メグブログ(美咲歌芽句)

Jeane+荒涼天使
 (ex.Mr.Kite)

アルトーの季節

2007-05-26 01:11:31 | 日記
仏文学者でアントナン・アルトーの専門家でもあり、ジャベス、ソレルスなどの翻訳や、『アントナン・アルトーの帰還』、『中島らも烈伝』などの著者で知られる鈴木創士氏が、猫額洞を通じて私のサイン入りの詩集を買っていただいた。光栄だ。彼は私の詩の中でも「ジム・モリソンに捧げる詩」と「ブライアン・ジョーンズに捧げる詩」が気に入られたようで、とてもうれしい。
私の詩集の装幀をやってもらった藤本真樹さん経営の、外苑前にあるサロン風の洒落たバー「詩人の血」に先月初めて行った時、店の壁にアントナン・アルトーの小さな肖像画が飾られていて、彼はそれをひょいと外して私に手渡し、「アルトーだよ」と言って見せてくれた。彼もどうやらアルトーがお好きなようで、私の周りには最近なんだかアルトー好きが集まっている。アルトーの季節か・・・。好ましい現象だ。

私の昔の友人が今、麻薬取締法違反の罪で投獄されている。
詳しいいきさつは知らないけれど、たぶんマリファナの一本でも所持していて捕まったと想像しているのだけど・・・もしそうだとしたらまったく馬鹿げてる! オランダではすでに合法のマリファナだ。
そもそもマリファナは麻薬なんかじゃないし、洋の東西を問わず古代から神聖な儀式の際に使われてきた薬草だ。ガッデム! まったく馬鹿げてる! 彼は2年程の求刑を受け、来年の春頃までは“別荘暮らし”らしい。その彼の元へ私の詩集が送られた。刑務所の中まで入ってゆけた私の詩集はしあわせだ。猫額洞に送られてきた彼の手紙によると、独房の中に鈴木創士氏の『中島らも烈伝』と私の『荒涼天使たちの夜』が並べてあり、「僕は今この2冊があれば何もいらない」と書かれていたという。私はそれを聞いて笑いながらも、胸が詰まりそうになった。友の置かれている立場と、そう言ってもらえるありがたさに対して・・・。彼が一日も早く自由の身になることを祈らずにはいられない。






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1 コメント

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Unknown (エス)
2007-05-26 10:57:55
監獄のなかに置かれた本、光栄です。
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