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佐藤亜紀「1809 ナポレオン暗殺」

2009年12月10日 | さ行の作家
1809年
ナポレオンの欧州支配の極点の時代

仏軍工兵隊のパスキ大尉はオーストリア宮廷の異端児ウストリツキ公爵と出会い、ナポレオン暗殺の陰謀に巻き込まれていく

佐藤亜紀さんに書かせると
ナポレオンは
青白くむくんだ小男
おそろしくひ弱な、ちっぽけな、指の先でひねり潰してやることもできそうな男

要人暗殺というと
フレデリック・フォーサイスの「ジャッカルの日」を思い出します
プロの暗殺者ジャッカルがド・ゴール大統領暗殺を試みるが失敗
暗殺実行までの準備段階や狙撃失敗の後の逃亡劇にワクワクしたものです

この小説は、そういった部分を描くのでなく
また、暗殺の動機となるイデオロギーという正義について熱く語るのでもない
激動期のヨーロッパをさらなる混沌に陥れようと夢見た男たちの、華麗で危険なゲームを精緻に描き上げた歴史活劇

パスキ大尉はかなりの美男子
ウストリツキ公爵の愛人との純愛なども織り交ぜ
抑制の効いた文体で、しかし濃密に読ませます

極上の一品

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