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熊谷達也「箕作り弥平商伝記」

2010年07月19日 | か行の作家
帯より
"魂の器"を作る誇り高き職人がいた
秋田で美しい箕を作る青年・弥平
足が不自由にも拘わらず持ち前の度胸と根性で関東平野をめざして販路拡大の旅に出た
大正末期の騒乱期を舞台に弥平の恋と理不尽な差別との闘いを描く感動の長編小説

壱:箕作り弥平は足が悪い
に始まり
弐:箕作り弥平は指が太い
~~
九:箕作り弥平は知っている
まで
面白い趣向です

方言が多く考え考えでしたが、全体は読み易かったです
本文中
のちの時代、世紀の変わり目であると、かような思い込みは「ストーカー」と呼ばれる
など、現在の我々の目線で大正末期を描いているところもあり、さらに読み易くさせているのかもしれません

15歳で初めて箕売り行商に出た折、自分の作った箕を誇りに思う余り強気に出過ぎて一枚の箕も売れず泣いている弥平に、行商のなんたるかを教えた富山の薬売りの喜一郎との偶然の出会いで弥平が成長する辺りは、自分に言われているようにも思い
実るほど頭をたれる稲穂かな
なんて気持ちになりました


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