図書館屋の雑記帳

自分のこと、図書館のこと、図書館関係団体のこと、本や雑誌など図書館の資料について気の向くまま書いていきたいと思います。

『徳川将軍家十五代のカルテ』

2006-11-16 | 本の紹介
ちょっと前の本ですが、私図書館屋はこんな本が好きなので(不謹慎かも)、
読んでみました。
古今東西の著名人の病歴を調べたり、
日本人作家の病歴を考察した本もありますが、
徳川将軍家十五代のカルテ 徳川将軍家十五代のカルテ
篠田 達明

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これは日本人ならほとんどの人が知っている徳川将軍の病歴をたどったもので、
15人の将軍のほか、家康の次男結城秀康、同6男松平忠輝、水戸光圀の計18人が
見出しで取り上げられています。
中を見ると、
家康、秀忠、光圀はガンで亡くなっている一方、
十代家冶以降は6人中3人が脚気で亡くなっているというのは時代が感じられます。
また、将軍が亡くなると等身大の位牌を作って納めたというのも初耳でした。
「犬公方」綱吉の身長が130センチに満たなかったこと、
障害者の将軍が2人存在すること(つまり社会的に排斥されていなかったという事実)など、私図書館屋の知らないことばかりで、とても面白く読めました。
これは、
徳川将軍家は『徳川実紀』をはじめ多くの記録があったり、
位牌を作るための計測結果が残っていたり、さらに増上寺での発掘調査があったりして、
推測する材料が多く正室や側室の事柄を含めかなり詳しく語ることができたからでしょう。
また、
将軍の病歴だけでなく、各将軍の性格と病歴の関係、病気が歴史に及ぼした影響なども語られ、興味は尽きません。もっともあくまで推定であるため、読み物として楽しむのがベストかもしれませんが・・・。
 そういえば家康は大名たちに「御医師家康」と呼ばれたほど、医師顔負けの知識と道具を持っていたようで、家康自ら万病円、寛中散などを調合し、側近たちに配っていたとのことです。
 今手元に下記のような伝承薬の本がありますが、病気の原因や近代的な薬がなかった時代でも、人々は様々な工夫を凝らし病と闘っていたのですね。
伝承薬の事典―ガマの油から薬用酒まで 伝承薬の事典―ガマの油から薬用酒まで
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