2012年 イタリア・フランス
原題 Bella Addormentata
2009年
イタリアで実際に起きたひとりの女性の尊厳死事件
17年前、21歳で交通事故に遭い植物状態となってしまったエルアーナ・エングラーロ
両親は延命措置の停止を求め、カトリックの影響が強いイタリアで長い間裁判闘争を行ってきた
2008年11月、最高裁判所が訴えを認め、2009年2月に延命措置停止を行うウディネの病院に搬送される
しかし、カトリック信者や尊厳死反対の保守層からの支持を集めるベルルスコーニ首相は、彼女の延命措置を続行させるべく法案の強行採決を画策していた
こうした尊厳死をめぐる賛否両論の激しい対立の最中
エルアーナが移送されてから亡くなるまでの6日間の時間軸に、三つの物語が同時進行で展開されていきます
妻を看取った政治家・ウリアーノ(トニ・セルヴィッロ)と、そんな父に不信感を持つ娘・マリア(アルバ・ロルヴァケル)
ウリアーノが所属するのはベルルコーニ首相率いる自由国民党
病に苦しむ妻の願いを聞き入れ延命措置を停止した経験のあるウリアーノは議員を辞職する決意で反対票を投じようとする
一方、父が母を死なせたと思っているマリアは延命措置が続行されるようウディネでのデモに参加する
自殺願望のある女性・ロッサ(マヤ・サンサ)と彼女を救おうとする医師・パッリド(ピエール・ジョルジョ・ベロッキオ)
いつもように出勤してきた病院の駐車場で女性にお金を奪われそうになるパッリド
廊下を歩いていると、病院の薬局から薬を盗もうとしたという女性が看護師たちにかかえられてきたところに出くわす
その女性は今朝、パッリドからお金を奪おうとしたロッサだった
万事休す、手首を切るのだが幸い一命は取り留める
病室で眠り続けるロッサの傍らに寄り添うパッリド
目覚めたロッサは余計なおせっかいだ、と激しくパッリドを非難するが、人の命を救うのが医師の勤めだと穏やかに語りかける
昏睡する娘・ローザの目覚めを願う元女優(イザベル・ユペール)と俳優志望の息子・フェデリコ
ローザの誕生日に母と妹が暮らす豪邸を訪ねる父とフェデリコ
母を愛し、女優として尊敬しているフェデリコだが、ローザの看病に専念する母の愛が自分に向けられることはない
フェデリコは母に振り向いてもらいた一心である行動に出る
生と死の間で揺れる人々を生々しく描いています
映画の元になったエルアーナさんを17年間も見守ってきた家族の想いどんなだったのでしょう
映画には全く出てきませんが、そこには、家族だけが共有する時間と愛情があったはずです
いつか自分も直面するかもしれない重大な問題
もし、自分が当事者になったらどうするのか
イタリアのように宗教観に囚われることは無いと思いますが
決して安易に結論が出せる問題ではありません
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