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Linkin Park - Crawling (日本語訳付き曲解説)

2024-02-22 16:16:50 | 日本語訳付きの曲解説
好きな洋楽の日本語訳(和訳)付き曲解説。


※他の日本語訳(和訳)付き曲解説記事はこちら。



今回紹介するのは前回同様
21世紀で最も売れたバンドで、
全世界累計セールスは1億枚以上を記録している
アメリカのオルタナロックバンド「Linkin Park」の
常に不安や恐怖に苛まれている人の
どこにもぶつける事が出来ない&どこにぶつけていいか分からない
心の葛藤や感情を吐露している歌詞の
ダークでシリアスでメランコリックな曲である
「Crawling」になります。



※曲も本文もかなり暗くて重い内容なので苦手な方は注意!



◆Linkin Park「Crawling」

Crawling in my skin
(皮膚の中で這いずり回る)
These wounds they will not heal
(この痛みが癒えることは無い)
Fear is how I fall
(恐怖が俺を堕落させる)
Confusing what is real
(何が現実なのか混乱している)

There's something inside me that pulls beneath the surface
(俺の心の中に見えない所に引きずり込まれる何かがある)
Consuming confusing
(困惑して,混乱している)
This lack of self-control I fear is never ending
(自制心が欠けいく事に終わりがなくて恐れている)
Controlling I can't seem
(コントロールする事が出来ない)

To find myself again
(再び自分を見つける為に)
My walls are closing in
(俺の壁(今までの出来事)が迫ってくる)
(Without a sense of confidence and I'm convinced that there's just too much pressure to take)
(自信が持てなくてプレッシャーに耐えられないと思い込んでいる)
I've felt this way before
(前にもこんな風に感じた事がある)
So insecure
(とても不安なんだ)

Crawling in my skin
(皮膚の中で這いずり回る)
These wounds they will not heal
(この痛みが癒えることは無い)
Fear is how I fall
(恐怖が俺を堕落させる)
Confusing what is real
(何が現実なのか混乱している)

Discomfort endlessly has pulled itself upon me
(終わることのない居心地の悪さが俺にのしかかる)
Distracting reacting
(気を紛らわせようと,何かしてみる)
Against my will I stand beside my own reflection
(無理失理に自分の内面を見つめて立ち尽くしている)
It's haunting how I can't seem
(忘れられなくて何をどうすればいいのか分からない)

To find myself again
(再び自分を見つける為に)
My walls are closing in
(俺の壁(今までの出来事)が迫ってくる)
(Without a sense of confidence and I'm convinced that there's just too much pressure to take)
(自信が持てなくてプレッシャーに耐えられないと思い込んでいる)
I've felt this way before
(前にもこんな風に感じた事がある)
So insecure
(とても不安なんだ)

Crawling in my skin
(皮膚の中で這いずり回る)
These wounds they will not heal
(この痛みが癒えることは無い)
Fear is how I fall
(恐怖が俺を堕落させる)
Confusing what is real
(何が現実なのか混乱している)

Crawling in my skin
(皮膚の中で這いずり回る)
These wounds they will not heal
(この痛みが癒えることは無い)
Fear is how I fall
(恐怖が俺を堕落させる)
Confusing
(混乱している)
Confusing what is real
(何が現実なのか混乱している)

There's something inside me that pulls beneath the surface
(俺の心の中に見えない所に引きずり込まれる何かがある)
Consuming confusing
(やり果たして,消費している)
This lack of self-control I fear is never ending
(自制心が欠けいく事に終わりがなくて恐れている)
Controlling I can't seem
(コントロールする事が出来ないんだ)








昔経験した事はトラウマになって永遠に心に残り続ける
常に不安と恐怖が付き纏いどうする事も出来ない
痛みは消える事は無いし癒える事も無い
心の中にある「傷」は永遠に消えることは無い





どこにぶつけていいか分からない感情をぶつけているような感じがある
真っ直ぐで繊細で痛々しくて物悲しくて
どこか達観しているというか「諦めている」歌詞の曲なんで、
ぶっちゃけ救いらしい救いはないように思えるかもですが、
ボーカルで歌詞を書いた「Chester Bennington」と同じく
幼少期にトラウマがある「Korn」の「Jonathan Davis」や
人生観がダークで達観している感のある「Chris Cornell」が
この曲に対してシンパシーを感じていた&感銘を受けていたように、
「Chester Bennington」は11歳の時に親が離婚して父親に引き取られていて、
7、8歳から13歳まで年長の男友達から性的虐待を受け、
16歳までにLSDなどの薬物やアルコールを大量摂取するようになり
寂しい家庭環境を紛らわすため絵を描いたり詩を書いたりしている時に音楽に興味を持ち
Grey Dazeというバンドを始め仲間が出来た事で一時は環境が好転するものの、
暗い過去を忘れるためにますます酒やコカインやメタンフェタミンに
溺れるようになっていたという過去があるように、
同じようなトラウマや苦しみを抱えた人に「自分だけじゃないんだ」と共感を呼んで、
アメリカ筆頭に多くの国でこの曲は人気になったように
「Chester Bennington」のリアルで嘘の無い歌詞と感情剥き出しの歌は胸を打つものがあり、
何をやっても満たされない&消える事のない気持ちを抱えている人筆頭に
少しでも歌詞のような事を感じた事がある人には
何かしら心に響くものがあるでしょうし、
救いとまでは言わないけど気分が少し晴れる感じがあるかと。

特に「One More Light Live」バージョンは
あまりに美しくて悲しくて痛くて実にエモい…





ただ最初に書いたように「Linkin Park」は世界的な成功を収めたのものの、
大金や地位や名誉では「トラウマ」は癒えなかったようで、
彼が尊敬して止まなかった「Chris Cornell」が自殺した後に
彼の誕生日に後を追うように「Chester Bennington」も自殺してしまったんだよね…



「Crawling」収録の1stアルバムが大成功した後に発売された
2ndアルバム収録曲の「Somewhere I Belong」では
「俺は癒されたい。この痛みをどこかにやりたい。自分の居場所を見つけたいんだ」と、
「Breaking The Habit」では
これまでの習慣(過去に囚われてしまう癖)を断ち切るんだと歌っていたように、
過去のトラウマを乗り越えようとする強い意志も感じたので、
以前ほどネガティブでは無くなったのかと思えば
実際には根本的な部分はあまり変わっていなかったようで、
去年発表された同時期に作られていた未発表曲の「Lost」の歌詞は
「Crawling」を更に推し進めたもので一切の救いが無いので、
結局最後まで彼の心の闇は癒える事無くずっとあったようですし、
皮肉な事に自殺した事で彼が書いた歌詞に説得力が増したというか、
心の底からの叫びだったんだなと納得出来てしまう事が何とも遣る瀬無い…




「Chester Bennington」は動物の権利団体PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)の「INK NOT MINK(毛皮を着るくらいなら刺青で)」キャンペーンにも参加しており毛皮反対の意思を公表していますし、
PETAのインタビューの中で「僕たちはこの世界の全ての生き物に敬意を示す必要がある」といい動物の権利を支持し「毛皮を買わない」という選択だけではなく
犬や猫の里親になる選択を促していたように、
常に世の中が少しでも良い&優しい世界になるように行動していた人で、
Chester同様に幼少時の酷いトラウマがあるKornの「Jonathan Davis」が
Chesterが自殺した事を受けて語ったインタビューで、
「一番傷付くのは、いつも一見幸せそうで一番優しいやつなんだよ…」
「俺は鬱病とChesterがやったこと全てを理解してるよ」
「鬱病は物事に耐えられないと感じさせる恐ろしい病気なんだ。
俺は何が起きたか分かった時は言葉さえ出なかった」
「フェスなんかで一緒になると、いつも俺のことを探しに来てくれて毎回嬉しかった。
俺はあいつのことが本当に大好きだったんだよ」
「彼の歌詞は胸に突き刺さってきて凄く自分に関係のあるものだった。
人って音楽と一緒にそういう歌詞を聴くと心が解放される感覚を覚えるんだよね」
「多くの人を助けていると自分自身を忘れることがある。
彼はスーパーヒーローだったけど、それが痛ましいよ。
俺たちは物事が良くなる生きている証にならなければならない訳だけど、
Chesterにはもっとやるべきことがあったんだろうな」
「世界にはもっとChesterのような人が必要なんだよ…」
と述べているように、
優しい人ほどシリアスに考えすぎてしまい、
些細な出来事にでも傷ついてしまうし、
過去の自分と重ね合わせてしまって全てに対してが嫌になるんだろうね…



天国ではどうか癒されて安らかに過ごせているといいなと心の底から思わざるを得ない…



Rest in peace. Much love.





◆おまけ
「Chester Bennington」が尊敬して止まない兄貴分である「Chris Cornell」がゲスト参加したライブ映像

この光景が二度と見られないという現実に未だに混乱が止まらない…

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