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佐伯一麦「ア・ルース・ボーイ」

2010年07月20日 | さ行の作家
ルース
loose
緩んだ
杜撰な
だらしの無い
などの否定的な意味と併せ
自由な
解き放たれた
といった肯定的な意味も含んでいる

圧倒的な現実から逃げたり、無視したりするのではなく、きちんと真正面から見据えて生き抜こうとする少年
斉木鮮
県下有数の進学校である高校を中退し、生後一ヶ月になろうとする赤ん坊を持つ、同じく女子高を退学した幹と、古いアパートで同棲している
彼らは自分たちだけの力で生きていこうとしている
ドロップアウトした少年と少女のママゴトのような毎日を描いているのではなく生きることを必死に全うしようとする姿に静かな感動を覚えました

かつて、英語教師に押された烙印『ルース・フィッシュ-だらしの無い奴』,鮮は誰かが勝手に決めてしまうような人生を考えもなく歩くことを拒否し、まぎれもない自分自身を見つけるために歩き始めた
少年は列の中で指名されている自分から完全に解き放たれた自分を知る
「僕は18歳,アイ・アム・ア・ルース・ボーイ」

1999年
岡田義徳さん主演で映画化されていた模様



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