瀧澤美奈子の言の葉・パレット

政を為すに徳を以てす。たとえば北辰の其所に居りて、衆星の之に共(むか)うがごときなり。

21世紀気候変動予測革新プログラム 平成21年度公開シンポジウム

2009年08月28日 | 今日の出来事
『気候大変動の時代に生きる』と題して、21世紀気候変動予測革新プログラムの平成21年度公開シンポジウムが開かれました。

21世紀気候変動予測革新プログラムは、簡単にいえば、日本の気候変動予測研究の総本山にあたる研究グループの体制です。
地球シミュレータを使った予測研究などでIPCC第5次評価報告書へ貢献をすることや、気候変動に対応するための政策に対して科学的基礎を提供する目的で、文部科学省により、5カ年計画(平成19年度~23年度)で実施されています。

研究項目として、
1.温暖化予測モデルの高度化
2.予測モデルの不確実性の定量化
3.予測情報に基づく自然災害に関する影響評価(台風や集中豪雨など)
があります。

くわしくはHPをご覧いただくとして、シンポジウムに参加しての感想を述べたいと思います。

第一に、私たちが理解している地球の気候に関する知識は、大枠では合っているものの、不確実性がどれくらいかということや、二酸化炭素の大幅削減に向けた排出経路をどうしたらよいのかといったことの判断を下すには、まだまだ精度を高める必要があるということです。

第二に、豪雨や台風被害を予測するために科学のツールを用いた予測の精度を上げることはもちろん必要ですが、同時に私たちの生活の質を保つためにどう対応していったらよいのかという、私たち自身の判断を行うための考え方の整理が、これからますます重要になってくるだろうということです。

また、この革新プログラムの範疇ではありませんが、低炭素社会の具体的なイメージ、つまり産業のエンジンを駆動するような正のフィードバックを内包する新しい産業構造が見えていないのが実情です。これらのことは引き続き注意深く見ていきたいと思います。

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