=社会とのつながりを断つ 、友達を失う。

と言う方程式が成り立ってしまう。そうなので禁酒の実行に困難が伴うのだ(わたし的にはお酒がなければ付き合わないのなら本当の友ではないので、そんな人は捨ててしまい、酒がなくても付き合える友を見つけなさい!と思うのですが)。

こういうタレント同士の会話が全国放送で流される。まだまだ日本で依存症の認識が低いということを確認させられた夜だった。


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