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Rise Against - Help Is On The Way (日本語訳付き曲解説)

2022-03-19 09:15:11 | 日本語訳付きの曲解説
好きな洋楽の日本語訳(和訳)付き曲解説。

※他の日本語訳(和訳)付き曲解説記事はこちら。
後日書いたRise Against の「Satellite」の日本語訳(和訳)付き曲解説記事はこちら。


今回紹介するのは、
社会派パンクバンドとして有名な「Rise Against」の、
「Help Is On The Way」という曲です。
元々は「ハリケーンカトリーナ」と
「メキシコ湾原油流出事故」をテーマにして書かれてる曲なんですが、
当事者視点の歌詞なのもあり、
ウクライナ問題にも通じる所が多くありますし、
以前に訳付きで記事書きましたが、
解説付きで残して&まとめておきたいので改めて書きます。



Rise Against - Help Is On The Way (Official Video)


I have my mother's dreams
(僕には母の夢がある)
I have my father's eyes  
(僕には父の眼がある)
You can't take that from me
(僕からそれを取り上げる事は出来ない)
Just go ahead and try
(とにかく先に進んでみるんだ)
The crescent city sleeps
(三日月の街が眠りについたら)
While giants in the sky
(巨人が空に現れる)
Preparing to unleash
(解き放つ準備がされて)
Let loose a mighty cry
(力強い叫び声が放たれる)

Can nobody save us?
(誰かが私達を助けてくれるって? )
Will anyone try?
(一体誰が?)
The bayou is burning
(河川は燃え盛り)
The cypress is dying
(植物(サイプレス)は枯れ果てていく)
And all along they're saying
(そして彼等はずっと言っている)

Help is on the way
(もうすぐ助けが来る)
Help is on the way
(もうすぐ助けが来る)
One by land, two by sea
(まず陸から、次に海から)
Right there in front of me
(目の前のすぐそこから)
Help is on the way
(もうすぐ助けが来る)

Five thousand feet below
(5000フィート下)
As black smoke engulfs the sky
(黒い煙が空を飲み込み)
The ocean floor explodes
(海が割れて爆発する)
Eleven mothers cry
(11人の母親達が泣き叫ぶ)
My bones all resonate
(僕の骨身に響き渡る)
A burning lullaby
(これは酷い子守歌だ)
You can't take that from me
(僕からそれを取り上げる事は出来ない)
Just go ahead and try
(とにかく先に進んでみよう)

She stands at the shoreline
(彼女が海岸線に立ちながら)
With hands in the air
(空へと手を伸ばす)
Her words pierce the dark night
(暗夜に向かって言った彼女の言葉が突き刺さる)
"Does anyone care? "
(「誰か気づいてくれたの?」 )
And all along they're saying
(そして彼らはずっと言っている)

Help is on the way
(もうすぐ助けが来る)
Help is on the way
(もうすぐ助けが来る)
One by land, two by sea
(まず陸から、次に海から)
Right there in front of me
(目の前のすぐそこから)
Help is on the way
(もうすぐ助けが来る)

Right here! Right here!
(ここに居るぞ!ここに居るぞ! )

Choking on the black gold
(咽返るような石油の臭い)
Upon which we rely
(僕達は拠り所にしている)
We keep axes in the attics
(屋根裏部屋の柱の上をキープして)
To see cameras in the sky
(空にあるカメラに目を向ける)
Help is on the way
(もうすぐ助けが来る)
Help is on the way
(もうすぐ助けが来てくれる)
We were told just to sit tight
(私達はただじっと座っていろと言われた)
'Cause somebody will soon arrive
(もうすぐ誰かが来てくれるから )
Help is on the way
(もうすぐ助けが来てくれる)

But it never came!
(でもそれは決して来なかった!)
It never came!
(それは決して来なかった!)

Help is on the way
(もうすぐ助けが来る)
Help is on the way
(もうすぐ助けが来る)
One by land, two by sea
(まず陸から、次に海から)
Right there in front of me
(目の前のすぐそこから)
Help is on the way
(もうすぐ助けが来る)







「ハリケーンカトリーナ」と「メキシコ湾原油流出事故」という、
実際にあった出来事をテーマにして書かれてる曲なんで、
リアリティがあって生々しさもありますし、
2011年の春先に発表された曲なのもあり、
「東日本大震災」や「クライストチャーチ地震地震」も連想させて、
当時MV見た&聞いた時は、
凄く胸に来るものがあったんですが、
先日、東日本でまた大きな地震がありましたし、
ウクライナ情勢にも通じる物もあるので、
今聞いても胸に来るものがありますね…
今も歌詞みたいに、
救いを求めて待っていたけど助からなかった人や、
子供を失って泣いている母親も居る訳であり、
悲しみに慣れる事なんか一生無いですし…

この曲は当事者視点で書かれてる歌詞ですが、
聞けば分かるように、
序盤は客観的に淡々と歌ってる感じですが、
後半筆頭に所々で怒りや悲しみなど、
様々な感情を出してる&込めてるように、
いろんな視点から緩急付けて情熱的に歌ってますし、
演奏や構成も緩急効いてて、
熱くてエモーショナルなように、
当事者の悲しみや怒りと共に、
助けられなかった人の無念や、
被害に遭われた人への遣る瀬なさなど、
行き場の無い様々な感情がぶつけられている感じなんで、
悲しみだけでは無く、
「追悼」の気持ちも感じますし、
適度な疾走感がある曲なのもあり、
前向きにとまでは言わないまでも、
前を見て進んでいこう感もあって、
パンク精神を感じるのが、
実に熱くてエモいし素晴らしい!

この悲しみや想いを、
どうか明るい未来に繋げられますように。


そして改めて、
亡くなった方は、
どうか安らかにお眠りください。R.I.P.






※補足解説
◆メキシコ湾原油流出事故
2010年4月20日にメキシコ湾の海上で、
海底油田掘削作業中だった、
BP社の石油掘削施設「ディープウォーター・ホライズン」で、
技術的不手際から掘削中の海底油田から
逆流してきた天然ガスが引火爆発し、
海底へ伸びる5500mの掘削パイプが折れて、
大量の原油がメキシコ湾へ流出した事故。
11人が行方不明。17人が負傷。

◆ハリケーン・カトリーナ
2005年8月末にアメリカ合衆国南東部を襲った大型ハリケーン。
ハリケーンの強さを表すシンプソン・スケールで、
最大時で最高のカテゴリー5、
ルイジアナ州上陸時でカテゴリー3。
カリブ海沿岸、米南部などを中心に被害があり、
フロリダ州などでも死者が出たが、
再上陸後のミシシッピ州、ルイジアナ州での被害が大きい。
特にポンチャートレイン湖に面するニューオーリンズが壊滅的な被害を受け、
湖及び工業水路の複数個所で堤防が決壊し、
市内の陸上面積の8割が水没した。
市内の各地では廃墟のような街並みが広がり、
遺体が水面を流れているといった光景が広がった。
他にも避難所で感染症が蔓延したり、
刑務所で看守不在のまま受刑者600人以上が水や食料も与えられず4日間放置され、
受刑者517人が行方不明になったり、
支援物資の不足により高齢者などが衰弱死したり、
略奪行為や放火と見られる火災などもあり。
死者数は2006年4月発表時で1836人。

◆クライストチャーチ地震(ニュージーランド地震)
2011年2月22日にニュージーランドのカンタベリー地方で発生した
モーメントマグニチュード(Mw)6.1の地震。
特に被害を受けた都市クライストチャーチの名を取って
「クライストチャーチ地震」「リトルトン地震」、
また単に「ニュージーランド地震(NZ地震)」と呼称される場合もある。
クライストチャーチ大聖堂の塔が崩壊し、
市内の多くの地域で停電や断水が発生。
観測史上最大規模の液状化現象が発生し、
被害家屋は40,000~50,000棟に上るとされている。
死者数は185人。

◆東日本大震災
2011年3月11日14時46分18秒に発生した東北地方太平洋沖地震による災害、
およびこれに伴う福島第一原子力発電所事故に拠る災害。
大規模な地震災害である事から大震災と呼称される。
地震の規模はモーメントマグニチュード (Mw) 9.0。
東日本各地での大きな揺れや、大津波、火災などにより、
東北地方を中心に12都道府県で18,425人の死者・行方不明者が発生。
(震災関連死を除く)

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