諸行無常の響きあり

フィリピンの小さな焼き鳥居酒屋の親父のつぶやき

民度(Cultural standard)

2011年06月02日 02時05分29秒 | つぶやき
『民度』以前知り合いのお客さんから、聞きなれない言葉を聞いた。


※出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2010/12/19 06:20 UTC 版)

民度(みんど)とは特定に地域に住む人々の知的水準、教育水準、文化水準、行動様式などの程度を指す。テレビ番組の内容が時代、地域の民度と連動しているとの考えが存在する。






今回の東日本大地震が起きた際の日本人の対応はこの『民度』の高さが他国の例と比喩されたようであるが、その後の原発事故の政府の対応はどうだったであろう・・・。1986年に発生したチェルブイリ原発事故の際に日本政府は当時のソ連政府に対しての情報公開を要求した。ところが今の日本政府の対応は・・・・。

フィリピンに住む私が、その問題をとやかく言っても仕方ないので、このフィリピンの『民度』というテーマで日記を書いた。知的水準、教育水準、文化水準、行動様式という観点から言えばこのフィリピンという国の国民の『民度』はどうなのだろう。民度が高いという使い方より、低いという使い方が一般的には良く使われるようであるが、前回書いた記事の他人の駐車場に平気で車を停めるということ自体、この民度の問題が起因しているのではなかろうか。

国全体に流れる良否の判断の違い、国民が国民として自意識を持つかどうか・・・・。こちらでもニュースで盛んに時事ニュースを流す、しかしこのニュースを見て一般国民がどう理解するのか。例えば日本から渡比または帰国してくる人たちの手荷物に食品が入っているとする。当時日本の地震、津波に伴う原発事故がこちらでも盛んに報道されていた。

それを受けたフィリピン政府は入国者の荷物チェックを厳重にし、食品は全て没収と言う一幕もあったようだ。日本からのお土産と言えば誰しもが目にするであろうN社のカップラーメン、土産として持ち込もうとした物が全て没収された場面もあったようだ。カップラーメンと放射能汚染、どういう関係があるのか専門家ではない私は理解できないが、そうした風評はフィリピン中に流れると過剰気味の反応になってしまうと言う事はある。

昨日もニュースで魚が大量死したとの報道、本日の市場では魚が全く売れなったそうである。ガソリンが上がると報道されれば、それに乗じた価格の値上げが市場などでも起こる。禁煙令が出れば全ての場所に置いて禁煙だと言う話が出る。台湾製の清涼飲料水に有毒な物質が混入していると報道されれば、翌日から台湾製の食品が全く売れなくなる。

ただ自国の持つ生産性が低い為に海外からの輸入品に頼らざるを得ないと言う事も伴いこうした出来事が連日報道されるのも仕方がないが、それですら不思議に感じない国民達、世間で起きている出来事はほとんどが『蚊帳の外』の出来事であり、自分の身に直接降りかかる事のみが彼らの真実なのだ。

しかしこうした風評は私が幼い頃に日本で経験した出来事に似ていなくもない。情報の正確さが庶民に正確に伝わらない為に偽情報や過剰な情報が蔓延する。当時の日本はTVがようやく普及し始めた頃で、新聞などが主な情報源であったのだろう。しかしその新聞は大概の家庭で最低でも朝刊は取っていた気がする。

だが今のフィリピンはどうであろう。おそらく国民の何割も新聞ですら読まないのではなかろうか。TVと言えばお笑い番組やタレントの誰々がどうしたこうした・・・その他の番組は踊りや歌が主流、これがテレビ番組の内容が時代、地域の民度と連動しているということになるのだろう。

『民度』ここフィリピンで感じる全ての出来事が外国人の我々には理解できないことが多いが、是に起因しているというのが大きいと感じる今日この頃である。まあ昔の日本のトイレットペーパー騒動もそれに似ていなくも無いがその昔、本気でアンティーポロのマリア像が血の涙を流したなどという報道を信じる国民性がここにある。