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映画・ふたつの部屋、ふたりの暮らし

2022年04月20日 | 映画(海外)


原題 DEUX
2019年 フランス、ルクセンブルグ、ベルギー
【センチュリーシネマ】

南仏モンペリエに建つ眺めの良いアパルトマンの最上階の向かい合う部屋を行き来して暮らすニナ(バルバラ・スコバ)とマドレーヌ(マルティーヌ・シュバリエ)は世間的には仲の良い隣人ですが、実は長年愛し合う恋人同士でした
ニナはずっと独身、マドレーヌは不幸な結婚の末に夫を亡くし、現在は子どもたちも独立しています
2人は部屋を売ったお金で思い出の地・ローマへ移住する計画を立てていましたが、マドレーヌは子どもたちに真実を伝えられないでいます
そんな中、マドレーヌが脳卒中で倒れ、隣人としか認識されていないニナはマドレーヌの傍にいたくても断られてしまいます
命を取り留め無事退院したマドレーヌですが娘が介護人をつけたため近寄ることもできません
自分で歩くことも出来ず無表情なマドレーヌが唯一反応を示したのは隣人としてお見舞いに行ったニナを目の前にした時だけ
夜中や介護人が外出中の昼間に合鍵でこっそりマドレーヌの部屋に入るニナ
ニナの努力もあってマドレーヌはどんどん回復していきますが、ある日介護人に部屋にいるところを見つけられてしまい…
介護人に対し、給料としてお金は払うからマドレーヌの子供達には内緒で介護を任せて欲しいと頼みます
ラテン系でしょうか、フランスに働きに来ているか移民か、お金が必要な介護人はニナの提案を受け容れます
ところが今度はマドレーヌの娘がニナのことを不審に思い始め、ついに現場を目撃
ニナが不在の間にマドレーヌを施設に入れてしまいます

ニナの部屋が映されるのはマドレーヌが倒れてからです
その部屋の殺風景なことに驚きました
彼女の暮らしはほとんどマドレーヌの部屋だったのです
殺風景な部屋で独りぼっちのニナの寂しさと苦悩、どれほどマドレーヌが大切な存在なのか『身悶えするほど』です

2人のダンスシーンのバックに流れる歌曲が印象的です
地味でミステリアスな雰囲気のBGMの中、この歌曲だけが変に明るく聴こえます

2人が出会った頃は同性愛への理解が皆無だったことから関係を隠し続けてきたのが良かったのか悪かったのか
母親が父親ではなく隣人の女性を愛していたと知った時の子どものショックを考えるとマドレーヌが内緒にしていた気持ちも分からなくはないですが…
最後にはおそらく母を理解したであろう娘の言葉に救いがありました
こういう時の男性(マドレーヌの長男)は拒否しかないようですけど

結末に何を期待するのかは人それぞれでしょう
人が人を愛するのに性別、国籍、環境は関係ない、と思いました
愛の力は強いのです

演じたバルバラ・スコヴァーとマルティーヌ・シュヴァリエに尽きる作品です

フィリッポ・メネゲッティ監督は1980年生まれの男性とのこと
監督は女性で、ある程度年配の方かと思っていました
作品から勝手に思い込んでいました <m(__)m>

     


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