図書館屋の雑記帳

自分のこと、図書館のこと、図書館関係団体のこと、本や雑誌など図書館の資料について気の向くまま書いていきたいと思います。

船橋市の図書館司書による図書廃棄事件判決確定

2006-04-09 | 図書館つれづれ
 4月7日船橋市の図書廃棄事件の判決が確定しました。
 この事件は船橋市の図書館に勤務していた土橋悦子司書が、「新しい歴史教科書
をつくる会」のメンバーの著書107冊を意図的に廃棄処分にしたというもので、原告一人当たり3,000円の損害賠償を船橋市が支払うという判決が確定しました。

 私図書館屋は土橋司書と面識はありませんが、日本の児童サービスを牽引してきた一人で、著書や論文、創作等でも活躍されていた方という認識はありました。それだけに残念というか、日本のトップ司書にしてこのレベルかと思うとなんだか非常に悔しいです。新聞記事では名前は出ていませんが、敢えてここで名前で書くのも文章を発表してきた者の責任として必要なことと思うからです。

 この事件に関して最高裁が判断を下した時、日本図書館協会は土橋司書の行いを批判するとともに、判決文に関して、
 「本件判決は、公立図書館の職員による独断的な蔵書の廃棄は国家賠償法上違法となると判示することにより、公立図書館は国民の知る自由を保障する「公的な場」であると憲法上認知したものと言えるでしょう。」
と述べています(「船橋市西図書館蔵書廃棄事件裁判の最高裁判決にあたって(声明)」)。
 
 確かに最高裁の判決文の中に図書館の位置づけが従来より進んだ判断があったのは前進と言えるでしょう。しかし、別の側面から見ると日本図書館協会会員が行なったことに対し、協会として何らかの措置をとる必要があったのではないかと思います。また司書としてのプライドがあるなら自ら説明責任を果たす必要もあるのではないでしょうか。土橋司書の行いは、「司書」というものの認識を低めてしまったのですから。

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