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Rush - The Spirit Of Radio(日本語訳付き曲解説)

2022-01-07 10:57:20 | 日本語訳付きの曲解説
好きな曲の日本語訳(和訳)付き曲解説。

※他の日本語訳(和訳)付き曲解説記事はこちら。


今回紹介するのは、
当時テクニカルで大作志向のプログレロックバンドの「Rush」が、
「5分以下で分かり易くてポップな一般受けする曲を作れ」と、
レコード会社に言われて作った、
商業主義の音楽業界やテレビ業界に対する皮肉と、
ラジオや音楽が本来持っていた純粋な魅力への想いを綴った歌詞を付けて、
レコード会社への嫌がらせとプログレバンドとして誇りを保つ為に、
テクニカルなギターや変拍子を入れたりしつつ、
5分に最も近い「4分59秒」にまとめ上げたという、
素敵で捻くれたエピソードがある、
「The Spirit Of Radio」という曲です。



Rush - The Spirit Of Radio (From "Snakes and Arrows")

Begin the day with a friendly voice
(親しみのある声と共に一日が始まる)
A companion unobtrusive
(何気ない感じで相棒が(ラジオDJが)
Plays that song that's so elusive
(何とも絶妙な曲を掛ける)
And the magic music makes your morning mood
(この魔法の音楽が朝の素敵な気分を作ってくれるんだ)

Off on your way, hit the open road
(道なりに進んで,開けた大通りに出ると)
There is magic at your fingers
(君の指には魔法が宿る)
(※電波状態が良くなって指を動かせばラジオが聞けるようになるので)
For the Spirit ever lingers
(そのスピリットはいつまでも残るから)
Undemanding contact in your happy solitude
(幸せな独りの時間が邪魔されることは無い)

Invisible airwaves crackle with life
(目に見えない電波は生命に満ち溢れていて)
Bright antennae bristle with the energy
(強大なエネルギーでアンテナが光り輝き)
Emotional feedback on timeless wavelength
(時代を超えたエモーショナルなフィードバックを)
Bearing a gift beyond price, almost free
(価格を超えた贈り物をほとんど無料でくれる)

All this machinery making modern music
(こういった機械類が新しい音楽を作る事については)
Can still be open-hearted
(両手を広げて歓迎する事が出来るんだ)
Not so coldly charted
(音楽)チャートは冷たくは無い)
It's really just a question of your honesty,
(本当に問題なのは単に君の誠実さだよ)
yeah Your honesty
(そう君の誠実さなんだ)
One likes to believe in the freedom of music
(私達は音楽が持つ自由を信じたいんだ)
But glittering prizes and endless compromises
(でも煌びやかな賞や終わる事の無い妥協が)
Shatter the illusion of integrity
(そんな高潔な幻想を打ち砕いてしまう)

Invisible airwaves crackle with life
(目に見えない電波は生命に満ち溢れていて)
Bright antennae bristle with the energy
(強大なエネルギーでアンテナが光り輝き)
Emotional feedback on timeless wavelength
(時代を超えたエモーショナルなフィードバックを)
Bearing a gift beyond price, almost free
(価格を超えた贈り物をほとんど無料でくれる)

"For the words of the profits were written on the studio wall
(利益の為の歌詞がスタジオの壁に書かれている)
Concert hall
(コンサートホール)
And echoes with the sound of salesmen...of salesmen...of salesmen."
(そこではセールスマンの声が響き渡ってる、セールスマンの、セールスマンの…)







指で操作するだけで、
いろんな話や音楽が聴けるラジオを「魔法」と表現して、
子供の頃に抱いた音楽への純粋な気持ちとラジオへの想いと、
理想と現実の狭間で苦闘する描写と、
商業主義の音楽&テレビ業界への皮肉を込めた歌詞を載せた、
壮大でテクニカルでロックしつつも、
どこかノスタルジー感がある雰囲気の曲で、
聞いてると少しセンチメンタルな気分になるし、
様々な感情が入り混じっていて不思議な魅力があって、
それこそまるで「魔法」のような曲ですよね…


ここ数年ネットがテレビ以上に台頭して来たみたいに、
この曲が発表された1980年頃には、
テレビ(ミュージックビデオ含む)がラジオに取って代わるように台頭して来ていて、
ディスコミュージックが一定の人気があって、
新しい機械類を使ったシンセサウンドの音楽が出てきたりで、
ラジオから音楽スターが出る時代に陰りが見え、
テレビやミュージックビデオから音楽スターが次々と出て来る時代が始まります。
そして音楽業界やテレビ業界はこぞって、
「5分以下で分かり易くてポップで一般受けする曲」を求め出すようになり、
当時そこそこのキャリアを積んでいた「Rush」にもその要求が来ます。

Rushのメンバーは子供の頃にラジオきっかけで音楽が好きになって、
ミュージシャンに憧れて努力してなった「音楽が純粋に好きだった人達」です。
「何の制約も無く自由に思うがままに、
自分達が良いと思える音楽を作って演奏したい人達」です。

でも「理想と現実」は違う。

ビジネスの上に音楽は成り立っている訳であり、
子供の頃に憧れた純粋な想いのままで生活してはいけないので、
その想いは歳を重ねる内に「幻想」となってしまう。
そんな「現実」を前にして彼等はレコード会社の条件を飲む事にします。
でも条件を飲んだ上で彼らは一切の妥協をせずに
テレビには無いラジオならではの魅力や素晴らしさと、
レコード会社や商業主義の音楽業界の皮肉と、
子供の頃に憧れた音楽への純粋な想いを歌詞にして、
売れてない頃に地元のラジオ局が、
Rushの曲をヘビロテして応援してくれた事があったのもあり、
ラジオへの感謝やリスペクトの気持ちも込めつつ、
変拍子入れたりとテクニカルな部分も見せたりと演奏にも力を入れて、
自分たちが譲れない所は譲らずに、
やりたい事や言いたいことを全て詰め込んで、
ノスタルジックでありながら痛快かつ純粋な良い曲を作り上げた。

結果この曲は凄く売れて彼らの代表曲の一つとなった。


その後も「Neil peart」が亡くなるまで、
スタジアムでライブが出来るようなモンスターバンドとして活躍して、
ロックの殿堂入りも果たして「ロックレジェンド」になった。


なんて素敵なストーリー!
漫画より漫画みたい!熱くてエモい!


自分が「Rush」を好きになったきっかけがこの曲なのもあり、
(中学生の時に80年代特集みたいので紹介されてたのを見て…)
この曲は個人的にRushの曲の中でも大好きで、
初めの力技感ある変拍子や印象的なギターなんか最高ですし、
展開も構成も演奏も歌詞も全てが高いレベルで融合していて、
「好きな物への純粋な想いや憧れ」を述べてるのとかエモいし、
最後の歌詞が痛烈な皮肉なのも実によいよい!名曲!


ちなみにAメロの歌詞の「magic music makes your morning mood」の部分は、
母音が「M」の言葉を並べることで柔らかい印象を与えて、
朝の穏やかで優しい雰囲気を出してるみたいです。
なんて心憎い気配り!






PS
今日でドラムの「Neil peart」が亡くなってもう2年か…
亡くなった週の「ファッション通信」でOPにこの曲を掛けてたの見て驚いたな…
The Bugglesの「Video Killed the Radio Star」と並んで、
この曲は当時のシーンを象徴する曲だったんだろうね…
ちなみにブログのタイトルにRushの代表曲である「2112」と入ってるように、
Rushは個人的に好きなバンドの5位以内には入るくらい好きだったりします。
「Tom sawyer」に「Freewill」に「Subdivisions」に「Analog kid」などなど、
歌詞が良い曲が多いし演奏も素晴らしいように本当に最高なバンドの一つで、
「Depeche Mode」「New order」「Radiohead」「Slayer」「Paradise lost」「Metallica」「Korn」
「Soundgarden(Chris Cornell)」「Linkin Park」「Nine Inch Nails」「Marilyn Manson」「Bad Religion」等と並んで
間違いなく自分の人生観に大きな影響を受けてます。




◆名前出したのでおまけで貼り
The Buggles - Video Killed The Radio Star (Official Music Video)

「ビデオがラジオスターを殺してしまった」という、
何ともストレートで強い表現のタイトルの曲ですが、
現在テレビスターがネットに活路を見出して「生き返った」人が居るように、
当時のラジオスターもテレビに活路を見出して、
再注目されたりして「生き返った」人も居るので、
最終的には関係が「敵対関係」から「共存関係」になってるんだよねー!
「ラジオからテレビ」の時も「テレビからネット」の時も、
「敵対関係→共存関係」へ行き着く過程が同じなのが何とも面白いw
人の愚かさや成長の無さが如実に感じられるものwww
「Buggles 」はそこまで見抜けなかったから「Rush」と違い一発屋で終わったのかもなw
そして現在は巡り廻ってラジオが盛り上がりを見せてる感がありますが、
今回は敵対視する事無く初めから「共存関係」なんだよねー
40年掛かって人はやっと学習したんだなとか思うとなんか興味深いw
差別や偏見は「理解力の欠如(無知)」からと来ると言いますが、
未知の物に遭遇したら危険を察するのは生物の「本能」ですし、
これ見るといかに早く正確に「認知」されるのが大事なのかよく分かるわ。
コロナの初期の対応やアジア人差別なんか正に上記のような事ですし。


PSのPS
なんか最近ただの音楽話から哲学的な話や社会問題や人間学みたいな話まで膨らむなww
いつも30分くらいで書き終えるはずが気付いたら1時間以上経ってるもんwww
予想だとあと二つくらい記事書いてる筈なのにwww
次回の訳付き曲解説はなるべく簡潔に書きたいもんだ…
なお次回の洋楽ネタは自分のベストアルバムを数年振りに書いて挙げる予定です。
「洋楽メモ」とか「新規アニメと秋アニメの感想」をなるべく早く書けるといいな…

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