いぬBlog by mikipoo

mikipooやトイプードルのCandice、フレンチブルのhanaの日常をつづるブログ

青山ブックセンター倒産

2004-07-16 16:20:55 | ニュース
 青山ブックセンターが全店閉店したそうな。
取次の栗田出版販売が破産申立をしたらしい。
六本木店ではすでに撤収作業が始まっている。

てんめーーーー!この野郎!栗田!余計なことすんな!
と言いたいところであるが、書籍の未払い代金分が
余剰在庫をはるかに上回り、
もうどうにもならないところまで来てたんだろう。
栗田は債権者として当然の権利を行使しただけだ。
そして、書店がつぶれるときはいつもこのパターンだ。

青山ブックセンターは大好きな本屋だった。
六本木で遊んで帰るときにぶらりと寄って、
酒の勢いでしこたま本を買い込んで帰るパターンが多かった。
「店主の気に食わないデザインの本は置かない」という美意識が
徹底され、洋書やインディーズ本などが数多く置かれていた。
私が以前関わっていた雑誌は表紙がどぎつく、
店主の美意識に合わなかったようで
3冊くらいが本棚の隅に押し込まれるように陳列されていたが、
そんなこだわりが私は好きだった。
どんなに売れていても置かない本がある代わりに、
だれも知らないような本が平積みになっていたりした。
こんな本、どっから見つけてきたんだろう?と
びっくりするようなコアな洋書を探すのも楽しかった。
青山ブックセンターの店長に編集してもらったら、
面白い本ができるんじゃないかとひそかに思っていた。

どんなに資料的価値がある本でも100円で買い叩いて売る
ブックオフが栄え、万引きした本を新古書店に売ったり、
携帯のカメラで本を盗撮する若者が増えた。
書店に置いていない本は、書店ではなく
Amazonに注文すれば中2日で自宅に届く。
そして、経済が停滞すれば、文化もかならず衰退するというのが
世のセオリーだ。

青山ブックセンターが閉店するのも、
抗えない世の流れなのだろう。

しかし悲しい。とてつもなく悲しい。
もう青山ブックセンターで、
ぶらぶらと素敵なひまつぶしができないなんて。
六本木WAVEはとうになく、六本木は私にとって
無価値な街になってしまいそうだ。

これで、私の好きな本屋はヴィレッジ・ヴァンガードだけに
なってしまった。

今後は、ベストセラーだけを扱い、あとは文庫本と
漫画ばかりというクソつまらない本屋がますます増えるのだろう。
そして、文化はいよいよ衰退の坂道を転がっていく。
私ごとき小さい者に、その流れを止めることなんて
できるわけないのだ。

それが一番悲しい。